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液晶ディスプレイと有機ELディスプレイ(OLED)の寿命は何年?

液晶ディスプレイ(LCD)と有機ELディスプレイ(OLED)は電化製品なので、使用していくうちに劣化が進み、最終的に使えなくなる時が来ます。製品として使えなくなる時を寿命と考えると、液晶ディスプレイの寿命は1.5~5万時間といわれています。1日12時間使用すると考えると、3~10年は使える計算です。有機ELディスプレイは2~3万時間が寿命とされており、1日12時間で4~7年使えることになります。 使い方や使用している環境などさまざまな要因によって寿命は前後しますが、液晶ディスプレイの方が有機ELディスプレイよりも寿命が長い傾向があります。液晶ディスプレイと有機ELディスプレイそれぞれの寿命について、詳しく見ていきましょう。
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液晶ディスプレイの寿命が近い症状
液晶ディスプレイが寿命に近づくと、さまざまな症状が見られるようになります。まず、画面の明るさが低下します。液晶ディスプレイはバックライトで画面を照らしており、バックライトが劣化すると輝度が落ちて画面全体が暗く感じられるようになります。
色ムラなどで色を正確に表示できなくなることも、寿命が近づいている症状のひとつです。内部の液晶パネルやバックライトの劣化によって、正確な表示ができなくなるのです。その他にも、画面がついたり消えたりするなど、部品の劣化によって引き起こされる症状があります。
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有機ELディスプレイの寿命が近い症状
有機ELディスプレイは同じ映像を映し続けていると、画面にうっすらと映像が残る焼きつきという症状が出ます。これは長い時間使い続けることによって生じる症状なので、有機ELディスプレイの寿命が近づいているといえるでしょう。
画面の明るさが落ちてきた時も、有機ELディスプレイの寿命が近づいていると考えられます。有機ELディスプレイはそれぞれの画素が発光する仕組みになっていますが、長期間使い続けることで劣化してしまうのです。一部だけ暗くなったり色が正常に表示されなかったりした時も、各画素の劣化によるもので、寿命が近づいているサインです。
液晶ディスプレイを基本から解説

液晶ディスプレイは多くのノートブックなどで使用されている、一般的なディスプレイです。液晶ディスプレイの寿命を知るには、基本的な情報を押さえておく必要があります。液晶ディスプレイを基本的なことから解説します。
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液晶ディスプレイの特徴
液晶ディスプレイは、最も広く使用されているディスプレイ技術のひとつです。液晶ディスプレイは明るさや色の再現性が安定しているため、書類作成や動画鑑賞など幅広い用途で利用されています。省電力性に優れているのも液晶ディスプレイの特徴で、ノートブックやモバイルデバイスでも利用されています。また、液晶ディスプレイは価格が安いため、小型の電化製品などにも搭載されていることが増えています。
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液晶ディスプレイの仕組み
液晶ディスプレイはバックライトを使用して、映像を表示する仕組みのディスプレイ技術です。基本構造は光を発するバックライトと、光を調整する液晶パネルによって成り立っています。バックライトはディスプレイ全体を均一に照らし、液晶パネルを通じてその光をコントロールします。液晶パネルには「液晶」という物質が含まれており、これが電圧の変化で光の通過を調整するのです。この制御によって明るい部分や暗い部分を作り出し、画像や動画を映し出します。
ただし、これだけでは色を表現できません。バックライトと液晶パネルにカラーフィルターを組み合わせることで、赤・青・緑の光の三原色を組み合わせて多くの色を再現できるようになります。有機ELは各画素が発光する仕組みになっていて、その点が液晶ディスプレイとの大きな違いになります。
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液晶ディスプレイのメリット
液晶ディスプレイのメリットには、次のものがあります。
- 比較的安価で手に入れやすい
- 省電力性能に優れている
- ディスプレイの寿命が長い
- ディスプレイの種類が豊富
液晶ディスプレイは、コストパフォーマンスに優れていることが大きな魅力のひとつです。大画面のディスプレイでも価格を抑えられるため、広々とした画面で作業をしたい人に合っています。また、省電力性能に優れており、ノートブックのバッテリーの駆動時間が長いのもメリットです。さらに、液晶ディスプレイは耐久性が高く、寿命が長いことで知られています。種類が豊富で用途に合わせた選択肢が多い点も、液晶ディスプレイのメリットといえるでしょう。
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液晶ディスプレイのデメリット
液晶ディスプレイの主なデメリットには、次のものがあります。
- コントラストが低い
- 視野角が狭いモデルがある
- 動きの速い映像で残像が発生することがある
液晶ディスプレイはバックライトで液晶パネルに光を当てる仕組みのため、コントラストが低めで、深い黒を表現することを苦手にしています。映画などで映像の美しさにこだわる人には、少し気になるかもしれません。
