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ノートブックやデスクトップの寿命は何年?
一般的にノートブックの寿命は 3 年から 5 年、デスクトップでは 5 年程度が目安です。しかし使用頻度や使い方によっては 10 年持つ場合もあります。パソコンの寿命と OS の関係、パーツの劣化について見ていきましょう。
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Windows OS の寿命
ノートブックやデスクトップパソコンが寿命となる要因に、Windows OS のサポート期限があります。2015 年にリリースされた Windows10 のサポートは、2025 年 10 月 14 日で終了予定です。
OS はリリースから約 10 年間でサポートが終了すると覚えておきましょう。購入時に搭載されていたバージョンのサポートが終了しても、アップデートが可能な場合もあります。
しかしパソコン自体のスペックが足りないと更新ができないケースもあり、その際にはパソコンの買い替えが必要です。サポートが終了した OS を使用しているとセキュリティ上のリスクがあるため、第三者の侵入やウイルス感染にも脆弱になります。
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パーツの劣化と寿命の関係
ノートブックやデスクトップパソコンが寿命となるもうひとつの要因に、パソコンのパーツが故障することが挙げられます。一般家庭におけるパソコンの使用期間は 5 年から 7 年間が平均です。
基本的にどこかのパーツが経年劣化し不具合が生じてくると、パソコン自体の寿命と考えます。壊れたパーツを交換して対応もできますが、他のパーツにも不具合が出始める可能性があるからです。
寿命のタイミングはパーツごとに異なるため、詳しくは次で見ていきましょう。
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法定耐用年数と寿命
パソコンのように一定額以上の資産を購入する場合、一括で経費とするのではなく、資産ごとに定められた期間にわたって経費として計上します。これを法定耐用年数といい、日本の税制ではパソコンの法定耐用年数は4年と定められています。耐用年数は固定資産税や法人税などを算定するためのものであって、耐久年数とは性質が異なります。あくまで経理上の価値のある期間が4年というだけであり、パソコンの扱い方によって実際の寿命は長くも短くもなります。
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メーカーの保証期間と寿命
ほとんどのメーカーでは基本保証の期間をパソコン購入時点から1年間として定めており、有償でサポート期間を延長できるのが一般的です。長期間パソコンを使っているとパーツが摩耗し、不具合や故障が発生する可能性もあります。しかし、購入後1年間の動作不良であれば寿命ではなく初期不良の範囲であるとして、メーカーは無償修理などに対応してくれるでしょう。
パソコンのパーツ別で見る寿命の目安
パソコンにはさまざまなパーツが搭載されていますが、どこかに不具合が起こるとパソコンが使えなくなることもあります。 故障したパーツを交換したり外付け機器を使ったりして対応できる場合もありますが、多くの場合は買い替えが必要になるでしょう。各パーツの寿命の目安は以下のようになります。
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マザーボードの寿命は3~10年
寿命:3~10 年
マザーボードとはパソコン中枢の基盤となるパーツです。メインボードとも呼ばれ、その名の通り CPU やメモリー、キーボード、ディスプレイなどパソコンのパーツをつなぐ電子回路基板になります。
寿命の幅が広いのは使い方に依存する部分が大きいからです。例えば、ゲームメインで常にオーバークロックで使用していると、寿命を縮めてしまうリスクがあります。一方で、定格で動作させるような使い方であれば 10 年以上持つ場合もあるのです。
マザーボードは他のパーツ同様で熱に弱いため、パソコンをフル稼働して高温の状態が続くとその分寿命は短くなる傾向があります。
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内蔵ストレージの寿命は3~5年以上
SSD:5 年以上、HDD:約 3 年
内蔵ストレージとは記憶装置 (SSD/HDD) のことです。ドライブの使用頻度や使い方の違いで多少寿命は前後しますが、目安としては SSD が 5 年以上、HDD が約 3 年と言われます。
SSD の方が長寿命な理由は、HDDは磁気ディスクに直接読み書きを行うのに対して、SSD は半導体メモリーに電流信号を流してデータの読み書きを行うためです。いずれにしても読み書きの度に劣化は進み、いつかは故障する日が来ます。
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電源ユニットの寿命は3~5年
寿命:3~5 年
