目 次
CPUの役割
CPUとは、Central Processing Unitの略称で、中央演算処理装置とも呼ばれます。パソコンの頭脳に相当し、主にデータ処理や演算などを担当している重要パーツです。周辺機器やソフトウエアなどの制御もCPUが担っているため、CPUの性能はパソコン全体の処理能力に影響します。もしCPUの性能が低ければ、負荷の高い使い方をする際にパソコンの動作が重くなったり、処理を実行することができなかったりといったケースもあるかもしれません。高性能なCPUはそれだけ価格も高くなりますが、快適な動作を期待するのであれば十分なスペックのCPUを選ぶことが大切です。
Core i7とは
最初に Core™ i7 の性能について見ていきましょう。処理速度が早いと言われる Core™ i7 の性能やスペックを詳しくご紹介します。
-
IntelのハイエンドCPU
Core™ i7 はインテル社の CPU の中でも、ハイエンドシリーズに位置づけられています。下位には Core™ i5、Core™ i3、Celeron® などがあり、最上位は Core™ i9 です。Core™ i7 はコア数が多く動作周波数も高いため、さまざまな用途で高速に処理できます。
また、インテル® の CPU には世代があり、Core™ i7 にも第 1~14 世代までが存在します。2023 年10月に登場した第 14 世代が最新の Core™ i7 で、この CPU を搭載したノートブックは高額ながらも高性能 です。
※2024年5月執筆時点の情報です。
-
Core i7の良い点
Core i7はIntelのCore iシリーズの中でも上位に位置付けられているプロセッサーです。ゲームや動画編集など高い負荷がかかっても快適な動作を期待できますが、Core i7を導入することで具体的にどのようなメリットがあるのかについて紹介します。
● 動作が快適
Core™ i7 は処理速度が速い CPU のため、高い負荷がかかる作業におすすめです。写真や動画の編集、テレビ会議での Web カメラ画像の処理など、どのようなことでもストレスなく高速に動作します。
自分にはオーバースペックなのでは?と思う人もいるかもしれませんが、作業時間の短縮という意味で実用性は十分にあるでしょう。CPU の性能は作業効率のアップにも貢献します。
● 今後も長く使える
新しい世代のCore i7は性能が高く、ほとんどのゲームやソフトの動作要件を満たします。アップデートによってCPUへ求められる要件が高くなったとしても、Core i7であれば下位モデルと比べて長く使い続けることができるでしょう。また、後からグラボやメモリーなどを増設する場合、CPUの性能が低ければそれらのパーツの性能を十分に生かすことができません。しかし、Core i7のような高性能なCPUを選べば、ソフト面だけでなくハード面でのアップデートにも長期間耐えることができるでしょう。
-
Core i7は価格が高いのが難点
Core i7はIntelが発売しているCPUの中でも、上位に位置付けられています。高い性能と機能を備えているため、さまざまな用途で使うことができるのが魅力。ただし、その分他の下位モデルよりも価格も高く設定されています。
用途によってはオーバースペックとなることがあるため、「Core i7はいらない」と言われることもあるようです。パソコンの主な用途が文書の作成や簡単な表計算、Webサイトの閲覧程度であればそこまで高性能なCPUは必要ないでしょう。CPUは性能に比例して価格も高くなる傾向があるため、自分に必要なスペックを見極めることが大切です。
Core i7だからCore i5より高性能とは限らない
IntelのCore iシリーズには、末尾に3,5,7,9といった番号が付与されています。数字が大きい方が上位のシリーズであることを意味していますが、必ずしも上位のシリーズが下位のシリーズよりも高性能というわけではありません。その理由について解説していきます。
-
CPUの性能は世代が重要
IntelのCPUはi5やi7、i9のようにシリーズが分かれていますが、これ以外にも世代というものが存在します。それぞれのシリーズのCPUは1度発売されればその後もずっと同じというわけではなく、数ヶ月もしくは数年おきに新しい技術で開発された、新世代のモデルが登場しています。
2024年5月時点では第14世代が最新となっており、たとえCore i7であっても世代が古ければ最新世代のCore i5の方が高性能ということも。一般的にはCore iに続く数字が大きければ高性能であると認識されがちですが、CPUの性能を判断するには世代も無視できない重要な要素です。
-
Core™ i7 のスペックを比較
Core™ i7 のコア数・動作周波数・キャッシュ・発売時期を、Core™ i3 と Core™ i5と比較し、以下の表にまとめました。CPUの性能はこれだけで決まるわけではないため単純に比較することはできませんが、コア数や周波数からも、世代が新しくなるごとに性能が向上していることが分かるでしょう。