液晶ディスプレイによっては視野角が狭く、斜めから見ると色が薄くなるモデルがあります。そして、動きの速い映像では残像が発生するため、動きの激しいゲームやアクション映画などを見る時に気になるおそれがあります。これらの弱点を解消した液晶ディスプレイもありますが、基本的にやや高価です。
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液晶パネルの種類と特徴
液晶ディスプレイに使われている液晶パネルには複数の種類があり、それぞれに特徴があります。液晶ディスプレイを選ぶ時は、それぞれの特徴を把握して、自分に必要なものを選ぶことが大切です。主な液晶パネルの種類と、それぞれの特徴を分かりやすく表にまとめて解説します。
パネルの種類 メリット デメリット 向いている用途 TNパネル 応答速度が速く、動きの表現に強い。価格が安い 視野角が狭く、斜めから見ると色が変わる ゲーム、スポーツ観戦 VAパネル コントラストが高く、深い黒が表現できる 視野角がやや狭い。応答速度が遅い 映画鑑賞、デザイン IPSパネル 視野角が広く、自然な色を表現できる コントラストが低め。応答速度が遅い。価格が高い 映画鑑賞、デザイン Webサイトの閲覧や書類作成など一般的な用途であれば、VAパネルかIPSパネルが良いでしょう。IPSパネルは比較的オールマイティに使えるのですが、やや価格が高いという欠点があります。価格的に折り合わない場合は、用途に合わせてTNパネルとVAパネルを選択しましょう。パソコンで使用するディスプレイであれば、ほぼ正面から見るものなので視野角の狭さはそれほど大きな欠点にならないことが多いです。
有機ELディスプレイを基本から解説

有機ELディスプレイは、液晶ディスプレイとは異なり、各画素が自ら発光する仕組みのディスプレイ技術です。有機ELディスプレイの基本的な仕組みや特徴、メリット、デメリットを詳しく解説します。
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有機ELディスプレイの特徴
有機ELディスプレイの大きな特徴は、高いコントラスト比です。各画素が自ら発光する仕組みのため、画素を完全に光らせないことで深い黒を表現でき、映像の鮮やかさが際立ちます。これにより、映画や写真編集など、色彩表現が重要な用途に適しています。
また、バックライトが不要なため、ディスプレイ全体の厚みを抑えられ、薄型で軽量な設計が可能です。広い視野角も魅力で、どの角度からでも美しい映像を楽しめます。
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有機ELディスプレイの仕組み
有機ELディスプレイは液晶ディスプレイと異なり、各画素が自ら発光する仕組みになっています。そのため、バックライトが不要で、ディスプレイ全体を薄型で軽量に設計できます。各画素が発光することで映像を映し出すため、映像を表示しない部分は完全に光らない状態になり、深い黒を再現できます。
有機ELディスプレイの発光の仕組みは、有機物質を使用した層が電気を受け取ると光を発する原理に基づいています。画素単位で発光をコントロールできるため、より高いコントラスト比と正確な色表現が可能です。また、応答速度が速くて残像が少ないため、スポーツ観戦やアクション映画など、動きの激しい映像を楽しむのに適しています。ただし、有機物質に劣化しやすい性質があり、長期間の使用によって画面全体の色味が変化することがあります。
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有機ELディスプレイのメリット
有機ELディスプレイには、次のようなメリットがあります。
- コントラストが高く、深い黒を表現できる
- 視野角が広く、どの角度でも色が自然
- 薄型・軽量な設計が可能
- 応答速度が速くて残像が少ない
有機ELディスプレイでは、深い黒と高いコントラストが実現できます。画素ごとに発光するため、完全に発光を停止して深い黒色を表現できるのです。これによって、映画などの暗いシーンをリアルに再現できます。視野角の広さも有機ELディスプレイの魅力で、斜めから見ても色が変わらないので、大人数で映像を楽しむのに適しています。
また、バックライトを必要としないため、薄型で軽量な設計が可能です。応答速度も速いので、残像を気にせずアクションゲームやスポーツ観戦を楽しめます。
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有機ELディスプレイのデメリット
有機ELディスプレイの主なデメリットは、次の通りです。
- 有機物質が劣化しやすく、寿命が短め
- 焼きつきが発生しやすい
- 液晶ディスプレイに比べて価格が高い
有機ELディスプレイは一般的に、寿命が短いといわれています。発光に使用する有機物質が劣化しやすいため、使用しているうちに色合いに変化が生じることがあります。そのため、液晶ディスプレイと比べて、寿命が短いといわれているのです。また、有機ELは同じ映像を映し続けると焼きつきが生じやすいため、同じものを表示し続けないよう注意が必要です。
そして、有機ELディスプレイは価格が高いというデメリットがあります。同じサイズ、解像度の液晶ディスプレイと比較すると、有機ELディスプレイは非常に高価です。
液晶ディスプレイと有機ELディスプレイを比較

液晶ディスプレイと有機ELディスプレイは、そもそも仕組みが異なるため、さまざまな点で違いがあります。ここでは、それぞれのディスプレイを比較して、どのような違いがあるのかを見ていきましょう。
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発色がきれいで画面が見やすいのは?
