目 次
ゲーミングPCとは
ゲーミングPCという名前は聞いたことがあっても、実際にどのようなパソコンなのかあまりよく知らないという人も多いかもしれません。そもそもゲームをプレイするのに本当にゲーミングPCが必要なのか。また、ゲーミングという名前が付いているけれど、一般的なパソコンとは何が違うのかといった疑問を解消しながら、ゲーミングPCの概要について説明していきます。
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ゲームに特化したパソコン
最近のゲームは3Dグラフィックやレイトレーシングなど、精細で美麗なグラフィックが多用されています。そのため、パソコンにかかる負荷も大きく、一般的なパソコンではスペックが足りずスムーズに映像を処理することができません。ゲーミングPCは高い負荷がかかっても、プレイヤーの操作に合わせて遅延やカクつきが生じることなくゲームをプレイするための性能を備えたパソコンなのです。
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一般的なパソコン
と比べてスペックが高いWordやExcelを使った事務作業やWebサイトの閲覧などと比べて、ゲームをプレイする時にはとても高い負荷がパソコンにかかります。そのため、ゲーミングPCに搭載されているCPUやメモリーなどの演算処理を担うパーツは、一般的なパソコンに搭載されているものよりも高性能なものが搭載されています。また、ゲーミングPCには映像処理用のグラフィックボードが搭載されており、映像処理能力にも優れています。
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遊びと仕事に兼用できる
ゲーミングPCはゲームをプレイするための性能を備えたパソコンですが、ゲームにしか使えないというわけではありません。ゲームほど負荷の高い処理もサクサクとこなすことのできるゲーミングPCは、仕事や普段使いでも大いに活躍を期待できます。複数のアプリを同時に起動してもフリーズすることなく処理することができ、Webサイトや動画の閲覧なども快適に行うことができるでしょう。ゲーミングPCは趣味と仕事で兼用できる優れたパソコンなのです。
一般的なパソコンとの違い
ゲーミングPCが一般的なパソコンより優れている点をまとめると主に以下の通りです。 ●高性能なCPUを搭載している
●GPUを搭載しておりグラフィックス処理能力が高い
●メモリー容量が大きい
●ストレージ容量が大きい
●冷却性能が高い それぞれの内容について詳しく見ていきましょう。
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高性能なCPUを搭載している
ゲーミングPCには一般的なパソコンよりも高性能なCPUが搭載されています。CPUとはパソコンの頭脳に相当するパーツで、CPUの性能が高いほどパソコン全体のパフォーマンスを向上させることができます。仮にCPU以外の一部のパーツの性能が高くても、CPUの性能がいまいちだと十分に性能を発揮することができません。ゲームを動作させるためには複雑な演算など、高度な処理能力が求められます。ゲーミングPCは高性能なCPUを搭載することで、軽快な動作を実現できているのです。
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GPUを搭載しており
グラフィックス処理能力が高いゲーミングPCは3Dグラフィックなど負荷の高い映像処理を行うために、独立したグラフィックボード(GPU)が搭載されています。グラフィックボードとは、映像処理に特化したパーツで、ゲーミングPCの性能を決定づける重要な要素の一つです。一般的なパソコンにもGPUはあるものの、CPUと一体化されており性能はあまり高くありません。CPUに付属している補助的なGPUでは負荷の高いゲームを動作させることはできないため、ゲームをプレイするにはゲーミングPCが必要なのです。
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メモリー容量が大きい
メモリーとは、データを一時的に保存しておくためのパーツです。パソコンがさまざまな処理をスムーズに行うためには、処理中のデータを一時的に保存しておく必要があります。メモリーは保存場所としての役割を担っており、メモリーの容量が大きいほどパソコンの動作がサクサクと快適になり、同時に複数の処理もスムーズに実行できるようになります。ゲームをプレイする際は高い負荷がかかるため、ゲーミングPCには一般的なパソコンよりも容量の大きなメモリーが搭載されていることが多いです。
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ストレージ容量が大きい
