目 次
【結論】ノートブックの CPU 交換は可能
CPU とはハードウェアやソフトウェアからデータを受け取り、演算・制御の機能を担う重要なパーツです。「コンピュータの頭脳」といわれているのはご存じのとおり。 そして、ノートブックでも CPU 交換はできます。正確にいうと「CPU の取り付け方法による」となります。ノートブックに搭載されている CPU には「ハンダ付けでマザーボードに直付けされているもの」と「ソケット式で抜き差しができるもの」の 2 種類があり、前者は難易度がかなり高く、後者は比較的に安易に交換が可能です。 そのため、自分が使っているノートブックがどちらの種類であるのかを確認する必要があります。ハンダ付けタイプの CPU の場合は失敗したときのリスクが高いため、新しいノートブックに買い替えることにも一つの手段です。 どうしてもチャレンジしたい方は、自己責任にて作業を行うようお願いします。それでは本題の CPU 交換方法を見ていきましょう。
ノートブックの CPU 交換方法
CPU を自力で交換する場合には、正しいステップを事前に確認することが大切です。ここからは交換の際に必要となる工具や、交換手順の大まかな流れを解説します。作業工程をイメージしながらチェックしてみてください。
-
工具の準備
CPU 交換には 3 つの工具が必要になります。準備するものは以下のとおりです。
【CPU の交換に必要なもの】
・マイナスドライバー (精密ドライバー)
・CPU 熱伝導グリス
・エアスプレーノートブックの中身は非常にデリケートなため、部品が破損してしまわないように静電気対策が施された精密ドライバーがおすすめです。CPU 熱伝導グリスは CPU と冷却装置の接触力を高めるためのもので、交換時に双方に塗るために必要になります。
エアスプレーは内部にたまっているホコリを除去するために使用します。これらの工具はオンラインショップやパソコンのパーツ専門店、もしくは家電量販店やホームセンターなどで入手が可能です。
-
CPU とマザーボードを調べる
CPU を交換するパソコンの CPU とマザーボードの型番を調べます。Windows パソコンの場合は「DirectX 診断ツール」を使えば、両方を同時に確認可能です。
【DirectX 診断ツールからの確認手順】
1. パソコンの検索フォームに「dxdiag」を入力
2. コマンドを実行するとツールが起動
3. [システム情報] に記載されているプロセッサが CPU 、システムモデルがマザーボードの名称注意:ショップモデルなどのパソコンでは表示されないことがあります。この場合はフリーソフトやコマンドプロンプトで確認します。
現在の CPU が分かったら、その CPU のソケット、CPU コアのコードネーム、FSB (Front Side Bus) の確認を行います。この 3 つがマザーボードに対応している必要があるためです。上記 3 つが分かれば交換可能な CPU を調べられますが、念のためにマザーボード側から対応している CPU の確認を行うとより安心です。
また、マザーボードには「チップセット」と呼ばれる部品が備わっており、チップセットの規格によって使用できる CPU が変わります。マザーボードの型番よりチップセットを調べ、対応した CPU を選択しましょう。
-
大まかな CPU 交換方法
ノートブックの CPU 交換を簡単に説明すると、以下のようになります。
・ノートブックを裏返してバッテリーを取り外す
・底面カバーを外して中身が見える状態にする
・CPUソケット固定ネジとファン周辺のネジを外す
・冷却装置を取り外す
・CPU を取り外して新しい CPU と交換する
・熱伝導グリスを塗り、冷却装置を元に戻す
・底面カバーとバッテリーを取り付ける
・正常に起動するか確認する作業前はケーブル類をすべて外し、エアスプレーでホコリや汚れを取り除きます。パソコンのパーツは静電気に弱いため、身体に溜まった静電気は金属などに触れて逃がしておきましょう。
