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※Lenovo Tech World’24で発表されたリリースの抄訳になります。日本国内で提供されないサービスも含まれています。原文は以下リンクよりご覧いただけます。
https://news.lenovo.com/pressroom/press-releases/photorealistic-ai-avatar-companion-alzheimers-dementia/
レノボとInnovations in Dementia、TechWorldでアルツハイマー病と
認知症の人々のためのフォトリアルなAIアバターを発表
アルツハイマー・インテリジェンスプロジェクトは、高度なAIが人々の可能性を広げ、多様なコミュニティが未来の革新について意見できる機会を生み出します。
レノボはLenovo Tech Worldにて、Innovations in Dementiaと共同で、認知症やアルツハイマー病を抱える人々の体験に基づくカスタムAIを搭載したフォトリアルな3Dアバター「アルツハイマー・インテリジェンス」を発表しました。この概念実証プロジェクトにより、認知症の診断を受けた人々やその家族は24時間いつでも会話型アバターにアクセスでき、正確性、プライバシー、そして思慮深さを重視した厳選されたアドバイスを得ることができます。
臨床疫学およびデジタルヘルスの教授であるデイビッド・ルウェリン博士は、次のように述べています。「世界中で約5,500万人が認知症を抱えており、その数は2050年までに1億3,900万人に達すると予測されています。レノボの『アルツハイマー・インテリジェンス』イニシアチブにおけるAIの進展は、テクノロジーが人間の相互作用を向上させる可能性を示しており、現在と未来の両方において、認知症を抱える人を支援するための貴重なツールを提供します。」
レノボはこの初の試みとなるアプリケーションにおいて、個人向けから企業向けまでの幅広いテクノロジー・ソリューションのポートフォリオを活用し、AIの使用を先駆けました。この統合技術は、認知症やアルツハイマー病を抱える何百人もの実際の人々からの実際の経験やアドバイスを集約し、スクリプトのない自然な会話が可能な、即応性のあるフォトリアルな3Dアバターを作成します。認知症の診断を受けた人はこの概念実証によって、ワンクリックでリアルタイムの会話リソースや支援にアクセスできるようになります。
レノボの最高セキュリティおよびAI責任者であるダグ・フィッシャー(Doug Fisher)は、次のように述べています。「最近のAIの進展はますます進化しており、私たちはこの技術を革新的なテクノロジーによって見過ごされがちなコミュニティのために、目的と責任を持って活用する必要があります。これは、すべての人をあらゆる規模でエンパワーメントする技術を開発、展開し、『よりスマートなAIを、あらゆる人へ』届ける私たちの取り組みの一環となっています。」
このアバターは、認知症やアルツハイマー病を抱える10人の画像の合成から作成されました。生成AIは、各画像の初期ポーズから対象者にインスパイアされた数千の表情や角度の顔を外挿しています。そして、これらを1つのデータセットに集約し、撮影されたパフォーマーの顔と組み合わせた「リブ」というAIアバターの画像が作成されました。
リブが提供可能なアドバイスの大規模言語モデル(LLM)データセットは、Innovations in Dementiaの「Dimentia Diaries」プロジェクトのエントリーや詳細なパネルインタビューなど、認知症を患う人々の経験から直接得られたデータを使用して作成されました。ユーザーが(音声認識を通じて)質問をすると、LLMはデータセットにクエリを実行し、ユーザーの質問に対してテキストベースの回答を提供します。この回答は、リブのために作成された「ペルソナ」の言語を用いて表現され、構築されたリブ専用の知識ベースに基づいています。返信は、プロジェクトのために制作された音声合成技術を使用して音声化されます。また、「感情分析」を活用することで返信の背後にある感情が分析され、AIが話す際の表情に反映されます。最後に、リアルタイムの4KビジュアルAIが使用され、音声合成によって生成されたスピーチがリアルタイムで話されているように表示されます。
最近認知症と診断された人々は、日常の課題の理解、家族との病気に関する話し合い、新しい趣味の探索など、病気を抱えた人だけが答えられる質問をアルツハイマー・インテリジェンスに投げかけることが可能です。重要なこととして、全体の体験へアクセスしやすいように設計されており、最小限の技術的専門知識を必要とし、自然で親しみやすい対話を優先しています。
このアバターは現在、認知症の人々によって管理された環境で試験運用されており、将来的にはより広範な公共の場における利用を目指しています。プロジェクトの制作や初期のインタラクションは、下記リンクの映像に記録されています。
アルツハイマー・インテリジェンス・プロジェクトは、認知症やアルツハイマー病を抱える実在の人々に基づくデータより得られた貴重な洞察を容易に得るための新たな方法を提供します。情報は多岐に渡りますが、開発チームはAIに明確なガードレールを適用し、アバターが医療に関するアドバイスを提供しないように慎重に配慮しました。この開発では、リュウェリン博士やInnovations in Dementiaによる密接な協力が行われ、両者よりアバターの構築やテストに関する助言や相談の提供を受けました。
AIは今回の特殊な使用ケースに合わせた訓練と試験を受けており、プロジェクトはレノボのデバイス、サービス、ソフトウェア、サーバー、クラウド・ソリューションを用いて設計・実現されました。この出来事は、レノボのAI対応ソリューションを結集させてこの種のアバターを開発した、初めての試みとなっています。デバイスやソリューションの一部は下記のとおりです。
- • テクノロジー・パートナーであるカレイダはアバターと基盤となるAIの開発を主導し、プロセスとセキュリティをサポートするためにレノボのAIプロフェッショナル・サービスを利用。
