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FX取引にパソコンが必要な理由
FX取引はスマホやタブレットを使って行うこともできます。専用のアプリを使うことによって、いつでもどこでも気軽に取引できるのは魅力です。しかし、FXトレードはスマホやタブレットだけで利益を出し続けることは難しいでしょう。なぜスマホやタブレットだけでなく、パソコンが必要なのかについて解説します。
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画面が大きくチャートの
情報を見やすいスマホやタブレットとパソコンでは、見えるチャートの範囲に差があります。画面の小さなスマホやタブレットでは、一度に見ることができるのはチャートの限られた部分のみです。一方、パソコンなら画面が大きいため見えるチャートの領域が広いというメリットがあります。画面を切り替えなくても過去から現在までの動きを俯瞰的に確認できるのは、FXを行う上で大きな強みとなるでしょう。また、パソコンならマウスやキーボードを使って操作することができるため、細かな分析をすることも可能です。
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複数の情報を同時に
チェックすることができるパソコンなら複数のブラウザやアプリを同時に表示させることができます。スマホやタブレットでは操作内容によって一々画面を切り替えなければなりませんが、パソコンなら画面を切り替える手間が不要です。FXでは正確なデータをいち早く取得したいため、複数の画面を同時にチェックできると取引が有利になるでしょう。パソコンを使ってFX取引をしている人の中には複数のモニターをマルチモニターとして使用している人も大勢います。小さな画面一つで取引をしている人と、一度に多くの情報を扱える人とではどちらが有利であるかは一目瞭然でしょう。
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テクニカル指標の種類が多い
FXにおいて、過去の値動きを参考に将来の値動きを予想することをテクニカル分析といいます。この時、移動平均線やMACD、ボリンジャーバンド、RSI、一目均衡表などのテクニカル指標を使って分析を行いますが、利用できるテクニカル指標の種類や数はFX業者やアプリによって異なります。パソコンなら、スマホやタブレットと比べて利用可能なテクニカル指標が多く、数十種類のインジケーターを追加して分析することも可能。チャートを分析したりトレードシグナルとして利用しながら取引したりするにはパソコンがあった方が便利です。
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カスタムインジケーターの
追加や拡張機能が使える「指標」を表す用語である「インジケーター」。FXの取引ツールの中には、自分好みにカスタマイズしたインジケーターを使ってチャートを分析することができるものもあります。代表的な取引ツールであるMetaTraderでは、有料・無料を問わずさまざまな拡張機能を追加することが可能です。カスタムインジケーターを使用すればチャート分析がより便利になり、トレードシグナルとして利用することもできるでしょう。スマホやタブレットでは使用できる機能が限られているため、パソコンを使用した方がより良い環境でトレードを行うことができます。
スマホやタブレットと併用しているトレーダーも多い
FXトレードで勝つためにはスマホよりパソコンの方が有利です。ただ、FXトレーダーの中にはパソコンとスマホやタブレットを併用することで利益を上げている人も大勢います。ここではパソコンだけでなく、スマホやタブレットを併用するメリットについて解説します。
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FX情報を手軽に
入手することができるパソコンで情報を得るためには起動したパソコンに向き合っている必要がありますが、スマホやタブレットならより手軽に情報を得ることができます。アプリからの通知をONにしておけば、事前に設定した情報が届いた時にすぐにチェックすることができるため、素早い対応が可能です。FXに意識を向けていない時でも必要な情報を得られるのは、スマホやタブレットならではのメリットといえるでしょう。
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外出先でもFX取引ができる
FX取引を行う人の中にはデスクトップやマルチモニターを使用しており、自宅やオフィスのみで活動しているという人もいるのではないでしょうか。ノートパソコンを持っていれば外出先で取引したいタイミングがあっても対応できますが、スマホやタブレットであればより気軽に持ち運ぶことができます。通信環境さえあればすぐに取引することができるため、詳細な分析作業はパソコンで行い、外出中に取引する必要がある場合はスマホやタブレットを使用できると便利です。
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シンプルで扱いやすいアプリもある
