仕事で使えるタブレットの選び方

Windows はMicrosoftが提供しているパソコン・タブレット向けのOSです。世界的に普及率が高く、使用可能なアプリやツールが豊富なのも Windows のメリットの一つ。パソコンで使用している Windows アプリをそのままタブレットでも使用できるため、データやファイルの互換性に優れています。また、Windows を搭載したタブレットは多くのメーカーから販売されているため、用途に応じてピッタリの機種を探しやすいのも魅力です。

iPad OSはAppleが提供しているOSで、2019年以降に販売されているiPadに搭載されています。Appleは2019年以前からタブレットを販売していますが、2019年以前のタブレットにはスマホと同じiOSが搭載されていました。タブレット専用に設計されたiPad OSの登場により、マルチタスク機能が向上し、Apple製のパソコンとさらに連携が取りやすくなっています。

AndroidはGoogleが提供しているOSです。オープンソースなのでカスタマイズ性に優れ、多くのメーカーがAndroidタブレットを販売しています。他のOSが搭載されたタブレットと比べるとリーズナブルな製品が多く、コストを抑えてタブレットを導入したい人にもおすすめ。Google Play ストアのアプリを使用できるため、Androidスマホを使っている人であれば同じ感覚でそのままタブレットを使用することができます。

Chrome OSもAndroidと同じくGoogleが開発・提供しているOSです。機能がシンプルである分、起動が速く直感的な操作が可能。データはGoogle Driveに保存されるため通信環境は必須ですが、万が一本体を紛失・破損してしまった場合も安心です。安価なモデルも多いため、ちょっとした軽作業を目的としている人や、あまりコストをかけたくないという人におすすめです。

7～8インチのタブレットは、文庫本程度のコンパクトサイズのモデルです。片手で持って操作できるサイズなので、通勤や通学中に電子書籍を読んだりSNSなどをチェックする用途におすすめ。少し大きなスマホのような感覚で、気軽に持ち運ぶのに適しています。画面サイズはタブレットの中でもやや小さめなので、ゲームや長編動画を視聴するにはやや迫力に欠けるかもしれません。

9～11インチはタブレットの中でも標準的なサイズです。初めてタブレットを購入する人や、サイズ選びに迷っている人はこのサイズを購入すると良いでしょう。Webサイトの閲覧や動画鑑賞、読書、ゲームなど幅広い用途に適しており、人気のサイズなので機種の種類が多いのも9～11インチの特徴です。ビジネス用途としては、プレゼンの補助ツールとして使用したり、外出先でメールや資料のチェックをしたりといった使い方もできます。

12インチ以上はタブレットの中でも大きめのサイズです。画面が大きく細かな文字も簡単に読むことができるため、文章量の多い資料をチェックするのに便利。タッチペンを使えばイラスト制作などにも使うことができ、外付けのキーボードを接続すれば小型のノートパソコンのような使い方も可能です。ただし、サイズが大きく頻繁に持ち運ぶのにはやや不向きであることや、このサイズを選ぶのであればノートパソコンの方が良い場合もあるため良く検討しましょう。

タブレットはノートパソコンよりも軽量でコンパクトなので、携帯性に優れています。ノートパソコンはモバイルノートと呼ばれる軽量なモデルであっても1kg程度のモデルが多いですが、タブレットはそれよりもはるかに軽量です。ケースやキーボード、充電器などの付属機器を含めてもノートパソコンよりも軽いため、普段使っているビジネスバッグにそのまま収納して気軽に持ち運ぶことができるでしょう。

タブレットは画面をタッチして操作することができるため、パソコンと違ってキーボードなしでも扱えます。また、起動や待機状態への切り替えが速く、テーブルがなくても使用できるのでちょっとした確認作業を行いたい時はパソコンよりも便利です。場所を選ばず気軽に扱えるタブレットなら、移動時間や待ち時間を有効活用して仕事の生産性を高めることができるでしょう。

