目 次
法人向けと個人向けのパソコンの違い
法人向けと個人向けのパソコンには、どのような違いがあるのでしょうか。パソコンとしてはほとんど同じもののため、目立った違いはありません。しかし、業務で使用することから、個人向けとは明確に異なる部分に注意が必要です。
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法人向けパソコンの特徴
法人向けパソコンには、業務で使用することを前提とした特徴があります。まず、セキュリティが強化されています。機密情報や顧客情報を扱うため、ウイルス対策ソフトやファイアウォールなどのセキュリティ機能が充実しているのです。
また、耐久性に優れているものが多く、落下など不慮の事故で故障することがないよう、衝撃や圧力に強くなっています。保守サービスの充実も特徴のひとつで、メーカーによる手厚いサポートが受けられます。故障時の修理やトラブル対応など、迅速に対応してもらえるため、業務への支障を最小限に抑えられるでしょう。
ただし、業務に必要なスペックを備えている必要があります。そして、業務に求められる機能などを備えるため、それだけの費用がかかります。
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個人向けパソコンの特徴
個人向けパソコンはユーザーの好みや用途に合わせて、原色系やパステルなど好みの色、デザインを自由に選べます。持ち運びに便利な軽量・コンパクトな製品や、大画面で高性能なモデルまで、幅広いラインナップが用意されています。
ゲームに最適化された高性能グラフィックカードを搭載したゲーミングPCや、動画編集に適した大容量メモリーを搭載したクリエイター向けのパソコンなど、業務用に使われるパソコンにはない選択肢があることも個人向けのパソコンの特徴です。
ただし、個人向けは法人向けほどの手厚いサポートサービスがないことが多く、メーカーサポート以上のサービスは業者に必要に応じて依頼する必要があるでしょう。
法人向けパソコンの選び方
法人向けパソコンは、業務で使用するもののため、効率化が何よりも優先されます。そのため、安易に選ばずに、じっくりと精査する必要があるでしょう。法人向けパソコンではどういったことに注意して選べば良いのか解説します。
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業務に必要なスペックを
あらかじめ把握する法人向けパソコンを選ぶ時は、業務に必要なスペックを最初に把握しましょう。スペックが不足すると業務に支障を来すおそれがあります。各部門や担当者に、業務でどのようなソフトウエアを使用するのか、どれだけのスペックが必要になるのかを確認して下さい。
経理部門であれば表計算ソフトをはじめとするオフィスソフトが、クリエイティブ部門であればデザインソフトや画像加工ソフトが動作するだけのスペックが必要になります。表計算ソフトを使う程度であれば、それほどハイスペックの必要はありませんが、デザインや画像の加工を行う場合は、高性能なCPUとメモリー、大容量のストレージが必須です。
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おすすめは
デスクトップとノートブックのどっち?パソコン選びではデスクトップパソコンとノートブックのふたつの選択肢があります。法人向けパソコンでは、どちらがおすすめなのでしょうか。
デスクトップパソコンは、高性能なCPUやグラフィックカードを搭載でき、大容量のメモリーやストレージを選択できるため、ハイスペックなマシンができます。ただし、設置場所が限られるため、オフィス内での使用に限定されます。
一方、ノートブックは持ち運びがしやすく、オフィスの内外を問わず使用できるのが大きな利点です。法人向けパソコンとしては、ノートブックがおすすめです。持ち運びができ、場所を選ばずに使用できるため、業務の効率化につながるでしょう。ディスプレイを接続すれば、大きな画面で作業もできます。
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OSは Windows 11 が基本!
