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※Lenovo Tech World’24で発表されたリリースの抄訳になります。日本国内で提供されないサービスも含まれています。原文は以下リンクよりご覧いただけます。
https://news.lenovo.com/pressroom/press-releases/ai-powered-communication-solution-for-people-with-als-revealed-tech-world/
レノボ、Tech WorldでALSを患う人々のためのAI駆動型コミュニケーションソリューションを発表
スコット・モーガン財団とレノボは、予測AI、超リアルなアバター、個別化された声、そして視線追跡を組み合わせた新しい技術スイートを披露しました。
米ワシントン州シアトル、 10月15日 –世界をリードするテクノロジー企業、レノボと革新的な支援技術を推進する非営利団体、スコット・モーガン財団(SMF)は本日、Lenovo Tech World '24において、筋萎縮性側索硬化症(ALS)やその他の重度の障害を持つ人々のためのAI駆動型ソリューションを発表しました。
新しいスケーラブルな技術は、生成AIをアクセシビリティの課題に適用する新たな可能性を示し、「Smarter AI for all」を提供するという共通のビジョンをさらに前進させるものです。
統合されたソリューションは、SMFが設計し、レノボが構築した円形キーボードインターフェース、レノボの予測AI、ElevenLabsによる個別化されたAI音声のレプリカ、D-IDの超リアルなアバター、IrisBondの視線追跡技術を組み合わせ、迅速かつ正確で個人的なコミュニケーションを提供します。
現在、ALS患者や一流の臨床医たちによるSMFのコミュニティで積極的にテストされているこの概念実証は、SMFとレノボの長年にわたる協力を基に、支援技術の再構築と拡大を目指しています。全身麻痺を引き起こすことが多い神経変性疾患であるALSに焦点を当てることで、他の多くの病気や障害にも役立つソリューションが生まれることが期待されています。
Lenovo Tech Worldは、最近ALSと診断されたある父親がこの技術を使って自身の声で2人の幼い子どもたちに物語を語り、子守唄を歌うというエピソードで幕を開けました。
レノボのAIソリューション兼サービス担当副社長であるリンダ・ヤオ(Linda Yao)は次のように述べています。「これこそが、すべての人に向けたよりスマートなAIです。最も差し迫った人間の課題に変革的な技術を適用することが目的です。スコット・モーガン財団のような思いやりのあるパートナーと、AIを誰にでも届けるという大胆なビジョンを持つことで、私たちはAIの専門知識と製品群を活用し、明るい未来の可能性を示しています。このコラボレーションは、技術の壁を打ち破り、誰もが人生を充実させるためのソリューションを普及させるというスコット・モーガン財団の使命から生まれました。」
スコット・モーガン財団(SMF)の事務局長ラヴォンヌ・ロバーツ(LaVonne Roberts)氏は次のように述べています。「私たちは、世界中で5億人以上の人々が、自分の意思ではなく、障害によって声を失っている世界に生きています。重度の障害を持つ人々でさえ、自分自身を完全に表現できる世界を想像してみてください。最先端の技術が、声を失った人々に声を与えるのです。私たちはこの世界をただ想像しているだけではなく、レノボと共にその世界を築いています。世界中で5億人以上が筋肉や神経の疾患に苦しんでいる現状において、私たちの取り組みは多くの人々の生活に大きな影響を与える可能性を秘めています。」
Lenovo Tech Worldでのライブ
障害者の権利擁護者であり、ALSを患う植物学愛好家のエリン・テイラー(Erin Taylor)氏が、この技術を使って自己紹介を行い、その後、レノボの会長兼CEOであるヤンチン・ヤン(Yuanqing Yang)をTech Worldのステージに迎え入れました。
「技術を通じて可能になることを目のあたりにすると、新たな力と希望を感じます。特に最近のAIの進歩には感動しています。診断前の自分の声で話せることはもちろん素晴らしいですが、何よりもわくわくするのは、他の人々のためのよりスマートな技術の開発に参加できることです」とソーシャルメディアで急速に成長するフォロワーと自身の経験や視点を共有しているエリンは語りました。
Tech World 2024でのエリン・テイラー氏のライブの模様
エリンはショーフロアでの技術デモにも協力し、開発チームに重要なフィードバックを提供し続けています。
2024年のCESで初めて公開された初期デザインを基に、レノボは完全に機能する統合型プロトタイプの開発を主導しました。
インターフェース開発を主導したレノボのUXプロトタイパー、ダニエル・ポロック(Daniel Pollock)は、「私たちは人間中心のデザインを最優先し、革新的なユーザー体験に関する専門知識を活かしました。このプロジェクトに貢献し、協力できること、そしてこれほど強力なAI技術を組み込めることは本当に光栄です」と述べています。
AI革新のコンソーシアムの構築
