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フリーランスのパソコンでチェックすべきポイント
フリーランスがパソコンを選ぶときは、自分の仕事に合っていることが何よりも大切です。新しいこと、人気があることより、仕事に活かせることを重視しましょう。フリーランスのパソコン選びで重視したいスペックについて解説します。
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CPU
パソコン選びでもっとも重要なのが、CPUの選択です。CPUはパソコンの性能の大半を決定づける重要なパーツなので、慎重に選びましょう。さまざまな種類のCPUがありますが、一般的によく利用されるのは、下の表のCPUです。
インテル AMD 特徴 エントリーグレード Core i3 Ryzen 3 書類作成など一般的な作業に対応できる。コストパフォーマンスが高い ミドルグレード Core i5 Ryzen 5 処理能力が高く、一般的な作業の快適性が高い ハイグレード Core i7
Core i9Ryzen 7
Ryzen 9性能が高く、負荷の高い作業に適している ハイグレードなCPUであれば快適に作業を行えるものの、価格が高くなるため、業務内容によってはコストパフォーマンスが悪いこともあります。WordやExcelなどを使った書類作成が中心であれば、Core i3やRyzen 3でも十分でしょう。
また、CPUにはデスクトップパソコン向けとモバイル向けがあります。モバイル向けは省電力性を高めるため、デスクトップパソコン向けと比べると性能がやや落ちることに注意しましょう。
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メモリ
メモリはCPUが処理するデータを一時的に格納するパーツで、容量が多ければ多いほどパソコンの快適さが向上します。ソフトを複数起動したり、大量の画像をまとめて表示させたりしても、メモリが多ければパソコンの動作が重くならずに、快適に操作することが可能です。
ただし、容量を増やすとそれだけ価格が高くなるため、購入予算と業務内容とのバランスをよく考えて決めましょう。
メモリの容量は例外があるものの、基本的に4GB、8GB、16GB、32GBから選ぶことが一般的です。最低でも8GB、できれば16GBがおすすめの容量です。
パソコンによってはメモリの増設ができないことがあるため、購入時によく考えて決めましょう。いま必要な容量より多くしておくと、将来的なメモリ不足を防げます。
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ストレージ
ストレージは大きく分けてSSDとHDDの2種類があり、いまはアクセス速度の速いSSDが主流になっています。SSDは衝撃に強いなど優れた点も多く、HDDを選ぶメリットはあまりありません。基本的にパソコンのストレージには、SSDを選択しましょう。
ストレージはメモリに比べるとデータへのアクセスに時間がかかりますが、大量のデータを保存できるのがポイントです。パソコンを購入するときは、ストレージの容量をどれだけにするかよく検討してください。
ストレージの容量は、256GB、512GB、1TB(テラバイト)から選ぶのが一般的です。ほぼ書類作成しかしないのであれば256GBで問題ありませんが、できれば余裕のある512GB以上を選びましょう。
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GPU
GPUは映像処理を専門的に担当するプロセッサーのことです。映像データはまとめてデータを処理する必要があるため、CPUだけだと処理しきれないため、専門のGPUが用意されているのです。
多くのGPUはCPUに内蔵されており、パソコンを使ううえで気にする必要はほとんどありません。しかし、動画編集や画像加工など映像データを大量に扱う人であれば、GPUの性能にこだわる必要があります。
高性能なGPUはCPUに内蔵されておらず、グラフィックボードという拡張ボードに搭載されています。高性能なグラフィックボードは非常に高価で、数十万円もするものが少なくありません。そのため、必要な性能のグラフィックボードを見極めることが大切です。
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OS
OSとは基本ソフトとも呼ばれ、パソコンの基本的な動作を管理しています。OSとして有名なものにはWindowsやMacOSがあります。世界でもっとも普及しているWindowsを選べば、基本的に問題はありません。データのやり取りなどもスムーズに進められるでしょう。
しかし、デザイナーやイラストレーターなど、クリエイティブな職業の人たちは、使いやすさなどからMacOSを支持する人も大勢います。MacOSでなければ使用できないソフトもあるため、そういったソフトを使いたい場合はMacOSになります。
基本的にOSは自分に必要なソフトがあれば、どれを選んでも問題ありません。好みで選んでもよいでしょう。
ノートブック選びで重視するポイント
ノートブック選びでは、デスクトップパソコンとは異なるポイントに注目する必要があります。特に外出先で作業を行う機会が多いフリーランスにとっては、ノートブックは仕事の相棒ともいえる存在です。仕事に影響するポイントをしっかりとチェックしましょう。
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重量
ノートブックの重量は、外出の多いフリーランスにとって重要なポイントです。軽量であれば常に持ち運びでき、いつでもすぐに業務に対応できます。一般的に1.5kg以下が携帯性に優れるノートブックと判断するポイントになります。
ただし、軽いノートブックは軽量な素材などを使用しているため、価格が高くなるのが一般的です。それでもほとんどの作業を外出先で行うのであれば、持ち運ぶときの負担がより少ない1kg前後のノートブックも検討しましょう。
