目 次
ノートブックを購入する時のチェックポイント
せっかく高価なノートブックを購入しても、自分に合わなければ意味がありません。特にスペックが重要なポイントです。ノートブックを購入する時にチェックしておきたい、重要ポイントを紹介します。
-
OS
ノートブック選びでまず決めるのは、OSの種類です。OSは基本ソフトウェアとも呼ばれ、パソコンやソフトを管理し、動作する環境を提供します。使用したいソフトがOSに対応している必要があるため、重要なポイントです。
いま一般的に使用されているOSには、Windows、MacOS、ChromeOSがあります。
OS 特徴 Windows 世界でもっとも使われているOS。多くのソフトを使用できること、利用ユーザーが多いことがメリット MacOS Apple製のMacintoshやMacBookに搭載されているOS。デザインや動画編集などのクリエイティブな用途でよく利用されている ChromeOS Googleが開発したOSで、教育現場などで用いられている。シンプルでセキュリティが強固。対応しているソフトが少ない 特にこだわりがなければ、もっとも普及しているWindowsがおすすめです。
-
CPU
ノートブックの基本的な性能を決めるパーツがCPUです。CPUのデータ処理の性能によってノートブックの快適さが大きく異なるため、負荷の高い処理で使用するのであれば高性能なCPUを選びましょう。
CPUにはインテルとAMDの2大メーカーがあり、それぞれからさまざまなCPUがリリースされています。高性能なCPUを搭載していればノートブックを快適に使えますが、その代わり非常に高価です。そのため、自分の用途に合った、適切な性能のCPUを選ぶ必要があります。
インテルとAMDのCPUの性能をもとにしたグレードは次のとおりです。
インテルのCPU
ハイグレード Core i9
Core i7ミドルグレード Core i5
Core i3エントリーグレード インテルプロセッサー AMDのCPU
ハイグレード Ryzen 9
Ryzen 7ミドルグレード Ryzen 5
Ryzen 3エントリーグレード Athlon また、インテルは高性能かつ省電力性能を高めたCore Ultraシリーズをリリースしており、ノートブックのCPU選びの幅がますます広がっています。
-
メモリー
メモリーの容量もノートブック選びで見逃せないポイントです。メモリー容量が多ければ多いほど、多くの作業を同時にスムーズに、かつ快適に行えるようになります。
いま多くのノートブックには、8GBまたは16GBのメモリーが搭載されています。しかし、8GBのメモリは必要最低限の容量で、複数のソフトを同時に使用したり、やや負荷の高い作業を行ったりするには物足りません。ノートブックを快適に利用するため、メモリーの容量は16GBを基準にしましょう。
Webサイトの閲覧や書類作成、動画編集、画像加工など、メモリーが16GBあればほとんどの用途に対応できます。高解像度の動画編集のような高度な作業を行う予定があれば、32GB以上のメモリーを検討しましょう。
-
ストレージ
メモリーが一時的にデータを格納するのに対して、ストレージは長期的にデータを保管します。ストレージの容量が多ければそれだけ大量のデータを保管できるため、写真や動画データを大量に管理したり、さまざまなソフトをインストールしたりしたい場合は、大容量のストレージを選びましょう。
スタンダードなノートブックであれば、256GBのストレージが一般的です。書類作成や動画再生、写真管理など、一般的な用途であれば不足することはないでしょう。余裕を持たせたいのであれば、512GBのストレージを選ぶのもおすすめです。
ストレージはSSDとHDDがありますが、基本的にデータへのアクセスが速いSSDを選んで下さい。
-
GPU
GPUとは映像処理を専門的に担うプロセッサーのことで、CPUとの役割分担によって効率的にパソコンを使えるようにしています。
パソコンで書類を作成や動画視聴など一般的な用途であれば、GPUのことを気にする必要はありません。CPUにはGPUが内蔵されており、標準的な用途であれば対応できるだけの性能を持っているためです。
GPUを気にする必要があるのは、ゲームや高画質動画の編集など映像処理に大きな負荷のかかる用途です。これらの用途ではCPU内蔵のGPUでは性能が足らず、高性能なGPUを搭載するノートブックが必要になります。
ただし、高性能なGPUは大量の電力を消費するため、バッテリーの駆動時間が大幅に短くなるという欠点があります。外出先で使用するには、あまり適さないノートブックになるでしょう。
-
バッテリー駆動時間