従来の声バンキングは非常に手間のかかるプロセスであり、ALSの初期症状として現れることがある声の衰退によって制限されることがしばしばあります。過去のモデルは、ロボットのような音色や不自然なリズムに限られ、明らかに感情表現が不足していましたが、AIがその状況を一変させました。今では、限られた音声サンプルや質の低い音声でも、魅力的でオンデマンドなAI音声を生成することが可能です。
ElevenLabsのCEOマティ・スタニゼフスキ(Mati Staniszewski)氏は次のように述べています。「あらゆる困難に直面しながらも、自分の声を取り戻す人々の姿に、この1年深く心を動かされてきました。そのプロセスに少しでも携われたことを光栄に思います。今、スコット・モーガン財団の素晴らしい支援を受けて、私たちはこれらの取り組みを次のレベルへと進めています。コミュニケーションの障壁を取り除き、人々に力を与えるお手伝いができることを誇りに思います。」
そのカスタマイズされた声は、D-IDのアバター技術に直接組み込まれます。支援技術においてはスケーラビリティと使いやすさが最優先事項であり、D-IDは静止画や非常に限られた動画からリアルなアバターを生成することができます。
D-IDの共同創業者兼CEOギル・ペリー(Gil Perry)氏は、次のように述べています。「この強力な技術はビジネスやエンターテインメントでよく使われていますが、私たちが本当に人生を変える影響力を発揮できるのは、社会貢献の分野だと考えています。D-IDは、家庭内暴力との闘いや、性的搾取の認知を高めるため、さらには教育やアドボカシー活動など、価値ある目的を支援するために技術を活用してきた長い実績があります。このコラボレーションは、AIを使って世界をより良く、よりつながりのあるものにするという私たちの戦略に完全に合致しています。」
この統合ソリューションは現在、レノボのThinkPad x12 detachable PCで動作しており、これはパワーとポータビリティの理想的な組み合わせを提供します。着脱可能な設計により、このデバイスはキッチンテーブルから車椅子まで、様々な場所に簡単に取り付けられます。また、IrisBondの視線追跡技術(ハードウェアとソフトウェア)も統合されています。IrisBondは、様々な条件下で複数のプラットフォームに対応し、正確に視線を追跡できるHiruカメラを採用しています。さらに、レノボは、コミュニケーションを支援するため、より個別化されたAIモデルの開発に取り組んでいます。
IrisBondのCEOエドゥアルド・ハウレギ・トレシージャ(Eduardo Jauregui Torrecilla)氏次のように述べています。「私たちは数年にわたりSMFと協力して、支援技術の分野を革新し、人々により大きな自由度と自立性を提供するために取り組んできました。私たちは、ALS、脳性麻痺、そして目を使ってコミュニケーションを取ることが最も重要な手段となる無数の状態にある人々への実践的なサポートと開発の歴史があります。そして、AIはそれを非常に驚くべき方法で変革しています。」
スコット・モーガン財団は、臨床医、技術者、そしてALSを患う人々と直接協力し、技術のさらなる改良とテストを行います。
このソリューションは、2022年に他界した先見の明あるロボティスト、ピーター・スコット・モーガン博士(Dr. Peter Scott-Morgan)の夢の1つでした。当時、アバター作成や音声バンキングは、時間と費用がかかり、多くのリソースを必要としました。また、現在の生成AIと比べると、表現力と正確性が大きく劣っていました。
スコット・モーガン財団のCEOアンドリュー・モーガン(Andrew Morgan)氏は次のように述べています。「この技術は、AIによってこの2年間で計り知れないほど前進しました。私たちは常々、AIが支援技術に革命をもたらす鍵だと信じてきました。これらのソリューションを広め、最も必要としている人々の声を強めるには、積極的な働きかけが必要です。また、彼らをプロセスに巻き込むことも重要です。私たちは未知の領域に踏み込んでいます。次にどんなソリューションを開発し、普及させられるか、楽しみでなりません。」
AI駆動型トランスフォーメーションに関してはこちらをご参照ください。
<レノボについて>
レノボ(HKSE:992/ADR:LNVGY)は、売上高570億米ドルの世界的なテクノロジー企業であり、Fortune Global 500の248位にランクされています。180市場で毎日数百万人の顧客にサービスを提供しています。レノボは、すべての人にスマートなテクノロジーを提供するというビジョン「Smarter Technology for All」を掲げ、AI対応、AI-readyかつ最適化AIであるポケットからクラウドまでのポートフォリオ(PC、ワークステーション、スマートフォン、タブレット)、インフラ(サーバー、ストレージ、エッジ、HPC、ソフトウェア、ソフトウェア定義型インフラストラクチャ)、ソフトウェア、ソリューション、サービスの発展を促進する世界最大のPCメーカーとしての成功を収めてきました。世界を変えるイノベーションへの継続的な投資により、レノボはあらゆる場所のすべての人にとって、より公平で信頼できるよりスマートな未来を創出します。
詳しくは https://www.lenovo.com/jp/ja/ でご覧いただけます。