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ウルトラワイドモニターとは

ウルトラワイドモニターとは、通常のモニターよりも横幅が広いモニターのことをいいます。一般的なモニターのアスペクト比は16:9が多いのですが、ウルトラワイドは21:9や32:9といった横長の画面比率が特徴です。横幅が広いことにより、マルチタスクや作業の効率化を期待できるでしょう。特にクリエイティブ作業やゲームにおいて、ウルトラワイドモニターは大きなメリットをもたらします。
ウルトラワイドモニターのメリット
ウルトラワイドモニターは、さまざまな場面でその利便性を発揮します。ここではウルトラワイドモニターのメリットである、マルチタスクの快適さや作業効率の向上、コストパフォーマンスの高さなどついて詳しく紹介していきます。
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マルチタスクが快適
ウルトラワイドモニターは画面の横幅が広く、複数のアプリケーションを同時に開くのに適しています。エクセルやブラウザなどの画面を並べて操作でき、例えば左にエクセルシート、右にブラウザを表示しながらデータを入力する作業が、1台のモニターで完結します。画面を切り替える手間が減り、作業効率が劇的に向上するでしょう。2画面表示しながらマルチタスクを行いたい人にはウルトラワイドモニターがピッタリです。
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表示領域が広がり作業効率が向上
ウルトラワイドモニターは広い表示領域が特徴です。一度に視認できる情報量が増えるため、作業効率の大幅な向上を期待できます。特に、プログラミングや動画編集、株式トレードなど、複数の情報を同時に確認する必要がある作業において恩恵が大きいでしょう。また、スクロールの回数が減り画面全体を見渡しやすくなるため、長時間の作業でも疲れにくいというメリットもあります。
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配線周りがすっきりする
ウルトラワイドモニターには、配線周りがすっきりするというメリットもあります。通常、複数のモニターを使用する場合、それぞれに電源ケーブルとディスプレイケーブルを接続する必要があります。しかし、ウルトラワイドモニターなら、電源とディスプレイケーブルをそれぞれ1本ずつつなぐだけで済みます。デスク周りの整理がしやすくなり、より快適な作業環境を整えることができるでしょう。
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複数台のモニターを
買うよりコスパが良いウルトラワイドモニターは、モニターの単体だけを見ると高価に感じるかもしれません。しかし、複数台のモニターをそろえるよりもコストが安くなる場合があります。デュアルモニターにする場合はモニターの数に応じてモニターアームやケーブル、電源装置などの追加費用が必要です。2台のモニターを購入し、それぞれにモニターアームやケーブルを用意するよりも、1台のウルトラワイドモニターを購入する方が総合的なコストや手間を抑える可能性があります。
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高い没入感を得られる
ウルトラワイドモニターは、大きな画面が視野全体に広がるため、高い没入感を味わえるのが特徴です。特に映画のようなエンターテインメントにおいては、まるでその場にいるような、よりリアルで迫力のある映像体験を楽しめるでしょう。また、FPSゲームでは横方向の視界が広がり、敵の動きを素早く察知することができます。これにより、ゲームプレイが有利になったり、プレイの臨場感が高まったりといった効果も期待できます。
ウルトラワイドモニターで後悔しやすいポイント

ウルトラワイドモニターには多くのメリットがある一方で、購入後に後悔するポイントも少なくありません。ここでは、代表的な注意点や選択時に考慮すべきポイントについて詳しく解説します。
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価格が高い
ウルトラワイドモニターは、一般的なモニターと比べるとどうしても初期コストが高くなってしまいがちです。特に、高解像度や高リフレッシュレートのモデルになると、さらに価格が高くなる傾向があります。用途によっては必ずしもウルトラワイドモニターが必要というわけではなく、場合によっては割高に感じることもあるかもしれません。WQHDや4K解像度のウルトラワイドモニターは10万円を超えるものもあるため、予算とスペックのバランスをしっかり考える必要があります。
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設置スペースが足りなかった
ウルトラワイドモニターは通常のモニターよりも横幅が大きいため、設置スペースの確保が必須。購入後にデスクのサイズが足りないと気付き、後悔するケースが多いようです。モデルによっては横幅が100cmを超えるケースもあるため、事前にスペースを確保できるかはしっかりと確認しておきましょう。また、画面が大きくなるとモニターと目の距離も遠ざける必要があるため、横幅だけでなく奥行きも必要となります。