Windows 10 は要注意法人向けパソコンのOSは、Windows 11 が基本です。Windows 11 は、セキュリティが強化されており、サイバー攻撃に対する防御機能が向上しています。また、パフォーマンスが最適化されており、快適な動作が可能です。
Windows 10 は2025年10月にはサポートが終了する予定のため、ソフトウエアの対応問題など特別な理由がない限り購入しない方が良いでしょう
また、購入する Windows はPROエディションが基本となります。小規模な事業者であれば、Homeエディションの機能でも対応できるかもしれませんが、PROエディションはビジネス向けの機能が充実しています。そのため、法人向けパソコンでは、PROエディションが基本です。
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部門ごとに用途に
適したパソコンを提供するパソコンに求められるスペックは、部門によって異なります。部門の業務内容に対応できるスペックを備えたパソコンを選びましょう。全従業員に同じパソコンを提供しても、性能を発揮できないばかりか、業務の効率を落とすおそれがあります。
営業部門であれば、外出先でも使用できる軽量でバッテリーの駆動時間が長いノートブックが適しています。経理部門であれば外出の機会がほとんどないため、デスクトップパソコンでも良いかもしれません。ノートブックを選ぶにしても、ディスプレイの大きな見やすいものがおすすめです。
また、開発部門やデザイン部門など、高度な作業を行う部署では、求められるパソコンのスペックが高くなることにも注意が必要です。
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各パソコンメーカーの見積もりを比較する
法人がパソコンを購入する時は台数が多くなるため、各パソコンメーカーや販売代理店から見積もりを取り、比較検討することが重要です。大量のパソコンを一括で購入する場合、価格面でのメリットを得られる可能性があります。販売店や直販を行っているメーカーに、必要なスペックや台数を伝えて見積もりを依頼しましょう。
見積もりを依頼する際は、パソコンのスペックだけでなく、保守サービスの内容や期間、サポート体制なども確認することが大切です。トラブルが発生した際に、迅速に対応してもらえるかどうかは、業務に大きく影響します。
また、見積もりを比較することで、適正な価格帯を把握できます。見積もり金額に大きな差があったら、理由を確認しましょう。
法人向けパソコンでチェックすべきスペック
法人でも個人でもパソコンのスペックは、必ずチェックするポイントです。法人向けパソコンでは、スペックのどこに注意をするべきか紹介します。最適なスペックで快適に業務を行えるようにしましょう。
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CPU|性能に余裕を持たせる
CPUはパソコンの性能を決める重要なパーツです。法人向けパソコンを選ぶ際は、現在の業務に必要な性能だけでなく、将来的な使用を見据えて、少し余裕を持たせておきましょう。
CPUの性能はクロック周波数とコア数によって決まります。クロック周波数が高いほど一定時間内に処理できる回数が多く、コア数が多いほど複数の処理を同時に行えます。高性能なCPUを搭載するパソコンほど、業務を効率的に進められるようになるでしょう。
CPUの性能は名称で大まかなグレードが分かるようになっており、次の表のようになっています。
もちろん、グレードの高いCPUほど価格が高くなるため、予算をもとにバランスを考える必要があります。また、グレードの高いCPUでも新しいものの方が高性能なので、できるだけ新しいものを選ぶことが大切です。
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メモリー|16GBなら長く利用できる
快適に業務を行えるパソコンにするには、メモリーの容量をできるだけ多くすることが大切です。メモリーはデータを一時的に格納するパーツで、容量が多ければ多いほどストレージへのアクセスが減るため、動作が停滞することなく快適にパソコンを使えるようになります。
オフィスソフトを使うだけの業務なら、8GBのメモリーでもソフトは動作します。しかし、複数のソフトウエアを起動したり、容量の大きなデータを扱ったりする時には不足することもあるでしょう。メモリーの容量はぎりぎりではなく、余裕を持たせておくことをおすすめします。
メモリーの容量が16GBであれば、さまざまな業務に対応でき、長くパソコンを使えるでしょう。ただし、業務内容によっては、16GBでも不足することがあります。
