森林は地球にとってなくてはならない存在です。地盤の安定や動植物の生息場所の提供、そして言うまでもなく私たちの呼吸する酸素を放出する役割も果たしています。地球の表面は 30%出典 以上が森林で覆われており、森林がなくては私たちは生き続けることができません。
しかし現在地球の森林は、自然災害や病気、人間による伐採や気候変動による深刻な影響にさらされており、毎分サッカー場27個分の面積の森林が地球上から失われていると言われています。 国連の特別報告書出典 によれば、森林破壊を阻止し森林保護への取り組みを促進することで気候変動にまつわる問題を最大30%解決して地球温暖化を1.5℃食い止めることができます。森林は私たちにとって不可欠な存在であり、森林保護のための根本的な策が求められています。
さまざまな最先端テクノロジーのおかげで森林保護に対する取り組みがこれまでになく効果的に行えるようになった結果、近年では希望の兆しが見え始めています。AIおよびハイパフォーマンスコンピューティングシステムの開発を専門とするポーランドの企業、byteLAKEは、Lenovoとの提携で Ewa Guard出典 と呼ばれるプログラムを開発しました。ポーランド語で「Eve」を意味する「Ewa」は「Earth Water Air Guard」の頭文字をとったもので、AIを活用して、人間が実際に森林へ足を運ばなくても樹木の数をカウントできるようにしたシステムです。その使命は、手遅れになる前に迅速かつ効率的に森林の健全性を監視する方法を模索することにあります。
「植林を行う場合、実際の現場に2~3週間おきに通い、自分たちで若木を数え、どのくらいの割合で若木が生存するのかを評価する必要があります」と、byteLAKEの共同設立者でEwa Guardプログラムの共同創始者でもあるマルチン・ロイエック氏 (Marcin Rojek) は述べています。
Lenovoのテクノロジーを活用することにより、かつては時間のかかる過酷な作業であったプロセスが、スピーディかつ自動で行えるようになりました。この高度なテクノロジーでは高解像度のドローンを利用して画像解析やコンピュータのトレーニングを行い、健康な若木を視覚的に検知します。これにより、森林をより迅速かつ正確に保護し、脆いエコシステムを守ることができます。ドローンは環境問題を緩和するテクノロジーとして注目されているのです。
コンピュータに木を検知させることは簡単ではありませんが、Lenovoとのパートナーシップにより、かつてないスピードでこのプロセスを実現できるようになりました。Lenovoのハイパフォーマンス ThinkSystemサーバーを使用することにより、Ewa Guardはトレーニング時間を2週間からわずか6時間に短縮することに成功しています。構成を拡張すればトレーニング時間のさらなる短縮や、より高度な設定も可能です。
「Lenovoの AIイノベーションラボ には、複雑な作業を数週間から数時間へと画期的にスピードアップするためのすぐに使えるソリューションが用意されています」と、ロイエック氏は語ります。この画期的なスピードアップは、今後ますます拡大する予定のプロジェクトにとって決定的なものとなりました。
byteLAKEの共同設立者で、Ewa Guardの開発にも携わるマリウス・コランコ氏 (Mariusz Kolanko) は、byteLAKEとLenovoの関係は「完璧な結婚のようなもの」だったと述べています。「イノベーションに積極的で、これ以上のパートナーはありませんでした」
Ewa Guardはすでに導入準備が整っており、byteLAKEは現在、森林管理者や自治体、環境団体など、このプログラムを最も必要するパートナーを探しています。最終的に、この環境対策技術は正確な樹木の種類を特定すると共に病気の樹木と健康な樹木を区別して、病気や枯死状態のホットスポットを特定するために利用される予定です。
問題を効果的に特定することが解決への近道となります。Ewa Guardのイノベーションによって、これまで人類に貢献してきた森林に恩返しができるツールが実現するかもしれません。人類が森林伐採を始めて以来、地球上の森林の 46%出典 はすでに消滅しており、タイムリミットはすぐそこに迫っています。Ewa GuardおよびLenovoは「この壮大な使命を達成するために、手を取り合って様々なソリューションを生み出しているのです」と、ロイエック氏は述べています。