ストレージとは、OSやゲーム本体のデータ、画像などさまざまなデータを保存しておくためのパーツです。ゲームをダウンロードしてインストールするためには、ストレージに十分な空き容量が必要。ゲームによっては1タイトルで100GB以上のものもあるため、ゲーム用途として使うストレージなら最低でも512GB、できれば1TB以上の容量がおすすめです。ストレージにはSSDとHDDの2種類がありますが、ほとんどのゲーミングPCでは読み取り・書き込み速度が高速なSSDが採用されています。容量も一般的なパソコンよりも大きめのモデルが搭載されているケースが多いでしょう。
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冷却性能が高い
ゲーミングPCに搭載しているパーツは高性能なため、稼働時の発熱量が多く、本体が熱を持ちやすいという特徴があります。そのため、一般的なパソコンよりも冷却性能が強化されています。もちろん一般的なパソコンにも冷却ファンは付いていますが、ゲーミングPCの場合はファンの数を増やしたり、機種によっては水で満たしたパイプを使った水冷クーラーが採用されたりしているものもあります。
ゲーミングPCを仕事で使うメリット
ここまでゲーミングPCが一般的なパソコンよりも優れている点について紹介してきました。高い性能を持つゲーミングPCは、ゲームだけでなく仕事用のパソコンとしても活躍させることができます。もしゲーミングPCを仕事で使うとしたら、どのようなメリットがあるのかについて解説します。
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業務のスピードが上がる
ゲーミングPCは高性能なCPUや大容量のメモリーが搭載されているため、重い処理でも快適に動作することができます。例えば、ビジネスシーンではメールに添付されたサイズの大きいファイルを読み込んだり、ビッグデータを集計・分析する作業を行ったりと、パソコンの性能によっては処理に時間がかかることがありますよね。ゲーミングPCなら、読み込み・書き込みに時間がかかるような重い作業でも快適に処理できるため、仕事のスピードアップを期待できます。
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対応可能な業務の幅が広がる
ゲーミングPCにはグラフィックボードが搭載されているため、一般的なパソコンでは処理に時間がかかったりフリーズしたりするような、グラフィックを扱う業務にも対応することができます。ゲーミングPCがあれば、動画や画像の編集、3DCADを使ったクリエイティブな作業も1台で完結させることが可能。また、スペック不足で使用することができなかった特殊なアプリなども、高性能なゲーミングPCなら問題なく使うことができるかもしれません。ゲーミングPCを使うことによって仕事の幅が広がる可能性があります。
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複数のアプリを同時に使用できる
ゲーミングPCなら、複数のアプリを同時並行で使用することができます。業務を進める上で、コミュニケーション用のアプリや分析・編集ソフト、Webブラウザなどを複数同時に起動して使用する機会もありますよね。パソコンのスペックが足りていないとフリーズしたり、アプリが落ちてしまったりすることがあります。しかし、ゲーミングPCなら高い負荷のかかるゲーミングに耐えられるよう設計されているので、一般的なパソコンでは耐えられないような複数アプリの同時使用でも快適に動作させることができるでしょう。
ゲーミングPCを仕事で使うデメリット
ゲーミングPCを仕事で使う時、メリットだけでなく以下のようなデメリットも存在します。 ● 導入コストが高い
● 消費電力が大きい
● LEDライトなど業務に不要な機能がある
● ファンの音がうるさい
● 自制心を求められる これらの内容を許容できるのであれば、ゲーミングPCを仕事で使っても問題ないでしょう。
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導入コストが高い
ゲーミングPCは一般的なパソコンと比べると高価です。普通のパソコンであれば5~10万円も出せばかなりスペックの高いパソコンを購入することができます。一方で、ゲーミングPCの場合はエントリークラスでも10万円以上はするでしょう。性能が高いので価格も高くなってしまうのは仕方がないものの、仕事目的のみでゲーミングPCを導入するとオーバースペックでコスパが悪くなってしまう可能性があります。ゲーミングPCを仕事で使う場合は、あくまでゲームと仕事の兼用とするのが良いでしょう。
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消費電力が大きい
ゲーミングPCは性能が高い分、消費電力も大きいという特徴があります。ざっくりとした比較ですが、ゲーミングPCの消費電力は一般的なパソコンの約2倍以上と考えて良いでしょう。特にハイエンドモデルになるとさらに消費電力が大きく、月々の電気代も高くなります。ゲーミングPCの処理能力をフルに発揮する必要のある仕事なら問題ないのですが、軽めの作業しかしないのであればゲーミングPCを使うことによって無駄な電気代が発生してしまうかもしれません。