ノートブックを頻繁に持ち運ぶ予定があるのなら、バッテリーの駆動時間はとても重要です。外出先でバッテリーが切れてしまうと作業ができず、かといって電源ケーブルを一緒に持ち運ぶと軽量なノートブックを購入する意味がありません。
そのため、バッテリー駆動時間が長いノートブックを選ぶことで、外出時のバッテリー切れの不安をなくし、より快適に作業を行えます。
一般的なノートブックでは約6~8時間の使用が可能ですが、省電力設計や大容量バッテリーを搭載した高性能モデルでは20時間以上の長時間駆動するものもあります。
-
ディスプレイの解像度
ノートブックのディスプレイの解像度も重要なポイントです。解像度が高ければディスプレイに表示できる情報量が増え、画像や文字を鮮明に映し出します。
ノートブックで一般的な解像度には、次のものがあります。
解像度の名称 解像度 アスペクト比 フルHD 1920×1080 16:9 WUXGA 1920×1200 16:10 WQHD 2560×1440 16:9 WQXGA 2560×1600 16:10 QWXGA+ 2880×1800 16:10 多くのノートブックはフルHDまたはWUXGAですが、ゲームなどで美しい映像を楽しむのであればより高解像度で表示できるディスプレイがおすすめです。ただし、一般的な用途であればフルHDまたはWUXGAで問題ありません。
-
ディスプレイのサイズ
ディスプレイのサイズは、ノートブック選びで非常に重要なポイントです。ディスプレイのサイズは、ノートブックのサイズや重量に影響し、持ち運びの便利さや使用時の快適さを左右します。
ノートブックのディスプレイのサイズは、13~15インチが一般的です。持ち運びやすさを重視するのであれば、13インチがおすすめです。A4判のコピー用紙を下まわるサイズなので、ほとんどのビジネスバッグに収納できるでしょう。
見やすさを重視するのであれば、15インチ以上のディスプレイがおすすめです。ディスプレイのサイズが大きくなるため、それだけ文字が見やすく、目が疲れにくくなります。
-
重量
屋内での使用がメインならあまり気にする必要はありませんが、頻繁に持ち運ぶのであればノートブックの重量は重要です。
ノートブックだからと全てが持ち運べるとは限らず、なかには省スペースを重視した持ち運びに向かないモデルもあります。たまに持ち運ぶのであれば良いのですが、そういったノートブックは毎日のように持ち運ぶのに適していません。そのため、ノートブック選びでは、必ず重量をチェックしましょう。
持ち運びやすいノートブックなら、1.5kgが目安になります。毎日のように持ち運ぶのなら、より体への負担の少ない約1kgの軽量モデルも検討しましょう。
ノートブックを選ぶ時の注意点
使用する状況や目的に合わせて最適なノートブックを選ぶには、スペック以外の要素もしっかりとチェックすることが大切です。人によっては毎日のように使うことになります。自分に合ったものを選ぶには、妥協せずに検討を重ねましょう。
-
用途に合ったスペックを考える
ノートブックを選ぶ時に重要なのは「用途に合ったスペック」であることです。スペックは、高ければ高いほど良いと思えるかもしれません。しかし、スペックが高過ぎると消費電力が高く、バッテリーの駆動時間が短くなることがあります。また、カジュアルに使うのに適さない、高価格になってしまうこともあるでしょう。
一方で動画編集やグラフィックデザイン、ゲームなど負荷の高い用途では、高性能なCPU、大容量のメモリー、高解像度のディスプレイ、高性能なGPUを搭載したノートブックが適しています。スペックが低いと作業効率が悪く、ストレスを感じるかもしれません。
自分の用途にはどういったスペックが必要なのか、よく考えることが大切なのです。
-
持ち運びの頻度が重要
薄型で軽量なノートブックはスタイリッシュで、憧れる人も多いでしょう。しかし、ほぼ屋内で使用するノートブックであれば、薄さや軽さよりも使いやすさ、見やすさのほうが大切です。
このようにノートブックは、持ち運びの頻度でも選ぶモデルが変わります。
持ち運びの頻度が高い場合、重量が軽く、サイズの小さいモデルが最適です。軽量なモデルになると1kg前後と持ち運ぶ時に、ほとんど負担を感じないものもあります。ただし、一般的に非常に高価です。
ごくまれにしか持ち運ばないのであれば、重量よりもスペックや見やすさ、使いやすさのほうが大切です。また、性能が高くても軽量でなければ、意外と価格の安いモデルもあるのでチェックしてみましょう。
-
中古はハイリスクなので避ける
中古品のノートブックは新品に比べると価格が安いというメリットがあるのですが、リスクがあるため初心者は避けたほうが良いでしょう。