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ストレージ|SSDで快適な動作が可能
ストレージはソフトウエアやデータを保存するパーツです。容量が多ければそれだけ多くのデータを保存できます。デザインなどのクリエイティブ部門であれば、容量の大きなストレージを選ぶ必要があるでしょう。しかし、一般的な業務でそれほど大量の容量を必要とすることはありません。あらかじめ部門ごとに確認して、必要な容量を決めましょう。
いまパソコンのストレージは、SSDが主流になっています。SSDはこれまで主流だったハードディスク(HDD)に比べてデータの読み書きが早いため、パソコンやソフトウエアの起動が高速に起動します。また、物理的に動作する部品がないため、衝撃に強く、消費電力も少ないというメリットがあります。
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ディスプレイ|
持ち運びを重視したサイズディスプレイは作業の効率性と快適性だけでなく、携帯性にも影響する重要なスペックです。サイズが大きければそれだけ見やすく、作業がしやすくなるものの、ノートブックが大きくなって持ち運びにくくなります。そのため、ディスプレイのサイズの見極めは非常に重要なのです。
一般的なオフィスワークであれば、14インチ前後のディスプレイが最適です。この大きさであれば資料作成や表計算など、多くの業務で十分なスペースを確保できるでしょう。同時に持ち運びやすさも兼ね備えた、バランスの優れたサイズなのです。
13インチ以下のディスプレイは、外出の多い営業担当者などに向いています。作業は、しにくくなりますが、持ち運びやすいのがポイントです。持ち運びのしやすいサイズながらも、外出先でも必要最低限の作業に対応できるでしょう。
法人向けパソコンを選ぶ時のポイント
スペック以外にも法人向けパソコンを選ぶ時に、押さえておきたいポイントがあります。多くの台数を購入することになるのですから、慎重には慎重を重ねておきましょう。そうすることで自社にとって最適なパソコンを選べるのです。
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持ち運びやすい重量とサイズ
外出の多い営業部門へ支給するノートブックであれば、重量とサイズが大きなポイントになります。ストレスに感じないほど持ち運びやすいノートブックであれば、フットワークも軽く集中して業務に取り組めるでしょう。
持ち運び中心のノートブックであれば、13インチ前後が最も適しているサイズとされています。カバンに収納しやすく、またスペースを確保しにくい場所でも作業が可能です。ただし、それだけキーボードが小さくなり、操作がしにくくなることに注意しましょう。
そして重量は1.5kg以下が理想的です。長時間の外出だと、わずかな重量の違いで疲労感が大きく異なります。価格は高くなりますが、1kg前後の超軽量モデルも登場しています。
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長時間の外出を可能にするバッテリー
持ち運びやすく外出しやすいノートブックであれば、できるだけ駆動時間の長いバッテリーがおすすめです。バッテリーの駆動時間が長ければ、電源ケーブルなどの荷物を減らせるため、気軽に外出できるようになります。それだけ、業務効率の向上が期待できるでしょう。
多くのビジネス向けノートブックが、10時間以上のバッテリー駆動時間を実現しています。これだけ駆動時間が長ければ、日帰りの出張や長時間の会議でも、バッテリー切れの心配なく使用できます。
ただし、使い方によっては、バッテリーの駆動時間が短くなることもあるため注意が必要です。特に負荷の高い作業や、Wi-Fiやモバイル回線でのインターネット接続は、バッテリーの消耗を早くする原因となります。
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マルチディスプレイで作業効率を向上
マルチディスプレイとは複数台のディスプレイを接続して利用する環境のことで、これにより Windows 上の作業スペースがディスプレイの台数だけ広がります。ノートブックのディスプレイだけだと表計算ソフトなどを使う時は窮屈ですが、マルチディスプレイ環境なら広々と大きな画面で作業できて作業効率が向上します。つまり、ディスプレイサイズの小さなノートブックを購入しても、社内での作業は支障なく行えるようになるのです。
営業担当者のために持ち運びやすいコンパクトなノートブックを購入しても、マルチディスプレイ環境を用意しておけば、社内では変わらない作業効率を維持できるでしょう。持ち運びやすさと作業のしやすさの、良いところ取りがマルチディスプレイなら可能なのです。
