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どっちが良いかは使う人次第
いきなり元も子もない話になってしまいますが、デスクトップ型とノート型どっちが良いかは使う人によって異なります。もし仮に全ての人におすすめのタイプがあるとしたら、もう片方のタイプはとっくに市場から姿を消しているはずですよね。それぞれにメリット・デメリットがあるため、一概にどっちが全ての人におすすめということはできないのです。 では売れ筋はどっちなのかと言えば、デスクトップ型の方が多くの人から選ばれています。ひと昔前までは「ノート型はやめておけ」「デスクトップ一択」などと言われるほどデスクトップが圧倒的人気を誇っていましたが、最近はノートPCの性能も底上げされています。モデルによってはノートPCでも最新のゲームをプレイするのに十分な性能を備えているため、使う人の好みや使い方によってどっちにするか決めれば良いでしょう。
ノート型のゲーミングPCの特徴
ノート型はデスクトップ型と比べるとコンパクトで持ち運びできるなど、さまざまな特徴を持ちます。購入した後に後悔しないよう、あらかじめメリットだけでなくデメリットについても知っておきましょう。ノート型の特徴について解説します。
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ノート型のメリット
ノート型の主なメリットは次のようなものがあります。
- 省スペース
- 持ち運びに便利
- 周辺機器を購入する必要がない
- 比較的電気代が安い
それぞれの内容について詳しく見ていきましょう。
● 省スペース
ノート型はデスクトップと比べるとコンパクトなサイズなので、設置場所が省スペースで済むというメリットがあります。キーボードやスピーカーなどが一体となっているため、専用のパソコンデスクを用意する必要もありません。普段使っているテーブルなど、好きな場所に使う時だけ設置することができる上、蓋を閉じれば厚みはわずか数センチしかありません。使わない時は簡単に収納することができるのもノート型の魅力です。
● 持ち運びに便利
ノート型はデスクトップよりも小型で軽量なため、持ち運んで外出先でも使用することができます。これがノート型の最大の魅力と言っても良いでしょう。出張が多い人や友人たちと集まって同じスペースで一緒にゲームをプレイしたいという人は、ノート型を選ぶメリットがあります。また、外に持ち出さない場合でも自宅の好きな部屋に移動して使えるのもノート型ならではのメリットです。
● 周辺機器を購入する必要がない
本体を購入すれば、すぐに使い始めることができるのもノート型の魅力です。通常、ゲーミングPCは本体のみの販売となっているため、デスクトップ型の場合はパソコンを起動して使い始めるために、モニターやキーボードなどの周辺機器を用意する必要があります。一方で、ノート型の場合は本体にカメラ、スピーカー、ディスプレイ、キーボードなど、パソコンを使うために必要な機能が一通りそろっています。周辺機器を購入しなくても使い始めることができるため、追加費用がほとんど必要ないというメリットがあります。
● 比較的電気代が安い
ゲームをプレイする際はリアルタイムでの3Dグラフィックの映像処理など、膨大な演算が行われます。そのため、ゲーミングPCは高い負荷に耐えられるよう、一般的なパソコンよりも高性能なパーツが搭載されています。高性能なパーツは消費電力も大きいため、ゲーミングPCは一般的なパソコンよりも電気代が高いという特徴があります。そしてこの消費電力は、デスクトップ型よりもノート型の方が小さいことが一般的です。つまり、ノート型には月々の電気代がデスクトップ型よりも安いというメリットがあります。
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ノート型のデメリット
ノート型のデメリットには次のようなものがあります。
- コスパが低い
- 排熱効率が良くない
- 拡張性・メンテナンス性が低い
それぞれの内容について詳しく見ていきましょう。
● コスパが低い
ノート型の性能も底上げされてきているとは言え、同じ価格帯のデスクトップ型と比べると性能が低く、コスパの面ではデスクトップ型に劣ります。同じスペックのパーツであってもノート型の場合は内部スペースに限りがあるため、小型化するためにコストが割かれます。そのため、ノート型に搭載されるパーツは性能の割に割高となってしまい、パソコン全体のコスパも低くなってしまうのです。
● 排熱効率が良くない
ゲーミングPCは発熱量が大きいため、正常に長く使い続けるためには冷却システムが必須です。ほぼ全てのゲーミングPCには何らかの冷却システムが搭載されていますが、ノート型はデスクトップ型と比べると内部スペースにあまり余裕がありません。そのため、搭載できるファンや冷却クーラーの数やサイズが限られてしまいます。また、内部スペースが狭いということは、空気の通り道がなく、熱がこもりやすくなるといった問題も。もし冷却性能が十分でない場合、排熱がうまくいかずパソコンの寿命を縮めてしまう可能性があるでしょう。
● 拡張性・メンテナンス性が低い
デスクトップ型は容易にカバーを取り外して内部のメンテナンスを行うことができますが、ノート型の場合は分解してパーツを交換したり増設したりすることが難しい場合があります。そもそも分解できない構造になっているモデルもありますし、分解できたとしてもCPUやグラボなどのパーツがマザーボードにはんだ付けされていて、容易に取り外せないといったケースも珍しくありません。ノート型の場合は使い始めてから性能不足を感じても、後からパーツの交換や増設で対応することが難しい場合もあります。デスクトップ型の場合よりも購入時のスペック選びが重要になってきます。