コア数 (スレッド数) 動作周波数 キャッシュ 発売年 インテル® Core™ i7-14700 20 (28) 2.1~5.4 GHz 33 MB 2024年 インテル® Core™ i7-13700 16 (14) 2.1~5.2 GHz 30 MB 2023年 インテル® Core™ i7-12700 12 (20) 2.1~4.9 GHz 25 MB 2022年 インテル® Core™ i7-8700 6 (12) 3.2~4.6 GHz 12 MB 2017年 インテル® Core™ i7-7700 4 (8) 3.6~4.2 GHz 8 MB 2017年 インテル® Core™ i7-6700 4 (8) 3.4~4.0 GHz 8 MB 2015年 インテル® Core™ i5-14600 14 (20) 2.7~5.2 GHz 24 MB 2024年 インテル® Core™ i5-13400 10 (16) 2.5~4.6 GHz 20 MB 2023年 インテル® Core™ i5-12400 6 (12) 2.5~4.4 GHz 18 MB 2022年 インテル® Core™ i5-8500 6 (6) 3.0~4.1 GHz 9 MB 2018年 インテル® Core™ i5-7500 4 (4) 3.4~3.8 GHz 6 MB 2017年 インテル® Core™ i5-6500 4 (4) 3.2~3.6 GHz 6 MB 2015年 インテル® Core™ i3-14100 4 (8) 3.5~4.7 GHz 12 MB 2024年 インテル® Core™ i3-13100 4 (8) 3.4~4.5 GHz 12 MB 2023年 インテル® Core™ i3-12300 4 (8) 3.5~4.4 GHz 12 MB 2022年 インテル® Core™ i3-10100 4 (8) 3.6~4.3 GHz 6 MB 2020年 インテル® Core™ i3-6100 2 (4) 3.7 GHz 3 MB 2015年 -
Core iシリーズの性能の見方
IntelのCPUは数字とアルファベットで型番が構成されており、型番からシリーズやある程度の性能を判断することができます。例えば「Core i7-14700K」というCPUの型番の意味は次の通りです。
- Core:ブランド名
- i7:シリーズ名
- 14:世代(この場合は14世代)
- 700:SKU番号(同じシリーズや世代で性能を比較することができる番号。大きい方が高性能)
- K:カテゴリー(省電力やオーバークロック対応など、CPUの対応機能を表す。無印の場合もある)
CPUの選び方
IntelのCore iシリーズは、型番から性能や機能を判断することができます。では、CPUの性能とは具体的に何によって決まるのかについてそれぞれ解説します。CPUを選ぶ際の参考にしてみて下さい。
-
メーカー
主なCPUメーカーはIntelとAMDの2社があります。いずれもアメリカに本社を置くメーカーで、CPUの世界シェアのほとんどをこの2社が占めています。Intelの代表的なCPUはCore iシリーズ。ライトユーザーからヘビーユーザーまであらゆるニーズに応えることができる、幅広いラインアップがそろっています。また、Core iシリーズはほぼ全ての製品にGPUが内蔵されており、別途グラボを用意しなくても映像の出力が可能という特徴があります。一方、AMDのCPUとしてはRyzenシリーズが有名。コストの割りに性能が高くコスパの良いCPUとして人気です。
-
コア数
コア数とは、演算処理を行う中核となる部分の数のことです。コアの数が多いと同時に処理できる作業が増えるため、処理能力が高いといえるでしょう。ただし、CPUによってはコアの性能に差があるため、単純にコア数だけでCPUの性能を判断することはできません。1つのCPU内に1つのコアを持つものをシングルコア、複数のコアを持つものをマルチコアと呼びます。以前はシングルコアが主流でしたが、CPUの世代が新しくなるにつれ性能も向上しており、現在はマルチコアが主流となっています。
-
スレッド数
スレッド数とは、パソコンが認識するコア数のことをいい、論理コア数とも呼ばれます。本来であればコア数=スレッド数となるのですが、技術の進歩により1つのコアを複数のコアとしてパソコンに認識させ、コアの能力に余力がある場合はより多くの処理を同時に実行できるようになりました。
4コア4スレッドのようにコア数とスレッド数が一致しているものをシングルスレッド、4コア8スレッドのようにスレッド数が物理的なコア数より多いものをマルチスレッドと言います。スレッド数が多いと複数の処理を並列して実行することができるため、パソコンのパフォーマンスが向上します。