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USBなどのインターフェイスの充実度
USBをはじめとするインターフェイスの充実度も、法人パソコン選びで見逃せないポイントです。USBポートは、マウスやキーボード、外付けストレージなど、さまざまな周辺機器との接続に使用するため、ポート数が多いほど業務効率に影響するでしょう。
大容量のデータを扱う場合や外付けストレージを使用する場合は、データ転送速度の速いUSB 3.2対応のポートを使うことで作業効率が改善します。USB Type-Cポートは高速データ転送と大電力供給が可能で映像出力にも対応しているため、ディスプレイとの接続もこれ1本で行えます。
インターフェイスが充実しているほど業務の幅が広がり、利用する人ごとに最適な環境を構築できます。
法人がパソコンを導入する時の注意点
法人がパソコンを導入する時は、機種選定だけでなく、導入後の運用も考える必要があります。導入後も支障なくパソコンを使えるようにするには、導入前が重要なのです。どういったことに注意が必要か見ていきましょう。
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必要なソフトウエアを確認する
各部門に必要なソフトウエアを確認し、パソコンを導入したらスムーズに使用できるように整えましょう。業務に必須のソフトウエアは、部門や担当者ごとに異なります。オフィスソフトやメールソフト、セキュリティソフトなどは共通して必要ですが、経理部門では会計ソフト、クリエイティブ部門ではデザインソフトなど、専門的なソフトウエアを用意しなくてはなりません。ソフトウエアのライセンス形態によっては、サブスクリプション型で定期的な支払いが発生するものもあります。
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情報流出を防ぐセキュリティ対策をする
法人が扱う情報には、顧客の個人情報や機密情報など、外部に漏れると重大な損害につながるものが多く含まれています。そのため、法人のパソコンでは情報流出を防ぐため、セキュリティ対策が欠かせません。
ウイルス対策ソフトはマルウエアの侵入を防ぎ、感染したファイルを検知・駆除します。ファイアウォールは不正なアクセスを遮断し、ネットワークの出入り口を監視します。USBメモリーなどの外部ストレージの使用を制限することも効果的です。
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パソコンを紛失した時の対策をする
ノートブックを使用している場合、置き忘れなどによって紛失してしまうリスクがあります。使用している各人が気をつける以外に防ぐ方法がないため、紛失した時の対策を必ず決めておきましょう。
パソコンの紛失は情報流出のリスクだけでなく、業務の停滞にもつながります。紛失時の対応をルール化しておくことで、被害を最小限に抑えられます。そして紛失時の対応をルール化してマニュアルを作成、従業員に周知徹底することが重要です。
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最新バージョンへの
アップデートを怠らないOSやソフトウエアの最新バージョンへのアップデートは、怠らずにできるだけ早く対応しましょう。アップデートには、新機能の追加や改善だけでなく、セキュリティ上の脆弱性を修正する内容が含まれています。これらの更新を適用しないと、マルウエアの侵入や不正アクセスのリスクが高まります。
特にOSのアップデートは優先度が高く、必ず実施しておかなくてはなりません。アップデートには時間がかかるため、つい先送りにしがちですが、定期的に対応を周知しましょう。
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リモートワーク、オンラインミーティング
への対応を想定する働き方の多様化が進んでオフィス以外で業務を行うケースが増え、オンラインでのミーティングやセミナーが一般化しています。そのため、リモートワークやオンラインミーティングへの対応を想定したパソコン選び、環境の構築が重要です。
パソコンの持ち運びやすさだけでなく、リモートデスクトップへの対応、オンラインミーティングを行うスペースの用意など検討すべきポイントがたくさんあります。使用するツールの選定も必要です。
Lenovoのおすすめ法人向けパソコン
ここでは、Lenovoが提供する法人向けパソコンの中から、特におすすめのモデルを厳選して紹介します。セキュリティに優れ、高い信頼性を誇るThinkPadシリーズなど、ビジネスに最適なパソコンをピックアップしました。
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