中小規模企業向けサーバー購入ガイド
成長。中小規模企業がオフィス・スペースから福利厚生にいたるまで、あらゆるものを見直すことになる最大の理由が、この成長です。ビジネスが成長するとそのニーズは変化し、1 ~ 3 人だったチームが 6 人以上に拡大すると、最も劇的な変化が起こります。居心地が良かったオフィスが、窮屈に感じられてきます。また、果敢なスタートアップの頃は「これでいい」と思っていた Web ベースの無料ソフトウェアも、今では限界を感じ、あまりプロらしくないと思えます。このような変化に加えて、検討すべきことがもう 1 つあります。中小規模企業向けサーバーを購入する時期が来ているのかもしれません。
そもそもなぜサーバーが必要なのか?
サーバーとは、一言で言えば、ビジネスの中心となるコンピューターのことです。ノートパソコンとデスクトップを車輪のスポークと考えると、サーバーは中心で回転するハブです。メール・プラットフォームの運用から、まとまった数の PC のセキュリティ更新とアクセス許可の管理、最も機密性の高いファイルのデータ保管庫としての機能まで、さまざまなタスクを担います。通常のノートパソコンやデスクトップとは異なり、サーバーは 24 時間 365 日稼働するように設計されています。常時稼働しており、従業員が仕事を遂行するのに必要なソフトウェアや共有リソースにいつでも接続できるようになっています。サーバーが中小規模企業に対して果たす優れた役割の例については、「お客様のビジネスにサーバーが必要であることを示す 5 つの兆候」をご覧ください。
企業によっては、クラウド・ベースのサーバーの使用を選択する場合があります。これらのサーバーは、サードパーティのクラウド企業に設置されており、タイムシェアのようなものです。ホテルの一室を借りるように、仮想サーバーという「空間」を借りるのです。クラウド・ベースのサーバーのメリットは、ニーズに応じて瞬時にセットアップできることと、ニーズの変化に応じてパワー (CPU) やストレージ (ハード・ディスク容量) を増減できることです。このようなことはすべてサードパーティによって処理され、レンタルしたサーバーに万が一のことがあった場合はクラウド企業が対応してくれるため、自らその問題を解決する必要はありません。ただし、この柔軟性、拡張性、そして 24 時間 365 日のオンサイト・サポートにはコストがかかります。従業員の数が多いほど、またパフォーマンスとストレージのニーズが大きいほど、毎月の出費は大きくなります。また、動画編集やセキュリティ監視カメラなど、インターネット経由でアクセスすることで危険にさらされるサーバー・ベースのタスクもあります。
このようなコスト、パフォーマンス、および制御に関する問題があるからこそ、社内に専用の中小規模企業向けサーバーを設置することが有効な選択肢であり続けるのです。既製のビジネス・サーバーを購入するにしても、独自のサーバーを一から構築するにしても、チームのニーズに合わせてハードウェアとソフトウェアを選択できます。技術的なノウハウを持ったスタッフが常駐している場合は、専用サーバーを使用することで、中長期的に多くのコストを削減できます。
サーバーのコンポーネント
中小規模企業向けサーバーも、その中身は PC です。電源、CPU、メモリー (RAM)、ストレージ (ハードディスク・ドライブ)、USB ポート、そしてギガビット・イーサネットなどのような何らかのネットワーク接続を備えています。特定の高負荷アプリケーション用に構成されたサーバーにはグラフィック・カードも搭載されていますが、これらの GPU は実際に画面にグラフィックスを表示するのに使用されるわけではありません。大きな違いは、サーバーは常に酷使されることを前提に設計されているため、これらのコンポーネントのほとんどが極めて堅牢に構築されていることです。サーバーの中には複数の CPU を搭載できるものもあり、その場合はマルチタスクを容易にするために、より多くのコアを搭載する傾向があります。メモリーにも大きな違いがあります。通常の PC は 1 人分の一般的なワークロードを処理するのに十分な RAM しか必要としませんが、サーバーはオフィス全体の需要に対応する必要があるため、メモリー容量と速度はそれに応じて大きくなります。ストレージに関しては、ほとんどのサーバーに複数のハードディスク・ドライブ・ベイが搭載されています。この設計により、柔軟性 (必要なストレージの容量を選択できる) と冗長性 (1 台に障害が発生した場合にデータを複数の物理ハードディスク・ドライブに分散できる) が得られます。ハイエンド・サーバーでは、ベイとドライブは「ホット・スワップ」可能です。つまり、先にサーバーの電源を切らなくても、それらを追加および削除できます。