タブレットを手帳代わりにすれば、スケジュールやメモ書きを一括で管理することができます。アナログと違ってタブレットなら検索機能が使えるため、大量の情報を集約しても必要な時に必要な情報を簡単に取り出せるのは便利ですよね。カメラ機能や録音機能も使えるため、とっさに記録しておきたい場面に遭遇してもタブレットなら対応することができます。パソコンと同期できるように設定しておけば、スケジュールやタスクの管理も効率化することができるでしょう。

タブレットと比べて、ノートパソコンは高性能なCPUを搭載しているものや、メモリーの処理速度やストレージ容量が優れているモデルが多いです。ブラウジングやメールの送受信程度の軽い処理であればパソコンでもタブレットでもあまり大きな違いはないかもしれません。しかし、高度な演算処理や複数の処理を同時に実行する場合はデバイスのスペックが重要です。ビジネス用途として本格的な作業を行うのであれば、タブレットよりもノートパソコンの方が快適に作業できるでしょう。

ノートパソコンはタブレットよりもインターフェースが充実しており、さまざまなポートが搭載されています。外部ディスプレイや外付けストレージを接続することが容易なので、必要に応じてスペックを底上げすることが可能です。また、タッチパネル状のキーボードではなく物理的なキーボードを使用するため、長い文章を書くのにも適しています。

タブレットのサイズは片手で操作できるコンパクトなものから、視認性に優れた大画面のものまでさまざまです。持ち運び安さや片手で操作できることを重視するなら7～8インチ程度のモデルがおすすめ。一方、机上に置いて使うことが前提となりますが、大きな画面で作業したい場合や、プレゼンの補助ツールとして使用したい場合は12インチ以上のモデルが便利です。タブレットの画面サイズと価格はそれほど比例しないため、用途に応じて適切なサイズを選びましょう。

メモリーはデータを一時的に保存しておくためのパーツ。タブレットはメモリーに保存されたアプリやデータを使って処理を行うため、快適な動作には十分なメモリー容量が必要です。ブラウジングなど軽めの使い方であれば2GB程度でも十分だと言われていますが、ビジネス向けのタブレットには3～8GBのメモリーが搭載されていることが多いようです。メモリーが不足するとアプリ落ちのリスクも高まるため、仕事で使うならメモリー容量の大きなモデルを選びましょう。

ストレージはデータを保存しておくためのパーツです。端末内に大量のデータを保存したり、多くのアプリをダウンロードするのであれば容量の大きなストレージが必要。ストレージの容量が不足すると動作が不安定になってしまうことがあるため、余裕のある容量を選ぶことが大切です。タブレットによってはSDカードを挿すことでストレージ容量を追加することができるモデルもあるため、容量不足が気になる人は購入前にSDカードスロットが搭載されているモデルであるかどうか確認しましょう。

CPUはタブレットの処理速度に影響する重要なパーツです。CPUの性能が高ければタブレットやアプリの起動時間も短くなり、負荷のかかる作業でもスムーズに実行することができます。タブレットの種類によって搭載されるCPUの種類も異なりますが、仕事で使うのであればミドルクラス以上のCPUを搭載したモデルを選ぶのがおすすめです。

タブレットの通信方式にはSIMフリーモデルとWi-Fiモデルの2種類があります。通信方式によって本体の価格も大きく異なるため、タブレットを選ぶ際はそれぞれの特徴について知っておくと良いでしょう。

● SIMフリーモデル

SIMフリーモデルは本体にSIMカードを挿入することによって、Wi-Fiがない場所でもインターネットに接続することができるモデルです。外出先でインターネットを利用したいのであればSIMフリーモデルを選びましょう。ただし、SIMフリーモデルはWi-Fiモデルと比べると本体価格が高くなりがちです。さらにSIMカードを契約すると月々の利用料金も発生するため、自分に必要かどうかしっかりと見極める必要があります。