スマホやタブレットはパソコンよりも画面が小さいため、どのような情報を表示するかは各FX会社が試行錯誤し、精査した上でユーザーが使いやすいアプリを提供しています。最近ではスマホ用に最適化された、シンプルで直観的に操作できる使いやすいアプリを提供しているFX会社も多く、スマホだけでも取引を完結させることができます。全ての作業をスマホだけでやろうとするのは大変ですが、作業内容に応じてスマホやタブレットとパソコンを使い分けると作業効率を高めることができるでしょう。
FX取引で必要なパソコンのスペック
FX取引のためにせっかくパソコンを用意しても、スペックが足りなければスムーズな取引ができない場合もあります。FX取引を行うためにはどの程度のスペックがあれば良いのか見ていきましょう。
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CPU
CPUはパソコン全体の動作に影響する重要なパーツ。CPUの性能が低いと、仮に他のパーツの性能が高くても安定した動作ができないことがあります。FX取引においてはリアルタイムでの取引ができないと、せっかくのチャンスを逃してしまうかもしれません。Intel製のCPUならCore i5以上を、AMDならRyzen 5以上を目安に選ぶのがおすすめです。より上位のCore i7やRyzen7以上であれば、どのプラットフォームでも問題なくトレードすることができるでしょう。もし短期取引をメインで行う予定なら、CPUは高性能なものを選んだ方が安心です。
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メモリー
メモリーはパソコンが処理するデータを一時的に記憶しておくためのパーツです。通常データの読み書きはストレージで行いますが、アクセス頻度の高いデータを一時的にメモリーに保存することによって、より高速にデータを処理することができるようになります。メモリーが保存できるデータの量はメモリーの容量に左右されます。FX用途ならフリーズやカクつきは避けたいので、最低でも8GB以上、できれば16GB以上のモデルを選びましょう。マルチモニターで作業する場合はより大きなメモリーが必要です。
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ストレージ
ストレージはデータを保存しておくためのパーツで、主にSSDとHDDの2種類があります。SSDは容量当たりの価格が高いものの、読み書きの速度が高速です。一方、HDDはSSDと比べると処理速度は遅いものの、価格が安いため大容量のモデルを安く手に入れることができます。複数のアプリをインストールしたり、チャートの分析結果などをパソコン内に保存したりするのであれば容量が大きいと安心です。ただし、一般的にはFX用途ではあまり大きな容量のストレージを必要としないケースも多いです。FXにしかパソコンを使わないのであれば256GB程度でも十分でしょう。
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解像度
解像度はディスプレイ上に表示できるドットの数を表します。解像度が高いほど小さな文字や画像を見やすくなり、ディスプレイ上の作業領域も広くなります。サイズの大きなディスプレイを選ぶ場合は解像度の高いディスプレイを選ぶとチャート分析などをしやすくなるのでおすすめです。とは言え、パソコンの用途がFX取引のみであれば4Kや8Kといった高解像度は必要ありません。フルHD(1920×1080)以上を選んでおけば問題ないでしょう。
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サイズ
ノートパソコンはサイズによって携帯性と作業性が大きく変わってきます。頻繁にパソコンを持ち運ぶのであれば、サイズが小さく重量も軽い13インチ以下のモデルが便利です。しかし、画面やキーボードが小さ過ぎると、FX取引ツールを操作しづらい場合があるので要注意。FX用途のノートパソコンとしては14インチ程度がおすすめです。持ち運びが苦にならないサイズで、十分な表示領域も確保できます。もし13インチ以下のモデルを選ぶのであれば、自宅やオフィスでは別途ディスプレイやキーボードを外部接続して作業しやすい環境を整えることが大切です。
FX取引で使うパソコンの選び方
FX取引で使用するパソコンはスペック選びも重要ですが、それ以外にもチェックしておきたいポイントがいくつかあります。ここではFX取引に適したパソコンの選び方について解説します。
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ノートパソコンか
デスクトップパソコンかFX取引用のパソコンを選ぶ時、まずはノート型にするかデスクトップ型にするかを決める必要があります。どちらにもメリット・デメリットがあるため、最終的には個人の好みで選べば問題ありませんが、両者の特徴について知っておきましょう。
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ノートパソコンの特徴