-
クロック周波数
クロック周波数とは、CPUが処理を実行できるスピードを表す指標の一つで、Hz(ヘルツ)の単位で表されます。パソコンによる全ての情報は0と1の組み合わせによるもので、これはCPUがONとOFFを交互に切り替えることで表現されます。1秒間に何回切り替えることができるのかを表したものがクロック周波数です。周波数が高いほど少ない時間に処理できる情報が多くなるため、CPUの処理速度が速いということになります。
-
キャッシュメモリー
キャッシュメモリーとは、メインメモリーとCPUの間にあるメモリーのことです。通常はメインメモリーにアクセスすることでデータを処理しますが、わざわざ毎回メインメモリーから情報を読み込んでいては処理に時間がかかってしまいます。そこで、頻繁に使用するデータをよりCPUに近い位置にあるキャッシュメモリーに保存しておくことで、メモリーへのアクセス時間を短縮し、処理能力を向上させることができるのです。以前はCPUの外部にキャッシュメモリーが設置されていましたが、最近はCPUに内蔵されているケースがほとんどです。
-
ベンチマーク
ベンチマークとは、「指標」や「基準」という意味を持つ言葉で、IT分野においては、ハードウエアやソフトウエアの性能を表す指標として活用されています。ベンチマークは専用のソフトやツールを使用することで測定可能。CPUのように特定のパーツ単体の性能を測定するだけでなく、パソコン全体の性能を総合的に数値化することができます。そのため、異なる製品の性能を比較する際にはベンチマークが必須です。ベンチマークの測定方法はソフトやツールによって異なり、「Pass mark」など固有の名称で呼ばれるものもあります。ソフトやツールが異なれば算出されるスコアも異なるため、比較する際は必ず同じ種類のベンチマーク同士で比較しましょう。
用途ごとに必要なCPUのスペック
CPUは高性能なものほど価格も高くなるため、用途に応じて適切なスペックを選ぶことが大切です。ここでは、具体的な用途に対してどの程度のスペックのCPUを選べば良いのか、目安を紹介します。
-
一般的なビジネスや
Webサイトの閲覧など一般的なビジネス用途やWebサイトの閲覧、SNSの更新など、あまり負荷のかからない用途であれば、そこまで高性能なCPUは必要ありません。数年前のモデルと比べるとCPUの性能は全体的に底上げされているため、Core i3やRyzen 3など、エントリークラスのCPUでも問題ないでしょう。スペックの低いCPUは、購入価格だけでなく消費電力が低いというメリットも。用途によってはハイスペックなCPUを選ぶよりもコスパが良いケースもあります。
-
最新の3Dゲーム
3Dグラフィックが多用された最新のゲームをプレイする場合、CPUだけでなくグラボの性能が重要となります。もちろんゲームの動作にはCPUの性能も影響しますし、グラボに対して極端に性能の低いCPUではグラボの性能を十分に引き出すことができないため、一定以上のスペックは必要です。Core i5やRyzen 5以上のモデルの中から、できるだけ周波数の高いものを選びましょう。
-
画像や動画の編集
画像や動画の編集においてはコア数やスレッド数が処理速度に影響します。そのため、映像編集用のパソコンであればCore i7やRyzen 7以上の上位モデルのCPUを選びましょう。上位モデルのCPUは下位モデルのCPUよりもコア数やスレッド数が多く、周波数も高い傾向があります。より作業を効率化させたい場合は別途グラボを導入することも検討してみましょう。
CPUに関する知っておきたい知識
CPUはパソコン全体の性能を左右する重要なパーツ。パソコンの用途に応じて適切なスペックのモデルを選ぶ必要があります。ここでは、そんなCPUについて知っておきたい知識をいくつか紹介します。
-
購入後にCPUのみ交換することは
ほぼ不可能CPUは、マザーボードというパーツにはめ込むことによってパソコンに搭載することができます。従って、マザーボードとCPUの規格が一致していなければCPUの交換は不可能ですし、例えCPUをパソコンに取り付けることができたとしても、正常に動作するかどうかはまた別の話です。ノートパソコンや一部のメーカー製のパソコンはCPUが基盤に直付けされているため、CPUのみの交換は不可能と考えた方が良いでしょう。マザーボードごと交換すればCPUを新しくすることはできますが、マザーボードの交換はパソコンに不具合が生じる可能性も高いので注意が必要です。
-
ノートパソコンとデスクトップでは
CPUの性能が異なる同じメーカー・ブランド・世代のCPUであっても、デスクトップパソコンとノートパソコンでは搭載されるCPUの仕様や性能に違いがあります。CPUの形状や、パソコンに取り付けるためのピンの数や位置が異なるため、両者に互換性はありません。また、ノートパソコン用のCPUは発熱量や消費電力量を抑えるために、コア数やスレッド数、周波数が控えめとなっています。つまり、CPUの処理能力だけに着目すると、ノートパソコンよりもデスクトップパソコンの方が性能が高いということができます。