● Wi-Fiモデル

Wi-FiモデルはWi-Fiを利用してインターネットに接続するモデルです。Wi-Fi環境が無ければインターネットを利用することはできませんが、タブレットを使用する場所が主に自宅やオフィスなど、Wi-Fi環境の整った場所であるなら問題ないでしょう。通勤・通学中に本体内にダウンロードした電子書籍を読んだり、外出先で写真を撮ったりといった使い方はWi-Fiモデルでも可能です。

タブレットを外出先で使う機会の多い人は、バッテリーの駆動時間が長いモデルを選ぶと安心です。とは言え、タブレットは持ち運びを前提としているため、ほとんどのモデルでは一般的な使用方法であれば十分なバッテリーを搭載しています。古いモデルよりも新しいモデルの方が高性能なバッテリーを搭載しているケースが多く、また省電力なモデルも多いため、バッテリーの持ちを気にするなら比較的新しく発売されたモデルを選ぶと良いでしょう。

タブレットなどの電子機器は、内部まで水が侵入してしまうと故障の原因となってしまうことも。水濡れによる不具合を防ぐために、タブレットによっては防水機能を備えたモデルもあります。しっかりとした防水機能があれば、外出先で突然雨が降ってきても安心ですし、夏場などは汗で濡らしてしまう心配も不要です。タブレットがどの程度の防水機能を備えているかはIPコードで確認することができます。

● IPコードとは防水機能の指標のこと

タブレットの防水性能はIP（International Protection）コードで表され、「IPX○」といった表記から防水機能の程度を判断することができます。IPXの後ろには1～8までの数字が続き、数字が大きいほど防水性能が高いことを意味します。雨や汗からタブレットを守るだけならIPX4で十分ですが、キッチンや風呂など水気の多い場所で使用するなら、本体が水没にも耐えられるIPX7を選ぶと安心です。

タブレットを日中に屋外で使う機会が多い人は、最大輝度の高いモデルを選びましょう。最大輝度が低いと屋外で使う時に画面が暗く見づらくなってしまいます。最大輝度の高いモデルなら明るい場所でも画面をはっきり視認することが可能です。ただし、輝度を高く設定すると消費電力が大きくなり、バッテリーの減りも激しくなるという点には注意しましょう。目安としては、屋外での使用がメインなら最大輝度が300nit以上のモデルがおすすめです。

基本的にタブレットは高性能なモデルほど価格が高い傾向にあります。安いモデルだと1～3万円台で購入することができ、動画鑑賞や電子書籍の閲覧、Webブラウジングなどの使い方であれば問題ないでしょう。仕事で使う場合はオンライン会議や写真・動画の編集など、ノートパソコンの代わりとして使用するケースもあるかもしれません。高度な使い方をするのであれば、タブレットの購入費用も高額になることがあるという点については留意しておきましょう。

PDとは「Power Delivery」の略称です。USB Type-Cに対応した給電規格の一つで、従来の充電方法よりも急速に充電することができます。PDに対応したタブレットなら、外出先でバッテリーが切れた場合でもすぐに充電することが可能。忙しくてゆっくりと充電する暇が無い人や、毎日充電するのを忘れがちな人はPD対応のモデルがおすすめです。

仕事で使うなら不要かもしれませんが、タブレットの中にはキッズモードを搭載しているモデルもあります。キッズモードは子どもがタブレットを使う時に、アクセスできるWebサイトやコンテンツ、アプリに制限をかけることができる機能です。仕事で使い慣れているタブレットと同じモデルを子どもに持たせたい場合など、キッズモードが搭載されているモデルだと便利かもしれません。

Lenovo Tab B11

「Lenovo Tab B11」は11型のAndroidタブレットで、価格は3万円台から購入することが可能。Wi-FiモデルとSIMフリーモデルの両方が用意されているため、外出先で使用する機会の多い人でもインターネットを利用することができます。搭載されているCPU「MediaTek Helio G88」プロセッサーは8つのコアを持っており、ある程度負荷の高い作業にも耐えられます。4096レベルの筆圧感知機能を備えた Lenovo Tab Penもセットとなっているため、仕事用タブレットとしても使えるコスパの高い製品です。