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サイズ
ノートブックのサイズはモニターの見やすさ、そして形成の両方のバランスを考える必要があります。サイズが小さいほうが携帯性は向上するものの、モニターが小さいため作業がしにくくなります。12型、13型モニターだと文字入力はともかく、スライド作成などのデザインをともなう作業は難しいでしょう。
ただし、大きすぎると携帯性が悪くなってしまうため、バランス的に14型前後がおすすめです。
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バッテリー
外出の多いフリーランスには、ノートブックのバッテリーの持続時間も重要なポイントです。外出しているときにバッテリー切れを起こさず、使い続けられるだけの持続時間が理想的です。一度の外出でどれだけバッテリーが持続する必要があるか考え、ノートブック選びのポイントにしましょう。
ごくまれにしか外出しないのであれば、それほどこだわる必要はありません。荷物の量は増えますが、電源ケーブルを持ち運んで対処するのもひとつの方法です。
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モニター
モニターの解像度も重要なポイントです。解像度が高いほど、画面上に表示される情報量が増え、文字や画像がより鮮明になります。デザインや画像加工などビジュアルを重視した作業を行うフリーランスの方には重要なポイントです。
ノートブックで採用されている、主な解像度は次のとおりです。
解像度の名称 解像度 フルHD 1920×1080 WUXGA 1920×1200 WQXGA 2560×1600 WQHD+ 3200×1800 4K 3840×2160 フルHDが一般的ですが、より高解像度なモニターも増えています。ライターなど文字入力が中心であれば、それほど解像度にこだわる必要はないかもしれません。しかし、デザイナーなどビジュアルに関わる人は、高解像度のほうが作業がしやすかったり、見やすくなったりとメリットが多いため、ノートブックでも解像度をよく確認しましょう。
職業別 仕事にぴったりのパソコンのスペック
フリーランスといっても、職業によって必要なパソコンのスペックは大きく異なります。職業別にどれだけのスペックが必要になるのか、おおよその目安を紹介します。スペックの目安を参考にして、自分にぴったり合う一台を見つけてください
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ライター、編集者――
持ち運びやすさを重視CPU インテル Core i3~Core i5
AMD Ryzen 3~Ryzen 5メモリ 8GB以上 ストレージ 256GB以上 GPU 内蔵GPU そのほか 1.5kg以下の軽量なノートブック+長時間バッテリー ライターや編集者であれば、ノートブックがおすすめです。持ち運びやすさとバッテリーの持続時間を重要して、移動中や外出中でも作業に対応できるパソコンを選びましょう。
文字入力が中心であれば、それほどハイスペックである必要はありません。ハイスペックすぎるとバッテリーの持続時間が短くなるなど、マイナス面もあるため注意が必要です。オフィスソフトが問題なく動作するだけの性能があれば、多くの仕事をカバーできるでしょう。
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イラストレーター――大容量メモリで
ストレスなく集中できるCPU インテル Core i5以上
AMD Ryzen 5以上メモリ 16GB以上 ストレージ 512GB以上 GPU NVIDIA GeForce GTX 1650以上 そのほか 液晶タブレット イラストレーターが快適に作業するときは、まず使用するソフトの推奨スペックを確認しましょう。最低でも推奨スペックをクリアする必要があります。ただし、イラスト制作に必要なスペックは決して高くはないため、より快適に作業のできるスペックを目指しましょう。特にメモリの容量が多いと、ストレージへのアクセスが大幅に減るためおすすめです。
イラストレーターであれば外出先で作業をする機会はほとんどないため、使いやすさや性能の高さからノートブックよりデスクトップパソコンがおすすめです。グラフィックボードを搭載していれば、画像の処理がスムーズになるので検討してください。
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デザイナー――高解像度モニターで
作業のしやすさが向上CPU インテル Core i5以上
AMD Ryzen 5以上メモリ 16GB以上 ストレージ 512GB以上 GPU NVIDIA GeForce GTX 1650以上 そのほか ・高解像度モニター
・マルチモニターデザイナーのパソコンは、できるだけストレスなく作業できるものが望ましいです。そのため、できるだけメモリやストレージを多く搭載しましょう。余裕があれば32GBもおすすめです。
また、作業のしやすさを向上させるのは、パーツの性能だけではありません。高解像度モニターやマルチモニターは見やすさを大幅に向上させ、作業をしやすくしてくれるでしょう。グラフィックボードがあれば画像処理も速くなるため、できれば搭載したいところです。
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カメラマン――大容量ストレージ
で大量の写真データを管理CPU インテル Core i3~Core i5
AMD Ryzen 3~Ryzen 5メモリ 16GB以上 ストレージ 1TB以上 GPU NVIDIA GeForce GTX 1650以上 そのほか 外付けストレージ カメラマンのパソコンでは撮影した写真データを保存できる、大容量ストレージが大きなポイントになります。容量を気にせずに写真データを保存するため、1TB以上あると安心です。高解像度の写真データは一つひとつのファイルサイズが大きいため、すべてを保存するには外付けストレージも必要になるでしょう。