電源ユニットとはパソコン内部に搭載された、各パーツに電力を送る装置です。ノートブックの場合は AC アダプタがその役割を担っています。
5 年ほどで、故障の原因は安定して電力供給を行うためのパーツである「コンデンサ」の劣化によるものが多い傾向です。
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冷却ファンの寿命は7年
寿命:約 7 年
冷却ファンとはパソコン内部に溜まる熱を逃がし冷やしてくれる装置のことです。パソコンは熱に弱いためファンによる冷却が必須になります。
ファンの寿命は約 7 年間で、故障の原因としてはファンの劣化、軸ぶれ、ホコリなどの異物混入などです。ファンは掃除がしやすいため、定期的にメンテナンスすると良いでしょう。
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メモリーの寿命は10年以上
寿命:約 10 年
メモリーは半永久的とも言われますが、実はしっかり寿命があります。しかし他のパーツと比較すると壊れにくい傾向です。実際メモリーの故障は初期不良で見つかる程度で、丈夫なパーツであることは間違いありません。
また、メモリーの不具合が起きるまで約 10 年パソコンを使用するということは稀なことです。メモリーの限界までに他のパーツが故障する可能性が高いでしょう。
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液晶ディスプレイの寿命は8年
寿命:約 8 年
ディスプレイも比較的長寿命です。症状としては、画面が点灯し始める・少しずつ暗くなるなど見た目で分かるためユーザーは気が付きやすいでしょう。こちらもメモリーと同じくディスプレイの寿命の前に物理的に破損したり、他のパーツが故障したりする可能性が高いです。
デスクトップなどディスプレイだけの故障や破損なら交換が可能ですが、一体型デスクトップ・ノートブックの場合は買い替えが必要になります。
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光学ドライブの寿命は5年
寿命:約 5 年
光学ドライブは頻繁に使用する人とそうでない人とで分かれるパーツかもしれません。CD や DVD など読み書きの使用頻度が高ければ劣化は進みやすく、約 5 年という目安より早く寿命が訪れる可能性もあります。
読み込みが遅くなったり、取り出しボタンが効かなくなったりする不具合が起こった時は交換・買い替えの時期です。
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ノートブック特有のパーツ寿命は2~5年
バッテリー:約 2 年、キーボード:約 5 年
ノートブックはパーツが全て一体型であることと、バッテリーが必要な点でデスクトップとは寿命が異なってきます。
バッテリーは長時間使用で劣化しやすく、約 2 年ほどで不具合が発生する傾向です。充電後の動作時間が短くなることから始まり、最終的に充電できなくなり寿命を迎えます。
キーボードは約 5 年ほど持ちます。キーが動かないなどの物理的な症状や反応しないなどの症状が見られるため気付きやすいでしょう。
ノートブックの寿命を少しでも延ばす方法
愛用しているパソコンは 1 日でも長く使いたいものです。購入から 4 年未満のノートブックであれば、これから説明する対処法で延命する可能性があります。適切な取り扱いとメンテナンスで長く快適に使えるようになるでしょう。今からできる、パソコンの寿命を延ばすコツを解説します。
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熱がこもらないようにする
パソコンは熱や高温に非常に弱い精密機械です。内部の熱を逃がすと共にパソコンを温度の上がる部屋や窓際などに置かないことも大切になります。
・内部の掃除 (キーボードの隙間やファンの吸排出口に溜まったゴミを掃除機で吸う)
・涼しい部屋に置く
・専用の冷却ジェルシートを貼る
・冷却台を利用する (冷却と共に吸排出口のホコリを吸ってくれるタイプもある) -
湿気に注意する
湿気のある時期はもちろん、温度差のある部屋間を移動した際にも結露に注意です。パソコン内部にも結露は発生するので、もし結露の可能性があれば部屋の温度になじみ十分乾燥した状態でパソコンの電源を入れましょう。
飲み物をこぼさないよう注意することはもちろん、ホットコーヒーなどパソコンのお供にするドリンクは極力離れた場所に置いておきます。
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バッテリー充電の頻度を少なくする
ノートブックはバッテリーの消耗をできる限り抑えることがポイントです。
・常時充電を行わない、バッテリー残量が少なくなってから充電をする
・ノートブックを使用しない時は、電源ケーブルは外しておく
・不要なアプリケーションは削除し、使用しない時は閉じておく (消費電力削減)
・モニターの輝度を下げる (消費電力削減)
・電源ケーブルをつないで使用する時はバッテリーを外す (ただし突然の停電などには対処できないため注意) -
ノートブックタイプは衝撃に注意する
気軽に持ち運んで使用できるのが魅力のノートブックですが、衝撃には非常に弱い作りです。