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目が疲れやすくなった
ウルトラワイドモニターは広い画面でコンテンツを楽しむことができ、作業領域も広く使いやすいのが魅力です。ただし、画面が広く視線移動の距離が長くなることや、ピント調整の頻度が増加するため、目の筋肉に負担がかかりやすく、一部のユーザーは「目が疲れやすくなった」と後悔することがあるようです。ウルトラワイドモニターを導入するのであれば、目の負担を軽減するために適切な距離の確保や明るさ調整、ブルーライト軽減機能の活用などを検討しましょう。
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ノングレア(非光沢)
にすれば良かったモニターには光沢のあるグレアと、光沢のないノングレアの2種類があります。グレアタイプのモニターは、映像が鮮やかで美しい反面、外部の光が反射しやすく、映り込みが気になることがあります。これにより、見づらさを感じてしまうことがあり、ノングレアにしておけば良かったと後悔することも少なくありません。日中の明るい場所や窓際でモニターを使用する場合は、ノングレアタイプの方が快適です。
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WQHD以上の解像度にすれば良かった
低解像度のモニターは安さが魅力ですが、文字やアイコンの小ささ、表示領域の狭さが難点となることがあります。特に画面サイズが大きいにも関わらず解像度が低いと、文字や画像が粗く見え、作業の効率が落ちることもあるため要注意。ウルトラワイドモニターのように大きな画面でフルHD(1920x1080)だと、ピクセルの粗さが目立ってしまい、WQHD(2560x1440)以上の解像度を選べば良かったと後悔することがあるようです。
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マルチモニターにすれば良かった
ウルトラワイドモニターは大画面で便利ですが、場合によってはマルチモニターの方が使いやすいこともあります。例えば、プログラミングを行う際にはコードを縦長に表示した方が便利なため、マルチモニターの方が効率的です。また、異なる作業を同時に行う際に1台のモニターでは、2つ以上のウィンドウを表示したい時に調節が必要となります。場合によっては1台の大画面よりも、モニターを2台に分けて作業した方が効率的に使えることがあるでしょう。
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コンテンツがウルトラワイド
モニターに対応していなかったウルトラワイドモニターを購入しても、全てのコンテンツがその画面比率に対応しているわけではありません。特に動画やゲームでは、16:9のアスペクト比に最適化されたコンテンツが多いため、ウルトラワイドモニターでは左右に黒い帯が表示されることがあります。一部のソフトウエアやアプリケーションもウルトラワイドに対応していないことがあり、思ったように画面をフル活用できない場合があるため注意しましょう。
後悔しないウルトラワイドモニターの選び方

ウルトラワイドモニターを選ぶ際は、用途や環境に合ったモデルを選ぶことが重要です。ここでは、画面サイズや解像度、機能性など、後悔しないための選び方のポイントを詳しく紹介します。
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画面サイズ
ウルトラワイドモニターを選ぶ際、最初に考慮すべきポイントは画面サイズです。一般的には、29~49インチ程度まで幅広いラインアップが提供されていますが、設置スペースや用途に応じて適切なサイズを選ぶことが重要。ゲームや動画鑑賞には大きなサイズが適していますが、デスクで作業する際はサイズが大き過ぎると逆に不便になることもあります。また、モニターのサイズに対してデスクが狭いと圧迫感が強くなるので、購入前にデスクの大きさもチェックしておきましょう。
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解像度
ウルトラワイドモニターの解像度はフルHD(1920×1080)からUWQHD(3440×1440)あたりが一般的です。低解像度のモニターでは画面がぼやけたり、作業効率が低下する可能性があります。サイズと解像度のバランスが重要で、34インチ以上のモニターならWQHD(2560x1440)以上の解像度を選ぶことをおすすめします。また、4K(3840x2160)やそれ以上の解像度は、デザインや動画編集のような細部にこだわる作業に最適です。ただし、高解像度になるほどパソコンのスペックも要求される点には注意が必要です。
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平面モニター vs. 湾曲モニター