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LEDライトなど業務に不要な機能がある
ゲーミングPCと言えばLEDライトが輝くスタイリッシュなデザインをイメージする人も多いのではないでしょうか。LEDライトはゲームをする時には気分を高めてくれますが、仕事をしている時には点灯させたくないということもありますよね。モデルによってはLEDライトを点灯させない設定にすることも可能です。仕事用にゲーミングPCを導入する前に、どのような設定ができるのか確認しておきましょう。
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ファンの音がうるさい
ゲーミングPCは高い負荷がかかることを想定しているため、一般的なパソコンよりも冷却ファンが大きかったり数が多かったりします。必然的にファンの音が大きくなり、仕事をしている最中にうるさいと感じることがあるかもしれません。ただし、モデルによってはパソコンへの負荷のかかり具合によって自動でファンの稼働状況を調整してくれるモデルもあります。
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自制心を求められる
ゲームをプレイするパソコンと仕事用のパソコンが同じだと、仕事中にゲームが気になって仕事に集中できないということがあるかもしれません。また、チャットアプリなどでゲーム仲間とやり取りをしている場合、チャットアプリやSNSからの通知が気になって仕事が中断されてしまうということも。もしゲーミングPCを仕事で使うのであれば、仕事中はゲーム関連の通知をオフにしておくなどの対策を取ることをおすすめします。
ゲーミングPCで何ができる?
ゲーミングPCを仕事に使う場合、軽めの処理だけではオーバースペックとなりコスパが悪くなってしまいます。では、何に使うのが効果的なのでしょうか。ここでは、ゲーミングPCはゲーム以外に一体何ができるのか、またどのような仕事に生かすことができるのか、いくつか具体例を紹介します。
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建築や設計業務などCADを使う仕事
建築や設計業務ではCADを使いますが、CADを使用するためには高い処理能力を持ったパソコンが必要です。ゲーミングPCには高性能なCPUやGPU、メモリーなど、CADを快適に使う性能がそろっており、設計業務での活躍が期待できます。ただし、大規模なプロジェクトではスペック不足になることもあるため、その場合はCADに適したグラフィックボードを搭載したパソコンを使う必要があります。
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動画や画像の編集作業
動画や画像の編集作業ではCPUの性能が重要です。ゲーミングPCにはCore i7シリーズやCore i9シリーズなど高性能なCPUをはじめ、全てのパーツにおいて基本スペックが高いため、動画や画像の編集作業などのクリエイティブワークでも高い性能を発揮します。
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大量のデータを分析・処理する仕事
基本スペックの高いゲーミングPCは、AI開発やビッグデータの処理にも使うことができます。CPUやメモリーの性能が高いため大量のデータをスムーズに処理することができ、ストレージ容量も大きいため大規模なデータも保存が可能です。また、AIの精度を高めるDeep Learningにも適しているとされています。
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実況や配信などゲームに関する仕事
せっかくゲーミングPCを購入するのであれば、配信や実況などゲームに関する仕事に挑戦してみるという選択肢もあります。ゲームをプレイしながら配信や実況をする場合、ゲームソフトと配信・実況用のソフトを同時に起動することになります。ミドルレンジクラス以上のスペックを備えたゲーミングPCを用意できると良いでしょう。
ゲーミングPCはやめておいた方が良い人
ここまで主にゲーミングPCの魅力について解説してきました。ゲーミングPCは基本スペックが高く、さまざまな用途に使えるのは魅力的ですが、全ての人におすすめできるかと言えば必ずしもそうとは限りません。次のような人はゲーミングPCではなく普通の仕事用パソコンを使用した方が良いでしょう。
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ゲームに全く興味がない人