持ち運びができるのはノートパソコンならではの魅力です。旅行や出張などで数日間家を空ける時でも、ノートパソコンさえあればFX取引を継続することができます。13インチ程度の小さなモデルであってもスマホやタブレットより画面が大きく、分析や取引をスムーズに行うことができるでしょう。ノートパソコンは使用しない時は小さく折りたたんで収納できるため、設置場所や保管場所に広いスペースが不要なのも魅力です。ハイスペックな機種を選ぼうとするとデスクトップ型よりコスパは劣りますが、自宅やオフィス以外でFX取引を行いたい人はノートパソコンを選ぶと良いでしょう。
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デスクトップパソコンの特徴
デスクトップパソコンは持ち運びはできませんが、好みのモニターやキーボードを接続して使用できるのが魅力です。大きなディスプレイを使えば分析作業の効率が良くなりますし、テンキー付きで打鍵感の良いキーボードを使えば入力作業も快適です。ハイスペックなモデルでもノート型よりも価格が安く、大容量メモリーやグラボを搭載した機種を選べば複数のモニターを同時に接続することもできます。注意点としては、デスクトップ型はノート型と異なりバッテリーを搭載していないため、停電してしまうと作業中のデータが消えてしまうリスクがあります。
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OS
OSはパソコンを動かすための基本的なソフトウエアで、Windows や MacOS、Linux などがあります。どのOSを選んでも問題ありませんが、一般的には Windows か MacOS を選ぶ人が多いようです。取引したいFX業者によっては、提供しているプラットフォームが特定のOSに対応していない場合もあるので要注意。自動売買ソフトや特殊なインジゲーターを使用する場合は使用できるOSが限定されていることもあるため、事前に対応可能なOSについてチェックしておきましょう。
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接続端子の種類や数
接続端子の種類や数はパソコンによって異なります。インターフェースが充実していると外部デバイスと接続しやすく、拡張性が高いといえるでしょう。もし複数のディスプレイへ同時に映像を出力したいのであれば、端子の数だけでなくパソコン自体が複数画面への出力に対応しているかも確認しましょう。4画面出力ができるとパソコンだとチャートを見逃すリスクを軽減できますし、データの分析などでも便利です。
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持ち運びやすさ
外出先でもFX取引を行うのであれば、ノートパソコンのサイズや重量もチェックしましょう。自宅や職場にメインとなる別のパソコンがあれば、ノートパソコンは携帯性に特化してコンパクトな軽量モデルを選ぶのも良いでしょう。作業しやすいサイズを選ぼうとして大き過ぎるモデルを選んでしまうと、持ち運ぶのがおっくうになってしまい、結局使用するのは自宅や職場のみとなってしまうかもしれません。
必要なスペックの例
ひとくちにFX取引といっても、取引の種類や個人のスタイルによってパソコンに必要なスペックは変わってきます。ここではいくつか例を挙げながら、具体的にどの程度のスペックのパソコンを選べば良いか解説します。
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ストレスなく快適に取引をしたい
ストレスなく快適に取引をしたいのであれば、各プラットフォームで求められている最低限のスペックではなく、少しスペックに余裕を持たせて選ぶことをおすすめします。頻繁にテクニカル分析を行うトレーダーには軽快な動作が求められますし、これからFX取引を始めようという人は次のスペック以上のパソコンを選ぶと良いでしょう。
- CPU:インテル Core i5、AMD Ryzen5以上
- メモリー:8GB以上
- ストレージ:256GB以上
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自動売買ツールを使いたい
自動売買とは、あらかじめ設定したルールに基づいて機械が自動で取引してくれることをいいます。自分のパソコンにツールをインストールして自動売買を行うのであれば、パソコンへの負荷が高くなるためスペックの高いパソコンが必要です。ただ、自動売買ツールは仮想サーバー上で稼働させるケースも多く、その場合は高スペックなパソコンは必要ありません。もし自分のパソコンに自動売買ツールをインストールするのであれば、次のスペックが目安となります。
- CPU:インテル Core i7、AMD Ryzen7以上
- メモリー:16GB以上
- ストレージ:1TB以上
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スキャルピングや
デイトレードをしたいスキャルピングとはFXのトレードスタイルの一つで、短時間で売買を繰り返して利益を求めるスタイルのことをいいます。値動きに敏感に反応するためにはパソコンにスムーズな動作が求められますし、値動きの要因をチェックするためには同時に複数の情報をチェックする必要もあるでしょう。瞬間的なエントリーを行うためにも、パソコンに求められるスペックは高くなります。
- CPU:インテル Core i5、AMD Ryzen5以上