-
CPUによっては
他のパーツの性能を引き出せないせっかく高性能なパーツを搭載しても、関連する他のパーツの性能が著しく低いとボトルネックが発生することがあります。例えば、高性能なグラボを搭載したとしても、CPUのスペックが低ければグラボの性能を十分に発揮することができないかもしれません。ボトルネックが発生しても問題なかったり気にならなかったりといったケースもありますが、CPUを選ぶ際には他のパーツとのバランスについても考慮した方が良いでしょう。
-
自分のパソコンに
搭載されているCPUの確認方法自分が使っているパソコンに搭載されているCPUの情報について、筐体を分解しなくてもパソコンを操作することで確認することができます。
Windows パソコンを使っている場合、「Windows キー」と「Xキー」を同時に押します。するとメニューが表示されるので、一覧から「システム」を選びます。「デバイスの仕様」欄にある「プロセッサー」の部分がCPUに関する情報です。同じ画面で搭載されているメモリー容量についても確認できるため、パソコンの動作に不満を感じている人は一度確認してみると良いでしょう。
Core i7搭載のパソコンをお得に手に入れる方法
Core i7はハイエンドに位置づけられているCPUなので、販売価格も下位モデルより高額です。できれば安く手に入れられるとありがたいですよね。ここでは、Core i7を少しでもお得に入手する方法について紹介します。
-
型落ちのタイミングを狙う
新しいモデルのパソコンが登場すると、古いモデルが割引価格で販売されることがあります。搭載されているパーツはそのままなので、Core i7をはじめ、高性能なパーツが搭載されているパソコンをお得に手に入れられるかもしれません。パソコンは古いモデルだからといって性能が低いとは限りません。必要なスペックを備えた製品を選ぶことはもちろん重要ですが、コスパ重視の人は型落ち品から希望の製品を探してみると良いでしょう。
-
メーカーのセールのタイミングを狙う
お得にCore i7を手に入れたいのであれば、パソコンメーカーが実施するセールなどの情報をチェックしてみましょう。メーカーによっては定期・不定期で、セールやキャンペーンを実施していることがあり、通常価格よりも安くパソコンを手に入れることができるかもしれません。例えばLenovoでは、サイバーマンデーセールやブラックフライデーセールなどのセールが開催されることがあります。
-
中古品は避けた方が無難
フリマサイトやリサイクルショップなどではパソコンも販売されています。Core i7を搭載しているパソコンが販売されていることもありますが、中古品の購入はおすすめできません。まず、Core i7と言っても世代によって性能はまちまちです。また、各パーツの新品状態での価値を正しく判断できる知識があったとしても、劣化状況まで正確に把握することは困難です。せっかく安く購入できても、すぐに修理や買い替えが必要となっては余計に出費が増えてしまうかもしれません。パソコンはできるだけ新品で購入することをおすすめします。
Core i7搭載のおすすめパソコン
インテル® Core™ i7 搭載のノートブックは高価ですが、レノボならハイスペックなパソコンを安く購入できます。公式サイトではお得なキャンペーンも行っているので、チェックしてみて下さい。
-
ThinkCentre Neo 50t Tower Gen 4:
プレミアムThinkCentre Neo 50t Tower Gen 4
「ThinkCentre Neo 50t Tower Gen 4」はタワー型のデスクトップパソコンです。第13世代のIntel Core i7プロセッサーを搭載可能。環境への負荷を軽減するため、筐体の約90%にリサイクルしやすい発泡ポリエチレンを使用されており、ブラックのシンプルな形状はビジネス環境にも適したデザインとなっています。
-
IdeaPad Slim 5i Gen 8
-
LOQ Tower 17IRR9
まとめ
Core™ i7はIntelのCore iシリーズの中でもハイエンドに位置付けられています。そのため、Core i7を搭載しているパソコンは、さまざまな用途で活用できます。ただし、Core i7でも世代によって性能には大きな差があるため、高性能を求めるのであれば、できるだけ新しい世代のCPUを選びましょう。また、メモリーやストレージも大容量のモデルを選べば、動画編集やゲーミングでも安心して使えるでしょう。 Lenovoでも Core™ i7 搭載モデルを多数ラインアップしています。あなたのワークスタイルに最適な 1 台があるかチェックしてみて下さい。
ノートブックを探そう(Core i7でソート) ノートブックを探そう(Core i7でソート)