いくらゲーミングPCの性能が高いからといっても、ゲームに全く興味がなく、仕事でしか使わないという人はゲーミングPCはやめておきましょう。もちろんExcel作業しかしないという場合でも、ゲーミングPCを使えば処理が速くなるので恩恵はあります。ただ、導入コストや消費電力のことを考えるとコスパが悪くおすすめできません。ゲームに全く興味がない人は、普通のビジネスに対応可能なパソコンを導入した方が良いです。
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本格的なワークステーションが必要な人
先ほどゲーミングPCはCADでも高い性能を発揮できると紹介しましたが、大規模なプロジェクトでCADを使用する場合は本格的なワークステーションが必要な場合があります。その理由はAPIの違いにあります。APIとはグラフィックボードに搭載されている演算を担うパーツの一部で、ゲーミング用途として人気のグラフィックボードであるGeForce RTXやRadeon RXには、DirectXというAPIが搭載されています。一方、ゲームではなくCADに特化したパソコンに搭載されているAPIはOpenGLというもので、こちらはCGなどを作ることを得意としています。本格的にCADを利用したい人は、ゲーミングPCではなくワークステーションをおすすめします。
仕事で使うならノート型とデスクトップ型どちらが良いか
ノート型とデスクトップ型にはそれぞれメリット・デメリットがありますが、仕事として使うならどちらが良いのでしょうか。それぞれの特徴や、どのような人が向いているかについて解説します。
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ノート型が向いている人
パソコンを外出先に持ち運んで使用したいという人にはノート型をおすすめします。ノート型のメリットとしてはコンパクトで携帯性に優れ、デスクトップ型よりも省電力であるという点。設置場所を選ばず、使わない時は収納しておけるという点もノート型ならではの魅力です。比較的軽めの作業しか行う予定がなく、ハイエンドモデルは必要ないという人はノート型が向いていると言えるでしょう。
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デスクトップ型が向いている人
パソコンを持ち運ぶ必要のない人はデスクトップ型をおすすめします。デスクトップ型はノート型と比べると価格当たりの性能が高く、拡張性やメンテナンス性において優れています。設置場所にある程度のスペースが必要ではあるものの、内部スペースに余裕のあるデスクトップ型は排熱対策も容易。熱によるダメージを受けにくく、パソコンとしての寿命もノート型よりも長いというメリットがあります。
仕事でも使えるおすすめのパソコン3選
ここでは仕事でも使えるおすすめのパソコンについて、Lenovo製品から予算別に3点紹介します。パソコン選びの参考にしてみて下さい。
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予算5万円:Lenovo V14 Gen 4
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予算7万~8万円:IdeaCentre Mini Gen 8
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予算40万円:Legion Tower 7i Gen 8
「Legion Tower 7i Gen 8」は第13世代IntelのCore i7もしくはi9を搭載した驚異的なパフォーマンスのゲーミングPC。グラフィックボードはNVIDIAのGeForce RTX 40シリーズを搭載しており、最新のゲームでも高画質で楽しむことができます。メモリーは16GBもしくは32GBから、ストレージは1TBもしくは2TBのSSDから選ぶことができ、ゲームはもちろんですが仕事と兼用するにも十分な性能を備えています。また、先進の冷却機能を採用しており、大きなヒートシンクと多くのエアフローで効果的にCPUを冷却。エアフローを大幅改善し、ファンの効率を高めたことにより高いクロックスピードでも動作が安定し、静穏性にも優れています。
まとめ
3Dグラフィックなどが多用されているゲームをプレイするためには、高い処理能力を持ったパソコンが必要です。ゲーミングPCはゲームによる高負荷に耐えられるよう高性能なパーツが搭載されており、一般的なパソコンよりも基本スペックが高いという特徴を持っています。そのため、ゲーミングPCはゲームに限らず、仕事や趣味などの普段使いでも使用することができます。特に映像処理や大規模なデータを扱うことにかけては、普通のパソコンより高いパフォーマンスを発揮してくれるでしょう。ゲーミングPCは高額なモデルも多いですが、ゲーム用と仕事用のパソコンをそれぞれ用意するよりも、高性能なゲーミングPCを1台導入した方がコスパが良くなるケースもあります。新たにパソコンの購入を検討している人は、ぜひゲーミングPCも候補に加えてみてはいかがでしょうか。