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昨今のゲーミングPCへの需要の高まりは大きい。最新のゲームが遊べることはもちろんのこと、仕事に勉強、クリエイティブ活動にと高いスペックゆえの使用用途の広さがその要因だろう。だからこそ人気なのがゲーミングノートPCである。持ち運べるハイスペックは、あらゆる利用シーンにマッチする。だからこそゲーミングノートPCはハイスペックで、薄く軽く、そして仕事や勉強用として手が出やすい安価なモデルが求められている。
だが、そんなゲーミングノートPCではあるが、ゲームと仕事・勉強という180度違う2つの用途を同時に活かしつつ、かつノートパソコンの持ち運び性能までも活かす場面というのは一般生活の中でそうそうあるものではない。となると、商品説明や紹介もどちらかに偏ったものになってしまいがちである。
だが、ここにゲームプレイと仕事が同義の職業がある。そう、ゲームライターだ。そして、そんなゲームライターがパソコンを担いで移動しまくらなくてはいけない催しがある。ゲームイベントである。ここでならゲーミングノートPCの実力を100%確かめることができるはずだ。
2022年8月6日~7日に開催されたBitsummit X-Road。IGN JAPANでもさまざまな記事を公開し配信も行った。そんなIGN JAPANブースで仕事をしていた私、フリーランスライターの洋ナシがLenovoより最新モデルのゲーミングノートPC「Ideapad Gaming 370」をお借りし、実際にイベントでの業務に活用させていただいた。ゲームイベントでゲームライターが使うからこそ見えるその魅力をお伝えしていこう。
まず「Ideapad Gaming 370」について説明しておきたい。LenovoのノートパソコンにおいてIdeapadはいわゆるエントリーグレードに位置するラインナップとなる。
仕事・勉強向けに安価で展開されているこのラインナップだが、数年前に光学ドライブをとっぱらってGPUをパワーアップさせたゲーミング仕様のモデルを発売したところ大ヒット。以降、エントリーグレードに位置しながらもゲーミングPCとして実用に耐える「Ideapad Gaming」としてアップデートを重ねてきたシリーズとなる。今回はそのシリーズの4代目をお借りした形だ。発売は2022年6月と出たばかりの新機種となる。
見た目の感想だが、エントリーグレードとはとても思えない外見だ。以前にLenovoの発表会でIdeapad Gamingを見せてもらった時はIdeapad共通のボディを採用していたため、仕事用のノートパソコン然とした見た目であった。が、そこから代を重ね「Ideapad Gaming」独自仕様のボディに変更されたのが2代目。4代目の「Ideapad Gaming 370」はそこからさらに進化している。マットな質感でかなりリッチな印象だ。
先代の360はヒンジ位置が筐体の端にあるオーソドックスな形状であったが、370からは本体の中ほどにヒンジ位置が移動しているのも大きな特徴だ。これは上位モデルであるLenovoのゲーミングブランドLegion同様の排熱機構であるダブルファン4方向排気と、後述する集約背面ポートの2つを搭載したからだそうだ。4代目にしてボディまでもガチンコのゲーミング筐体へと進化したというわけである 。排熱効率向上のおかげでAMD Ryzen 7 6800H モバイル・プロセッサー、Geforce RTX3050Tiというハイスペックが実現できたそうだ。もはやエントリーというのは言葉だけの本気仕様だ。価格は14万4870円。同モデル内のスペック違いなら12万6940円からとなる。ほかのエントリーグレードと同列とは言えないが、仕事・勉強用としても手が届く価格だろう。
そんなIdeapad Gaming 370をイベントで実際に使ってみた。
本モデルは液晶サイズが16インチと持ち運びに適したサイズだ。大型のゲーミングノートPCもあるが、それらは据え置き前提のものである。仕事で持ち歩くと考えればこのあたりがちょうどいいだろう。本体重量は2.6kgと持ち運びには手ごろな重さだ。ゲーミングPCが、エントリーで、この軽さか! と驚かされる。
だが、ここで注目したいのが本機のACアダプタである。LenovoはACアダプタの小型化に力を入れているそうで、比較してみたがなんとXboxコントローラ程度と小さく、さらに薄い。ACアダプタは持ち運びのときにジャマになりがちな存在だ。この小ささと薄さはかなりうれしい。カバンへのおさまりがよく、満足感が高かった。ちなみに重さは410gだ。軽い。