エントリー・レベルのビジネス・サーバーは、タワー型 PC によく似ています。机の上や下にスペースがあれば、電源とイーサネットを接続するだけで使用できる、自己完結型の設計になっています。将来を見据えて、今後さらに多くのサーバーが必要になる可能性がある場合は、ラック・マウント型の設計が適しているかもしれません。ラック・マウント型サーバーにはタワー型と同じコンポーネントが搭載されていますが、幅、奥行き、高さが共通の基準で構築されているため、1 つのサーバー・ラックに複数のサーバーを取り付けることができます。また、省スペースでメンテナンスがしやすく、鍵付きのキャビネットに収納できるため、セキュリティも向上します。
ビジネスの事例別のサーバー・スペック要件
では、中小規模企業にはどのようなサーバーが必要なのでしょうか。それは、サーバーに何を求めるかによって異なります。Microsoft Word、PowerPoint、Excel などの共有ファイルの中央リポジトリのみが必要な場合は、本格的なサーバーは不要かもしれません。多くの企業では、堅牢な NAS (ネットワーク接続型ストレージ) デバイスで問題なく対応できます。しかし、ニーズがより複雑な場合は、それに応じて構成された中小規模企業向けサーバーが必要になります。ここでは、その例をいくつかご紹介します。
メールと生産性
Microsoft Exchange などの生産性ソフトウェアのスイートをメール、予定表、連絡先などに使用する場合、特に 20 人以下の小規模なチームであれば、リソースを大量に消費することはありません。低消費電力の CPU を搭載した比較的小規模なサーバーでも、十分な冗長ハードディスク・ドライブ容量があれば、これらの機能とファイル共有を処理できます。RAID 構成が可能で、ホット・スワップ可能なドライブを備えたサーバーが理想的です。
Web サイトのホスティング
一般公開されている Web サイトには、専用サーバーを用意する必要があります。Web サイトの目的や、予想されるトラフィックの量によっては、物理サーバーを 2 台購入することを検討する必要があります。1 つはトラフィックを処理するサーバーで、もう 1 つはサイトを構築するデータベースを格納するサーバーです。これは、e コマース・アプリケーションでは特に重要です。トラフィックの多い Web サーバーでは、より強力な CPU と平均よりも大きい RAM を使用すると、複数の同時要求によってサイトが停滞するのを防ぐことができます。
ドメイン・サービス
社内のすべてのコンピューターのセキュリティと認証を管理することは、中小規模企業向けサーバーで得られる最大のメリットの 1 つです。ドメイン・コントローラーと Active Directory ソフトウェア (Windows Server 内蔵の機能) の実行には多くのリソースを必要としませんが、独自の環境で実行することによるメリットがあります。また、複数の仮想サーバーを実行できるサーバーもぜひご覧ください。
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中小規模企業向けのサーバーを購入する場合、多くの選択肢がありますが、決断する際に参考になる優れたリソースも数多くあります。Lenovo では、最初のサーバーの購入を含めたお客様の IT ニーズのあらゆる側面に対応する、専用の中小規模企業向けリソース・センターを設けています。お客様のビジネス・サーバーのニーズに合わせて Lenovo をご利用いただく最大のメリットとして、お客様の成長を支援させていただく方法が挙げられます。効率的で低コストの Lenovo ThinkServer ST50 タワー・サーバーから、データセンター・グレードの ThinkSystem SD650 高密度システムまで、お客様のビジネスの拡大に伴うサーバー要件の管理をサポートします。
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