落としたりぶつけたりしないように注意することは大前提ですが、もしもの時のために衝撃吸収性に優れたケースに入れて移動する、インナーカバーを利用するなどの対策を取っておきましょう。軽めで防水性のあるケースがおすすめです。
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内蔵ストレージをメンテナンスする
SSD や HDD の劣化を遅らせることはノートブックの寿命と深く関係します。保存しているデータの中で不要なものは極力削除しましょう。
ディスクのクリーンアップを実行すると、簡単に不要なデータやファイルを一括削除できておすすめです。アプリで作成されるファイル、Web ページを閲覧した際に保存されるインターネット一時ファイルなど、放置していると膨大な量になっていることがあります。
1. パソコンをクリックして [ドライブツール] タブを開く
2. [クリーンアップ] をクリック
3. ディスククリーンアップを行うドライブを選択する
4. [削除するファイル] ボックスから削除したくないファイルのチェックを外す
5. OK をクリックしてクリーンアップを実行
こんな症状が出たら寿命かも!パソコンの買い替えサイン
寿命を迎えるタイミングには、4 年以上使用しているデスクトップ・ノートブックであればどちらにも同じような症状が出てきます。これから説明するような症状が現れ始めたら、そろそろ買い替え時期だと思って良いでしょう。
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高頻度で画面がフリーズする
頻繁にフリーズしてしまう場合、HDD の寿命が考えられます。フリーズの前触れとして、ファイルコピーの際や読み込み書き込み時に以前より時間がかかるようになった、アプリの強制終了が増えたなどの症状が出ていることも多いです。
度々フリーズが起こるような状態では快適にパソコンを扱えないため、買い替える時期に来ていると考えます。
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起動に時間がかかる
パソコンのメモリーが不足している場合や、常駐プログラムが多過ぎる場合は起動に時間がかかることがあります。しかし、起動に5分以上かかるようであればHDDに不具合が生じているかもしれません。HDDには寿命があるため、長期間使用していると故障してOSを起動できなくなってしまう可能性があります。完全に故障してしまう前にSSDへ換装しましょう。
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再起動が自動でループする
パソコンが何度も再起動を繰り返す症状が出てきたら、システムの不具合や熱暴走、マルウエア感染など複数の要因が考えられますが、CPU の寿命である可能性もあります。
一度電源を落として温度を下げ落ち着かせた後、ウイルスチェックや BIOS セットアップを初期化しても治らない場合は CPU の限界が来ているのかもしれません。
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発熱が異常で触ると熱い
ノートパソコンはデスクトップと比べて内部のパーツが密集しているため、熱がこもりやすいといった特徴があります。吸排気口にごみやホコリが溜まると、冷却システムが本来の性能を発揮できずうまく排熱できません。本体が異常に熱く感じる程の熱を持つのはパソコンにとって危険な状態なので、ノートパソコンは小まめに清掃することが大切です。
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電源を付けると焦げた臭いがする
焦げた臭いがしてきたら素早く電源を落としてコンセントも抜いて下さい。発火の恐れがあり危険です。異臭がする原因としては以下のようなものがあります。
・電源ユニット内部のホコリが熱を帯びている
・冷却ファンに溜まったホコリが焦げている
・コンデンサの膨張、破損掃除不足でゴミが蓄積している場合は、自分で分解掃除をするかメーカーへ修理・清掃依頼を出すことを考えましょう。
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異音や電源落ちする
異音や電源落ちといった症状が見られる要因としては冷却ファン、CPU、GPU、HDD、電源ユニットなどの寿命が考えられます。
経年劣化は避けられないため仕方のないことですが、交換で対処できる範囲も限られています。また、たとえ交換して一時的に復活しても他のパーツの劣化により次々と不具合が出てくる可能性も否めません。
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充電ができない
ノートパソコンのバッテリーは消耗品なので、寿命が近づくとバッテリーの減りが速くなったり充電できなくなったりすることがあります。一般的にノートパソコンのバッテリーの寿命は2~5年と言われており、充電できない場合は使用期間がどのくらい経過しているか確認してみましょう。
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電源がつかない