手順はシンプルですが、CPU を交換するには知識が必要なうえにリスクも伴います。操作を誤ってしまうと元の状態に戻せなくなる場合もあるため、繰り返しになりますが自己責任の範囲で行うようにしてください。
ノートブックの CPU を交換するデメリットと注意点
自力でノートブックの CPU を交換しようと考えている方は、デメリットや注意点にも目を向けることが大事です。ここでは、CPU 交換で理解しておくべき 4 つの注意点を解説します。
-
メーカー保証の問題
CPU の交換は改造行為とみなされるため、サポート期間内であったとしてもメーカーの修理保証が受けられなくなります。そのため、保証期間が残っているパソコンで CPU を交換するのはおすすめできません。
また、パソコンの処理速度は別の問題で遅くなっている場合があり、CPU を交換したからといって必ずしも改善されるわけではありません。
-
CPU の入手が困難
ノートブックの CPU は時期によって供給量が少ないことがあるため、自分が必要とする製品が手に入らないことがあります。中古の CPU も販売されていますが、正常に動作するかどうかの保証もありません。いざ自力で交換しようとしても、お目当ての CPU が手に入らなければ作業は進みません。
-
データのバックアップが必要
CPU の交換は知識とスキルを要します。慣れていない方が作業すると失敗する恐れがあるため、事前にデータのバックアップが必要といえます。また、使っているノートブックがWindows10 より前のバージョンの場合、CPU 交換後に OS が起動しなくなるのを防ぐために「ライセンス認証」が必要です (Windows10 では OS のライセンスを Microsoft アカウントに紐付けておくことにより、CPU 交換後もそのまま起動可能) 。
-
マザーボードに直付けのパソコンは諦めよう
前途したとおり、CPU がマザーボードにハンダ付けされたタイプはリスクが伴います。直付けタイプは素人が自力で外せるものではありません。現在使っているノートブックが直付けタイプだった場合は、CPU を交換するのは諦めるのが賢明です。
長く使えるノートブックを購入するコツ
デスクトップパソコンに比べるとノートブックは CPU の交換が困難です。そのため、お使いのパソコンに不満を感じている方は、新しいパソコンに買い替えることをおすすめします。ここでは、長く使えるノートブックの選び方を簡単に紹介します。
-
ハイスペックパソコンを選ぶ
ノートブックを長く使うためには、スペックが重要ポイントです。ハイスペックなモデルなら高負荷がかかる作業でも快適に使えるため、長く愛用できるでしょう。おすすめは以下のスペックを搭載したパソコンです。
・CPU:インテル® Core™ i7/AMD Ryzen™ 7 以上
・メモリ:16 GB 以上
・ストレージ:SSD 512GB
・液晶解像度:フル HDパソコンゲームをするのであれば、高性能な GPU を搭載した製品が必要です。持ち運んで外出先でも使用する方は、軽量でバッテリー駆動時間が長い製品を選びましょう。
-
サポート保証があるパソコンを選ぶ
ノートブックは特殊な規格のパーツが使われていることが多く、自分で修理や交換するのが難しいものです。市販では手に入らないパーツもあるため、故障した際はメーカーに頼るのが理想的といえます。
もし保証がない状態で修理に出せば、修理代とパーツ代が請求されて想像以上に費用が高額になることも考えられます。ノートブックを長く使い続けるには、基本的な無料保証とは別にオプションの長期保証サービスが付いたメーカーがおすすめです。
まとめ
ノートブックの CPU は自力でも交換できますが、正しい知識が必要でリスクも伴います。失敗すると元の状態に戻せなくなるだけでなく、改造したノートブックはメーカー保証の対象外になります。 パソコンの動作が重い原因は、CPU 以外にあるかもしれません。この機会に長く使えるハイスペックなノートブックに買い替えるのもおすすめです。レノボでは、あらゆるお客様のニーズに応える製品を豊富にラインアップしています。気になる方はノートブック一覧ページより確認してみてください。
ノートブックを探そう ノートブックを探そう