そもそもノートブックは持ち運ぶ機会が多いため、外部からのダメージを受けやすい製品です。中古品だと外見は問題なく見えても、内部に隠れたダメージがあるおそれがあります。ほかにもバッテリーの劣化や、内部部品の劣化なども考えられます。
また、中古品は保証期間が短い、またはまったくない場合が多いです。新品であればメーカー保証があり、初期不良や故障時のサポートを受けられますが、中古品ではそのようなサポートを受けられないことがあります。自力で対処できない初心者に中古品は、ハードルが高いのです。
-
BTOで自分向けにカスタマイズが可能
購入するノートブックを自分のニーズに完全に合わせたいのであれば、BTOを利用するのがおすすめです。BTOはユーザーが自分の用途や好みに合わせて、CPU、メモリー、ストレージなどのスペックをカスタマイズできます。
例えば、動画編集やグラフィックデザインなど負荷の高い作業のためにノートブックを購入する場合、高性能なCPUや大容量のメモリーなどを選べます。カジュアルな用途でも、メモリーの容量を増やして快適さを重視したノートブックにすることも可能です。
BTOの大きな利点は、必要のない性能に費用をかけずに、必要な部分に費用を集中できることです。市販のノートブックだと自分に合わない人は、BTOを検討するのも良いでしょう。
ビジネス向きの軽量ノートブック
ビジネスに最適なノートブックは、軽量性が重要なポイントになります。ビジネスシーンでは外出先での打ち合わせや出張が多いため、持ち運びやすさが重要になるのです。軽量なノートブックは、長時間の持ち運びでも疲れにくいため、どこでも快適に作業ができます。 一方でパソコンそのものの性能は、基本的な書類作成やWebサイトの閲覧が快適に行えれば十分です。高性能なCPUや大容量のメモリー、高解像度のディスプレイよりも、バッテリーの駆動時間や耐久性、セキュリティ機能など、ビジネスシーンでの利便性や安全性に重点を置きましょう。 また、キーボードの打ちやすさも、こだわりたいポイントです。数値データの入力が多い場合は、テンキー付きがおすすめです。
-
ThinkPad X1 Carbon Gen 11
-
ThinkPad X13 Gen 4
クリエイター向けハイスペックノートブック
クリエイター向けのノートブックでは、高い性能が求められます。高性能なCPU、大容量のメモリー、強力なグラフィック処理能力、高解像度のディスプレイなど、あらゆる面でハイスペックであることが望ましいです。 ただし、購入予算には限りがあるため、どれだけハイスペックにするのかをよく検討する必要があるでしょう。特にGPUは非常に高価なため、やみくもに高性能なものは搭載できません。適切なスペックを見極めることが大切です。 クリエイター向けのノートブックでは、持ち運ぶ頻度が少ないため、重量よりもスペックを優先しましょう。高性能なノートブックは、クリエイティブな作業を効率的に行い、アイデアを形にするための強力なツールとなります。
-
ThinkPad P16v Gen 1 AMD
-
ThinkBook 16p Gen 3 AMD
ゲーム向けのゲーミングノートブック
ゲームを遊ぶためのゲーミングノートブックを選ぶ時にもっとも重要なポイントは、グラフィック処理を担うGPUの性能です。高性能なGPUはゲームの映像品質を向上し、ハイクオリティな映像体験を可能にします。最新のゲームを高品質で楽しむのであれば、高性能なGPUを搭載するノートブックを選びましょう。 ちなみに、フルHDくらいの解像度であれば、それほど高性能なGPUは必要ありません。高リフレッシュレートのなめらかな映像でゲームを楽しむことも可能です。 また、ゲーミングノートブックは一般的に重量があり、持ち運びには不向きです。ゲームプレイ中の発熱を考慮し、優れた冷却システムを備えたモデルを選ぶことも重要です。
-
Legion Pro 5i Gen 8 16型
-
Lenovo LOQ 16IRH8
コスパ重視の価格の安いノートブック
コスパを重視してノートブックを求めているのであれば、主な用途と必要なスペックを検討することが重要です。ただ単に安いノートブックを購入しても、スペックに不満があったら意味がありません。 Webサイトの閲覧や書類作成などの基本的な作業が中心であれば、高性能なCPUや大容量のストレージは必要ないでしょう。しかし、快適な操作性を保つには、メモリーの容量には注意が必要です。CPUの性能がもの足りなくても、ある程度のメモリー容量があれば快適に動作します。 また、ストレージはSSDが必須です。SSDであればソフトの起動が速いため、データのアクセスにイライラすることもありません。コスパを重視する時は、適切なスペックを見極めることが大切です。
-
ThinkBook 14 Gen 6
-
IdeaPad Slim 5i Gen 8 16型