このACアダプタのおかげで、ノートパソコン自体も携帯しやすい。また、このACアダプタは立てて使えるように広い面をつけてあり、これも仕事中便利に使えた。さらに携帯性を高めたい場合はUSB-C充電器を持ち運ぶというのも手だろう。本機はエントリーながらPowerDelivery対応USB-Cを搭載しているのも良い点だ。充電周りの配慮がきき、かなり持ち運びしやすいと言えるだろう。
さて実際に仕事に使ってみての感想だが、ゲーミング仕様なのかキータッチが非常によいのがライター的によかった。メンブレンのへこへこ感と言えばいいのだろうか。どうにも打ちにくさを感じるのがノートパソコンのキーボードである。だが本機はキーボードをかなりがんばっており、キータッチにしっかりと固さが感じられる。キーストローク(押し込みの長さ)もざっくり測ったが3㎜手前ぐらいと見た目通り浅く、ロープロファイルらしいきびきびさがある。ゲーミングPCを名乗るだけある打鍵感だ。加えてテンキーもレイアウトされているので、仕事・勉強用途でも十分活躍してくれる(上の写真はホテルで2日目の配信のカンペを作っているところ)。
もっともゲーミングPCゆえにキーボードを別に用意するこだわり派のほうが多いだろう。だが、仕事先や学校にまでそれを持っていくのはなかなか大変だ。本体のキーボードを使わなくてはいけないタイミングはどうしてもある。そういうとき、普段こだわっているからこそ安っぽい打鍵感が許せないという方も多いだろう。筆者の私もそうだ。実際にこの記事をIdeapad Gaming 370で書いているが、ノートパソコン特有の小さいキーには苦戦したが、慣れれば気分よく原稿作業に没頭できた。
Lenovoの資料いわく、こだわりのキーボードという話だ。LegionブランドのノートPCのキータッチについてはかなり詳細な説明があったので、おそらくここから技術の流用がなされているのだろう。
ちなみにキーボードはLEDで白く光る。虹色に光ったり、光のアニメーションがあったりはしない。この辺りはエントリーグレードらしい部分だ。派手さを求めるゲーマーには残念な部分だろう。だが、仕事・勉強で使うと考えれば虹色に光るよりもおとなしめのほうがよいという考えもある。
そしてやはり気になるのがゲームプレイだ。現地で開発者からいただいたアルファビルドのゲームを起動し、記事用のSSを撮影した。さすがはAMD Ryzen 7 6800H モバイル・プロセッサーとGeforce RTX3050Ti。余裕も余裕である。本当はもっとマシンパワーを使うゲームをと考えていたが、記事割り振りの関係で軽めのゲームを担当したためゲームそのものでマシンパワーを利用することはなかった。が、ゲームプレイの録画(あとから画像を切り出して使う)といったマシンパワーを使う作業も並行させたので、そのマシンスペックを十分感じられた。まあ、スペックをみれば現行のゲームが遊べることは明白だろう。エントリーグレードでこのスペックというのは、何度も言うがすごい。さらに本機はモニターのリフレッシュレートが165Hzもある。ここもエントリーグレードとは名ばかりのハイスペックぶりだ。eスポーツも本機で全く問題なしである。
またゲームプレイに関係する部分で紹介したいのがこの機種のポートの配置だ。4代目となる本機では上位モデルのLegion同様の背面集約となった。電源、LANケーブル、HDMIポート、充電も兼ねたUSB-Cポートが背面に集約されており、ケーブルがノートパソコンの側面にごちゃごちゃ出てこない作りになっている。これにより、マウスを動かすスペースを容易に確保したり、ゲームコントローラや外付けしたキーボードのケーブルとほかのケーブルの存在を分けて管理できる。これが意外にも便利で、ゲームプレイのしやすさにつながっている。また、マウスは仕事でもバリバリ使うため、仕事のしやすさにも貢献している。
短い使用期間ではあったが、エントリーの価格でこれだけゲーミングノートPCとして完成しているなら、買ってもいいかなと感じたのが正直な感想だ。スペックは申し分ないし、ほかの部分についても最新機らしい洗練ぶりを感じられる。エントリーグレードのラインナップはもっと野暮ったくて、野暮ったいからこそ安いというイメージがあったが、常識が覆された思いだ。
ゲームも仕事も両立させたい。そんな思いを抱えてゲーミングノートPCをお探しの方は、Ideapad Gamingもぜひ候補に入れてほしい。Ideapadは確かにエントリーグレードだ。だが、そこから誕生したIdeapad Gamingは確かな実力を持ったゲーミングブランドなのである。エントリーグレードから進化したからこその魅力に注目しよう。
なお今回の記事で作成していた記事はBitsummitにあわせ 公開されている。また、IGN JAPANの配信でも徹夜で準備したカンペを見たり、ゲームをプレイしたりするのに使っている。あわせてそちらもぜひチェックしてほしい。
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