- メモリー:16GB以上
- ストレージ:256GB以上
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スイングトレードをしたい
スイングトレードとは、数日~数週間にわたってポジションを保有し続けるトレードスタイルのことをいいます。比較的大きな値幅を狙い、他のスタイルと比べると取引機会は比較的少なくなります。こまめなチャートの確認や瞬間的なエントリーが必要ないため、パソコンに求められるスペックはあまり高くなくても問題ないでしょう。
- CPU:インテル Core i3、AMD Ryzen3以上
- メモリー:8GB以上
- ストレージ:128GB以上
よくある質問
ここからはFX取引で使用するノートパソコンについて、よくある質問をQ&A形式で紹介します。気になる内容があればチェックしてみて下さい。
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OSは Windows と MacOS
どちらがいい?FX業者やプラットフォームによっては、利用できるOSが限られている場合があります。例えば Windows でしか利用できないサービスもあるため、取引したいFX業者やプラットフォームがある人は、選ぼうとしているOSが対応しているかどうかをチェックしましょう。MacOSよりも Windows の方がユーザー数が多く、対応しているFX取引ツールが多いと言われています。特にOSにこだわりがないのであれば Windows を選ぶのがおすすめです。
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Microsoft Office搭載モデルを
選ぶべき?Microsoft OfficeのソフトがなくてもFX取引は可能です。確定申告などのために取引記録や収支記録をつける場合はExcelがあった方が便利ですが、互換ソフトやGoogleスプレッドシートのように無料もしくは安価で利用できるサービスもあります。Microsoft Officeは便利なソフトですが、Microsoft Office付きのパソコンはソフトの価格が上乗せされるため、使用しないのであれば割高となってしまいます。パソコンの用途がFX取引のみであれば必要ないでしょう。
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FX向けパソコンの価格相場は
どれくらい?パソコンの価格はスペックによって大きく変わってきます。どのようなスタイルで取引を行いたいかによって必要なスペックは異なりますが、10~20万円程度が相場のようです。もちろん10万円以下のモデルでも取引は可能ですが、快適な動作を期待するならある程度の予算は必要です。FX取引においては複数台のモニターを使用すると作業効率が向上するため、予算に余裕があればパソコンのスペックを上げるだけでなく、モニターの追加を検討しても良いかもしれません。
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パソコンは中古でも問題ない?
中古パソコンは当たりはずれがあるため、できれば新品で購入することをおすすめします。比較的新しく状態の良いパソコンなら中古でも問題ないかもしれませんが、前の使用者の使い方や使用期間が不明なため、いつ不具合が発生するか分からないというリスクがあります。また、パソコン選びの知識がなければ相場よりも高い価格で購入してしまう可能性もあります。重要なタイミングで予期しない不具合が発生するのを避けるためにも、FX取引用のパソコンは新品を購入しましょう。
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FXをするためには
パソコンが2台以上必要?一般的な方法でFX取引を行うのであれば、パソコンは1台あれば十分です。外出時にも取引に対応できるようにしたい場合は、メインのパソコンの他にノートパソコンがあると便利です。また、自動売買ツールを自分のパソコンにインストールして24時間稼働させたい場合は専用のパソコンを用意した方が無難です。そうでなければ1台でも全く問題ありません。
快適にFX取引ができるおすすめのパソコン3選
ここでは、快適なFX取引ができるスペックを備えたノートパソコンを3点紹介します。
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ThinkPad X13 Gen 5
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ThinkPad E14 Gen 6 AMD
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IdeaPad Pro 5i Gen 9
まとめ
FX取引をするためには、スマホやタブレットではなくパソコンを使うのがおすすめです。ノート型にするかデスクトップ型にするかは個人の好みにもよりますが、ノート型は外出先でも取引ができるので便利。必要以上にハイスペックなパソコンを選ぶ必要はありませんが、瞬間的なチャンスを逃さないためにもスムーズな動作を期待するなら、少し余裕のあるスペックを選ぶと良いでしょう。