ウルトラワイドモニターには、平面タイプと湾曲タイプがあります。それぞれにメリットがありますが、湾曲モニターは画面が緩やかなカーブを描いた形状となっているため、目と画面の距離をほぼ一定に保つことができます。湾曲タイプなら長時間の使用でも目が疲れにくく、深い没入感を得られるでしょう。一方、平面モニターは作業領域がフラットで均等に見えるため、デザインや画像編集などの正確さが求められる作業に適しています。
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リフレッシュレートと応答速度
リフレッシュレートと応答速度は、特にゲームをプレイする人にとって重要な要素です。リフレッシュレートが高いほど画面の動きが滑らかに表示されます。また、応答速度が速いと動きの激しいシーンでも残像が少なく、快適なプレイが可能。FPSのような動きの激しいゲームなら144Hz以上のリフレッシュレートが推奨されますが、一般的な用途であれば60~75Hzでも十分でしょう。応答速度に関してはゲーミング用途なら1ms以下を、一般的な用途なら5ms以下のものを選ぶと、遅延やぼやけが少なくなります。
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色の再現性とコントラスト
モニターを選ぶ際は、色の再現性とコントラストも重要です。特にデザインや写真編集を行う場合、色が正確に表示されるかどうかは作品の仕上がりに直結します。液晶パネルの駆動方式によっても表現可能な色域やコントラストに違いがあるため、用途に応じて適切なパネルを選ぶことが大切です。例えば、IPSパネルは色の再現性が高く広い視野角も持っています。映像制作やグラフィックデザインなど、クリエイティブな作業を行うのであればIPSを選ぶと良いでしょう。
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接続端子の種類と数
モニターによっては接続端子の種類や数に違いがあります。HDMIやDisplayPort、USB-Cなど、パソコンや他のデバイスとの互換性を考慮し、どの端子が必要かあらかじめ確認しておきましょう。モニターを複数のデバイスに接続する場合や、ノートパソコンとの接続を考えるなら接続端子の数が多いモデルを選ぶか、USBハブを利用すると便利です。
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角度や高さの調節機能
モニターの角度や高さを自由に調節できれば、長時間の作業でも快適な姿勢を保つことができます。特に上下の高さ調整ができるスタンドや、画面の回転や傾きが調整できる機能が付いているモニターは、作業や使用環境に合わせて柔軟に対応できるためおすすめです。調節機能が充実しているモニターは身体への負担を減らし、長時間の作業でも疲れにくくなるため作業効率の向上も期待できます。
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パソコンのスペックとの
バランスを考慮するウルトラワイドモニターを最大限に活用するためには、パソコンのスペックも重要です。高解像度や高リフレッシュレートのモニターを使用する場合、それに対応できるGPUやCPUが必要となります。パソコンの性能が不足していると、モニターの性能を十分に引き出すことができず、表示の遅延やカクつきが発生することがあるかもしれません。高性能なモニターを選ぶ場合は事前にパソコンのスペックを確認し、必要に応じてアップグレードも検討しましょう。
使用上の注意点

ウルトラワイドモニターを快適に使用するためには、姿勢や目の健康に配慮すること、そしてパソコンの性能に適した設定を行うことが重要です。これらの注意点について詳しく解説します。
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姿勢と目の健康管理
モニターを長時間見続ける場合は、姿勢と目の健康管理に気を付けることが大切です。適切な椅子やモニターアームを使用してモニターの高さや角度を調整し、正しい姿勢を保つようにしましょう。また、目を守るためにブルーライトカットのフィルターやソフトウエアを利用したり、適度な休憩を取り入れたりといった対策も健康管理に役立ちます。
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パソコンの性能に適した設定
ウルトラワイドモニターは高解像度、高リフレッシュレートのモデルが多く、パソコンの処理能力に負担をかけやすくなることがあります。パソコンの性能がモニターに追いつかない場合、画面がカクついたり、処理が遅くなったりすることがあるため、パソコンの性能に応じた設定を行うことが重要です。また、モニターの性能を最大限に引き出すことができるように、グラフィックドライバーは常に最新のものに更新しておきましょう。
まとめ
ウルトラワイドモニターは作業効率や没入感を高める一方で、用途や環境に合わない場合後悔する可能性があります。サイズが大きいため、ある程度の設置スペースが必要なことや、価格の高さ、解像度の選び方などいくつかの注意点やデメリットもあるものの、用途を明確にして適切なスペックのモニターを選べば、後から後悔することを避けられるでしょう。事前に設置スペースやモニターの仕様、予算をしっかりと確認し、長期的に満足のいく製品を選ぶことをおすすめします。