有機ELディスプレイは、発色の美しさで液晶ディスプレイを大きく上回ります。各画素が光を発する仕組みを持つため、有機ELはバックライトを使う液晶ディスプレイと比べて、より鮮やかな色彩と高いコントラストが表現できるのです。
特に、黒の表現が有機ELディスプレイの強みです。液晶ディスプレイではバックライトの光を遮ることで黒を表示しますが、完全に遮断することは難しく、暗い場面でも少し光が漏れてしまいます。しかし、有機ELディスプレイは光を発さないことで、完全な黒を表現できるのです。映像の美しさにこだわるなら、有機ELディスプレイの方が優れています。
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耐久性に優れて長持ちするのは?
耐久性に注目すると、液晶ディスプレイの方が有機ELディスプレイよりも優れています。液晶ディスプレイは安定した構造になっており、寿命が長いといわれています。通常の使用環境であれば、10年近く使い続けられるでしょう。
しかし、有機ELディスプレイは有機物質が劣化しやすいため寿命が液晶ディスプレイより短く、4~7年とされています。ただし、技術の進化によって欠点だった焼きつきが起こりにくくなり、寿命も通常の使用であれば問題ないほどに改善されてきています。
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重量が軽くてノートブック向きなのは?
ノートブックの軽さを重視するのであれば、有機ELディスプレイが優れています。有機ELディスプレイはバックライトを必要としないため、ノートブックをそれだけ薄く・軽くできるのです。そのため、薄型・軽量のハイエンドモデルでは、有機ELディスプレイが採用されるケースが増えてきています。
軽さという点に注目すると、有機ELディスプレイがノートブック向きだといえます。モバイル性の高さをノートブックに求める場合は、有機ELディスプレイを採用したモデルの検討がおすすめです。
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価格が手ごろで購入しやすいのは?
価格が手ごろで購入しやすいのは、液晶ディスプレイです。液晶ディスプレイは長く使い続けられていることもあって生産コストが安定し、比較的リーズナブルな価格で購入できるようになっています。有機ELディスプレイには優れた点が多いものの非常に高価で、購入のハードルが高いのです。
残像や視野角の狭さなど液晶ディスプレイにはさまざまな欠点がありましたが、技術の進歩によって改善が進んでいます。また、液晶ディスプレイは価格の手ごろさに加え、用途に応じた幅広いラインアップがそろっている点も魅力です。
ディスプレイを選ぶ時のポイント

ディスプレイを選ぶ時は、液晶ディスプレイか有機ELディスプレイかというだけでなく、用途や使用環境に合わせて考えることが大切です。ディスプレイを購入前にチェックすべきポイントを、分かりやすく解説します。
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パソコン、ディスプレイの用途を決める
ディスプレイ選びでは、まず用途を明確にすることが大切です。用途が決まれば、必要な性能や特徴が自然と絞り込まれ、不必要に高性能なモデルや大き過ぎるサイズを選ぶ心配がなくなります。
例えば、書類作成や表計算などがメインであれば、色彩の表現力よりも、目が疲れにくい適切なサイズや解像度が重要になるでしょう。このように用途を明確にすることで、自分に合ったディスプレイを見つけやすくなり、無駄な出費を抑えられます。
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解像度を確認する
ディスプレイ選びにおいて、解像度は重要なポイントです。現在の主流はフルHD(1920×1080)で、ビジネスや動画視聴には十分な解像度です。実際、多くのノートブックでフルHDが採用されており、コストパフォーマンスも優れています。
一方で4K(3840×2160)などの高解像度ディスプレイは写真編集や動画制作、細かい図面の表示が求められる用途に適しています。解像度が高ければ画像が鮮明になるため、クリエイティブな作業や映画鑑賞を楽しみたい人におすすめです。
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サイズを確認する
ディスプレイのサイズは、重要なポイントのひとつです。特にノートブックの場合、持ち運びをするかどうかで、適したサイズが変わります。持ち運びの頻度が高い場合は、軽量でコンパクトな13~14インチのディスプレイが便利です。バッグにも収まりやすく、外出先でも使いやすいサイズです。