- • ThinkStation P7サーバー、ThinkPad T14s Gen 6、ThinkPad X1 Carbon Gen 12 AIPCノートパソコン、Lenovo LegionおよびThinkVisionモニターとアクセサリー。
Innovations in Dementiaのディレクターであるスティーブ・ミルトン(Steve Milton)氏は次のように述べています「人々が最初に認知症と診断されると、現状についての多くの質問が浮かび上がり、喪失感を感じることがあります。このAIは人間の接触を置き換えるものではありませんが、他の認知症を患う人々の経験と知恵に基づいた知識豊かで思いやりのある安心感とアドバイスを提供します。レノボのようなテクノロジーのリーダーが、認知症を抱える人々の専門知識を認め、ユニークな方法で活用して必要な時に人々を支援することで、AIの革新的な活用に重きをおいていることは、素晴らしいことです。」
Innovations in Dementiaによれば、彼らを訪れる人々の約20%が65歳未満であり、認知症を患ったまま何年も生活する可能性があるとされています。NGOは、認知症に対して前向きでありながら現実的な見解をしており、認知症は人生を変えるものではありますが、人生を終わらせるものではないという考えを促進しています。
レノボのダグ・フィッシャーは、さらに次のようにコメントしました。「私たちは、革新に対する声をすべての人に与える重要性を認識しています。AIやよりスマートな技術の大きな進展が背景にある今こそが、新しい創造的な方法を探求・試行し、より良い社会のためにAIといった技術を思慮深く、責任を持って活用する時です。最終的には、技術がすべての人のために、そしてすべての人から生まれる未来を再構築し、私たちの世代の最も変革的な技術から望むことについて、すべての人に声を与えることが重要です。」
フォーカス・グループの参加者であるゲイル・グレゴリー(Gail Gregory)氏とアフマド・クライエム (Ahmad Krayem) 氏は、次のように述べています。
- • 「アバターの作成には、実在する人々の参加が非常に重要です。なぜなら、認知症を抱える人々こそが、この経験について最もよく知る専門家だからです。私たちは実際に認知症と向き合い、日々を過ごしています。教科書から情報を持ってきても、生きた情報ではないため、不十分です。リアルなものでなければなりません。そして、よりリアルであればあるほど、より共感できるものになります。特に一人で生活していて誰にも聞くことができない人々にとっては、非常に役立つツールになると考えています。」
- • 「近年に認知症と診断された他の人々を支援し、認知症は恐れるべきことではないと安心してもらいたいと思っています。医者はどの薬を服用すべきかを教えてくれますが、認知症を抱える人々だけが、彼らが実際に何を経験しているのかを教えてくれるのです。」
アルツハイマー・インテリジェンスのビデオは、 こちらからご覧いただけます。
映像には以下の参加者が出演しています。
ゲイル・グレゴリー:55歳でアルツハイマー病と診断されたゲイルは、認知症を抱える人々に対する一般的なステレオタイプを覆しています。また、深刻な話題をユーモアを交えて切り出しており、彼女の意見や苦労について率直に語ります。
アフマド・クライエム:アフマドは、薬剤師である妻から検査を受けるように促され、60代前半で初期のアルツハイマー病と診断されました。彼にとっては仕事を辞めることが大きな挑戦であり、否認と受容の道のりを経験してきました。このような経験をした他の人々への支援について、情熱を持って語っています。
アルツハイマー・インテリジェンスは概念実証ツールであり一般には公開されていません。アルツハイマー病や認知症の診断を受けた人々の声を聞きたい方は、Innovations in Dementia(英国)またはAlzheimer’s Association(米国)にお問い合わせください。
アバターとの対話例:
Q:いつも薬を飲み忘れてしまいます。どうすれば思い出すことができますか?
A:薬を飲み忘れるのは非常に一般的なことです。食事と一緒に服用する、または毎日同じ時間に飲むなど、ルーチンを設定すると良いかもしれません。また、スマートフォンのアラームやリマインダーを設定してみるのもよいでしょう。ピルオーガナイザーも非常に有効的です。
Q:診断内容について、友人や家族にどう話せばいいですか?
A:友人や家族に診断について話すのはとても大変なことですが、そうすることでサポートや理解を得られることができます。まず、今日の気持ちや、あなたの状態についてわかっていることを少し共有してみてはいかがでしょうか。質問をしてもらうように促すことで、友人や家族は、あなたがどのような状況にあるのかを理解することができます。また、あなたが抱えている恐れや懸念について正直に話すことも大切です。
<レノボについて>
レノボ(HKSE:992/ADR:LNVGY)は、売上高570億米ドルの世界的なテクノロジー企業であり、Fortune Global 500の248位にランクされています。180市場で毎日数百万人の顧客にサービスを提供しています。レノボは、すべての人にスマートなテクノロジーを提供するというビジョン「Smarter Technology for All」を掲げ、AI対応、AI-readyかつ最適化AIであるポケットからクラウドまでのポートフォリオ(PC、ワークステーション、スマートフォン、タブレット)、インフラ(サーバー、ストレージ、エッジ、HPC、ソフトウェア、ソフトウェア定義型インフラストラクチャ)、ソフトウェア、ソリューション、サービスの発展を促進する世界最大のPCメーカーとしての成功を収めてきました。世界を変えるイノベーションへの継続的な投資により、レノボはあらゆる場所のすべての人にとって、より公平で信頼できるよりスマートな未来を創出します。
詳しくは https://www.lenovo.com/jp/ja/ でご覧いただけます。