電源がつかない原因としてはさまざまな可能性が考えられます。例えば電力不足やパソコンの帯電、マザーボードの故障、OSなどのソフトウエアの不具合、熱暴走、ウイルスに感染など多岐にわたります。パソコン自体の寿命である可能性もあるため、原因の特定が難しいようであればパソコンを買い替えるタイミングなのかもしれません。
パソコンの寿命が近づいた時にできること
急にパソコンが使えなくなると困ってしまいますよね。寿命が近づいてきたと感じたら次のような対策を取って万が一に備えましょう。
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データをバックアップしておく
パソコンが寿命を迎えると必要なデータをパソコンから取り出せなくなることがあります。突然故障して大事なデータを消失してしまわないように、事前にバックアップを取っておくことが大切です。バックアップの方法としては外付けやクラウド上のストレージに必要なデータのみをコピーしておくこともできますが、Windowsの標準機能でシステムイメージをバックアップすることもできます。使い慣れたパソコンの状態をそのまま引き継ぐことができるため、パソコンの動作が正常なうちにバックアップを作成しておきましょう。
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メーカーの保証内容を確認する
メーカーの保証期間内であれば、万が一パソコンが故障した時でも修理などの対応をしてくれます。基本保証は1年間としているメーカーが一般的ですが、有償で延長保証に加入している場合は利用することで修理費用を安く抑えることができるかもしれません。パーツによっては修理費用が数万円するような高価なものもあります。まずは自分が契約している保証内容をチェックしてみましょう。
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パーツ交換で延命を試みる
不具合の原因を特定できるのであれば、パーツを交換することでパソコンの寿命を延命させることができるかもしれません。しかし、ノート型はデスクトップ型と比べると分解の難易度が高く、自分でパーツを交換するのが難しい場合があります。メーカーにパーツ交換を依頼した場合、パーツによって数千円~数万円の費用が発生します。交換を依頼したパーツ以外にも劣化している部分がある場合、せっかくパーツを交換しても無駄になってしまいます。パソコンの使用期間が長いのであれば買い替えも検討しましょう。
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パソコンを買い替える
パソコンのパーツにはそれぞれに寿命があります。使用頻度やメンテナンスにもよりますが、少しずつ劣化が進みほとんどは 3~5 年の間に寿命を迎えます。
不具合が起こり始めたらパーツ交換も良い方法ですが、パソコンの買い替えも視野に入れましょう。パソコンの進化は早く、買い替えることで想像以上に快適に使えることが多いです。
よくある質問
ここではノートパソコンの寿命に関するよくある質問についてQ&A形式で紹介します。
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パソコンの価格と寿命は関係ある?
高価なパソコンは高性能なパーツを多く搭載しています。そのため、新しいシステムやソフトウエアの要求スペックを長期間満たし続けることができます。一方、安いパソコンはスペックが控えめなモデルが多く、本体は故障していなくても性能面で最新のシステムやソフトウエアを利用できなくなってしまう可能性があります。物理的な耐久性という面では価格の影響を受けることは少ないかもしれませんが、パソコンを長く使い続けたいのであれば初期投資も重要です。
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パソコンを買い替えるなら
古いパソコンはどうすればいい?パソコンを処分する際には基本的にリサイクル料金が必要です。パソコンの購入時に既に支払い済みの場合は「PCリサイクルマーク」がついていることもありますが、通常は数千円の費用が発生すると考えて良いでしょう。メーカーでパソコンを買い替えるのであれば、下取りサービスを利用することで不要なパソコンを処分してもらうことも可能です。Lenovoの場合は無償で引き取りや買い取りを実施しています。
まとめ
パソコンを使っていると、どうしても避けられない劣化と寿命ですが、大切に扱う心がけと適切なメンテナンスで寿命を延ばすことができます。パソコンを購入したら今回の記事を参考に定期的なメンテナンスを入れて劣化を抑え、できる限り長くパソコンを使えたら良いですね。 Lenovoでは高負荷、長時間使用にも耐えるパワフルなノートブックとデスクトップを展開しています。米軍調達基準に準拠した、落下テストや気温・気圧の変化、そしてディスプレイの耐久性など、さまざまな品質チェックをクリアした強いボディが魅力です。 パフォーマンスを下げることなくマルチタスクが可能なノートブックは、割引やクーポンであっという間に品切れになることも。パソコンの買い替えをお考えの人はぜひLenovoにお任せ下さい!