主に自宅やオフィスで使用し、持ち運びをしないのであれば、15インチ以上の大きな画面がおすすめです。特に16インチや17インチのディスプレイは画面が広く、快適に作業を行えるでしょう。
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パネルの違いを確認する
液晶ディスプレイを選ぶ時は、液晶パネルの種類を確認しましょう。液晶パネルには主にTNパネル、VAパネル、IPSパネルの3種類があり、それぞれ特徴と価格が異なります。
ゲームに使うのであれば応答速度が速く、価格が安いTNパネルが適しています。VAパネルはコントラストが高く、映像の表現力に優れます。IPSパネルは広い視野角と自然な色表現が可能ですが、価格はやや高めです。この液晶パネルの違いを踏まえて、用途に合った液晶ディスプレイを選びましょう。
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注意!中古品は寿命が極端に短いかも
液晶ディスプレイ、有機ELディスプレイの違いに関係なく、中古品は既に長時間使用されていることが多く、寿命が短いおそれがあります。そのため、中古のディスプレイの購入は、できるだけ避けた方が良いでしょう。さらに中古品は以前の使用環境が不明な点もリスクです。高温・多湿の場所で使われていた場合、通常よりも劣化が進んでいることがあり、見た目では分からない不具合が隠れていることもあります。長期的な視点では、新品を購入した方が結果的にお得かもしれません。
【用途別】おすすめのディスプレイ

ディスプレイは用途に合ったものを選ぶことが大切です。ビジネス、動画視聴、ゲーム、クリエイティブ作業など、それぞれの用途に最適なディスプレイは異なります。どういったディスプレイが良いのか、用途別に紹介します。
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書類作成などビジネスが基本
書類作成やメールのやり取りなど、ビジネスでの使用が中心の場合は、目に優しく長時間使用しても疲れにくいディスプレイを選ぶことが重要です。この点で、液晶ディスプレイの中でもIPSパネルを採用したモデルがおすすめです。視野角が広いので色の変化が少なく、長時間の作業でも快適に使用できます。
有機ELディスプレイは鮮やかで見やすい画面が魅力ですが、ノートブックで使用する場合はバッテリーの消耗が速い点に注意が必要です。バッテリーの駆動時間が短くなるため、持ち運ぶ機会が多い人には、あまり向かないかもしれません。
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Webサイト閲覧、SNS、動画視聴が中心
Webサイトの閲覧やSNSのチェック、動画視聴が中心であれば、高価格で高性能な有機ELディスプレイを選ぶ必要はありません。液晶ディスプレイでも十分に快適に使えるため、コストパフォーマンスを重視しましょう。
解像度がフルHDのディスプレイであれば、多くのWebサイトや動画コンテンツを表示するのに十分です。ノートブックを持ち運ばないのであれば、サイズは15インチ以上が見やすくておすすめです。液晶ディスプレイの中ではIPSパネルやVAパネルが適しているので、予算をもとに比較・検討しましょう。
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アクションやレースなど
動きの激しいゲーム用アクションやレースゲームのような動きの激しいゲームでは、応答速度やリフレッシュレートが重要なポイントです。有機ELディスプレイは応答速度が非常に速く、残像が少ないため、滑らかな映像で楽しめます。ただし、ゲーム用の有機ELディスプレイは、非常に高価です。
そのため、ゲーム用として販売されている液晶ディスプレイの中から、価格と性能のバランスが取れているものを選びましょう。価格が手ごろで応答速度の速いTNパネルや、視野角が広いIPSパネルなどが中心にラインアップされています。
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写真編集、デザイン、イラスト
などクリエイティブ向け写真編集やデザイン、イラスト制作などのクリエイティブ用途では、ディスプレイの色再現性が重要です。有機ELディスプレイは、深い黒と高いコントラスト、鮮やかな発色が特徴で、クリエイティブな用途で強みとなるでしょう。
ただし、色の再現性だけであれば、液晶ディスプレイでもクリエイティブ用のモデルがあります。そういったモデルであれば、液晶ディスプレイであっても色再現性が高く、クリエイティブな用途でも問題ありません。色の表現は好みもあるので、クリエイティブな用途であれば、実際に自分の目で比較することも大切です。
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