また、写真データの現像作業を快適に進めるのであれば、グラフィックボードも搭載すると快適性が向上します。
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ITエンジニア――幅広く
対応できる高性能CPUがおすすめCPU インテル Core i7
AMD Ryzen 7メモリ 16GB以上 ストレージ 256GB以上 GPU 内蔵GPU そのほか グラフィックボードは業務内容によって検討する ITエンジニアといっても行う業務内容によって、必要とするスペックが大きく異なります。そのため、どういった業務にも対応できるよう、ある程度以上のスペックを備えておくと安心です。CPUやメモリを標準以上にしておくと、幅広く対応できるでしょう。
AIや3Dなどを扱うのであれば、グラフィックボードは欠かせません。しかし、グラフィックボードは非常に高価なパーツなため、最初から用意しておく必要はないでしょう。もしグラフィックボードが必要であれば、NVIDIA GeForce RTX 4070などハイグレードなものを検討してください。
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動画クリエイター――
高性能GPU搭載で動画の処理が快適にCPU インテル Core i7以上
AMD Ryzen 7以上メモリ 32GB以上 ストレージ 1TB以上 GPU NVIDIA GeForce RTX 4070以上 そのほか 外付けストレージ 動画クリエイターにとってパソコンのスペックは、もっとも重要なポイントです。高度なエフェクトをかけるなどの作業もあるため、フルHDの動画編集であってもハイスペックのパソコンが求められます。CPU、メモリ、ストレージはもちろん、GPUも高性能なものを選びましょう。ミドルグレード以上が目安になります。
動画ファイルはデータが巨大なものが多いため、外付けストレージも用意しておくと制作過程のデータも保管できて安心です。
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事務代行――セキュリティと安定性が重要
CPU インテル Core i3以上
AMD Ryzen 3以上メモリ 8GB以上 ストレージ 256GB以上 GPU 内蔵GPU そのほか UPS 事務代行を業務とするフリーランスにとって、パソコンのスペックはそれほど重要ではありません。オフィスソフトがストレスなく動作すればよいため、エントリーグレードでも対応できるでしょう。快適に作業を行うのなら、どのパーツもワンランク上のものを選んでください。
ただし、セキュリティには注意が必要です。クライアントの重要な情報を扱うため、セキュリティソフトの導入は必須です。また、デスクトップパソコンを使用するのであれば、UPS(無停電電源装置)を導入しましょう。突然の停電や電源トラブルが発生したときに、UPSのバッテリーで一定時間の作業することが可能です。
パソコンを経費計上するときの注意点
フリーランスがパソコンを購入するときは、仕事に適したものを選ぶだけでなく、確定申告のことも意識することが大切です。パソコンの購入費用は経費として計上できますが、ルールが決まっています。フリーランスがパソコンを経費として計上するときの、基本的なポイントと注意点を解説します。
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事業専用のパソコンを購入する
フリーランスがパソコンを購入するときは、事業専用のパソコンを購入することが望ましいです。事業専用のパソコンを購入するときは、そのパソコンが事業活動に関連していることを明確にする必要があります。私用と事業でパソコンを兼用している場合は、それぞれの使用割合をもとに経費を計上しなくてはなりません。しかし、デザインやプログラミングなどの仕事だけで使用するパソコンであれば、割合を考える必要がなく経費としての計上が容易になります。
また、事業と私用のパソコンを分けることで、情報漏洩やセキュリティリスクを低減できるメリットもあります。これにより、クライアントからプロフェッショナルとしての信頼性を保つこともできるでしょう。
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10万円以上のパソコンは減価償却が必用
10万円未満のパソコンであれば消耗品費としてその年の経費として計上できますが10万円を超えると、減価償却資産として扱う必要があります。フリーランスがパソコンを購入するときは、この違いを理解しておきましょう。
10万円以上のパソコンを購入したら、その費用は複数年にわたって減価償却で計上することになります。減価償却とは、資産の価値が時間とともに減少することを会計上で表現する方法です。これにより、購入したパソコンの費用は、その使用期間に応じて毎年一定額を経費として計上しなくてはなりません。一般的にパソコンの減価償却期間は、4年とされています。
高価なパソコンを購入したときは、その年にすべて経費にできず、数年かけて計上していく必要があるのです。
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青色申告なら30万円未満は経費
青色申告を行っているのであれば、特別なルールが適用されて30万円未満までのパソコンなら購入費用を一括して経費として計上できます。この特別ルールはフリーランスとしてスタートしたばかりの人にとっては、その年の税負担を大きく軽減できるため、大きなメリットになるでしょう。
ただし、30万円以上のパソコンを購入した場合は減価償却資産として扱われ、複数年にわたって経費計上する必要があります。
複式帳簿をつける必要があるなどの手間はかかりますが、青色申告だと控除が最大65万円まで受けられるなどのメリットもあります。フリーランスとして活動するのであれば、青色申告を検討してはいかがでしょうか。
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