デスクトップ型のゲーミングPCの特徴
続いてデスクトップ型の特徴について解説していきます。デスクトップ型がノート型よりも多くの人に選ばれているのには相応の理由があります。持ち運んで利用しないのであれば基本的にはデスクトップ型をおすすめしますが、メリット・デメリットを把握した上で自分にどっちが合っているかを判断しましょう。
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デスクトップ型のメリット
デスクトップ型のデメリットには次のようなものがあります。
- 同じ金額ならノート型より性能が高い
- 熱対策しやすい
- 拡張性・メンテナンス性が高い
- 接続端子が豊富
- パーツの選択肢が豊富
- 寿命が長い
それぞれの内容について詳しく見ていきましょう。
● 同じ金額ならノート型より性能が高い
同じシリーズの同じグレードのパーツであっても、デスクトップ型とノート型では搭載されるパーツは完全に同じものというわけではありません。一般的には小型化する必要のあるノート型専用のパーツよりも、デスクトップ型に搭載されているパーツの方がベンチマークが高くなる傾向にあります。同じ価格帯のパソコン同士で比較するとノート型よりもデスクトップ型の方が高性能ですし、同じスペックのパソコン同士を比較するとノート型よりもデスクトップ型の方が安くで購入することができます。
● 熱対策しやすい
デスクトップ型はノート型よりも内部スペースに余裕があるため、多数のファンや大型のヒートシンクを設置することができます。また、パーツ同士の距離がノート型ほど近くないため、発生した熱がこもりにくく、排熱しやすいという特徴があります。ゲーミングPCにとって熱は大敵で、うまく排熱できなければパソコンの寿命を縮めてしまうかもしれません。デスクトップ型はノート型よりも排熱性能が高いため、冷却用のファンの回転数を無理に上げる必要がなく、静音性が高いといったメリットもあります。
● 拡張性・メンテナンス性が高い
デスクトップ型のゲーミングPCは、パーツの換装や増設によって拡張・メンテナンスしていくことを前提に作られています。そのため、筐体カバーの取り外しが容易で、もし使っているうちにスペック不足を感じてきたら、後からパーツを交換できるなど拡張性・メンテナンス性が高いというメリットがあります。内部スペースに余裕があるため、内部清掃などのメンテナンス作業のしやすさも、分解手順が複雑なノート型と比べると圧倒的に簡単です。
● 接続端子が豊富
デスクトップ型はノート型よりも、端子の種類や数が豊富です。同時に多くのデバイスを接続できるため、幅広い使い方が可能というメリットがあります。例えば、現在主流のHDMI端子が2つ以上あれば、1台のデスクトップに対して2台以上のモニターを同時に接続して使用することができます。また、ノート型と比べるとUSBポートなどの外部接続端子の数も豊富。ハブを使わなくても多くのデバイスを接続させることができるのもデスクトップ型の魅力です。
● パーツの選択肢が豊富
ゲーミングPCをBTOで購入する場合、筐体のデザインをはじめ、マザーボード、CPU、グラフィックボード、メモリーやストレージにいたるまで自由にカスタマイズすることができます。もちろんデスクトップ型の場合は購入後に自分でカスタマイズしていくことも可能です。デスクトップ型は選択できるパーツがノート型よりも多く、カスタマイズの幅が広いというメリットがあります。
● 寿命が長い
デスクトップ型はノート型よりも寿命が長いとされています。もちろん寿命の長短はパソコンの使い方によっても変わってきますが、デスクトップ型はノート型よりも排熱性に優れているため、パーツの消耗が少ないことなどが理由として挙げられます。また、ノート型は持ち運ぶことを前提としているため、移動中に落下などの衝撃を受けたり、高温となる車内に置きっぱなしにされたりするリスクも抱えています。一方でデスクトップ型は、一度据え置いたらほとんど設置場所から移動することはないでしょう。衝撃によるダメージを受けにくく、メンテナンス性も高いため寿命が長くなると考えられています。
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デスクトップ型のデメリット
デスクトップ型のデメリットには次のようなものがあります。
- 設置場所が必要
- 周辺機器の購入が必要
- 持ち運びが困難
- 電気代が高い
それぞれの内容について詳しく見ていきましょう。
● 設置場所が必要
デスクトップ型はただでさえ本体が大きく設置場所を選ぶ上に、キーボードやモニター、スピーカーなどの周辺機器を含めると設置にかなりのスペースを必要とします。使わない時は収納しておけるノート型と違い、デスクトップは基本的には使わない時も同じ場所にあり続けます。配線などが掃除の邪魔になることもありますし、部屋の広さにあまり余裕がない人にとってはスペースの関係でデスクトップ型は選べないということもあるかもしれません。
● 周辺機器の購入が必要
ゲーミングPCを購入する際は基本的に本体のみの購入となります。ノート型はモニターやキーボードが一体となっているため、購入してすぐにゲームを始めることができます。一方で、デスクトップ型は本体のみではゲームどころかパソコンを操作することができません。少なくともモニターとキーボードは別途用意する必要があり、他にもスピーカーやマウスなど必要な周辺機器がノート型よりも多く、追加費用がかかってしまうというデメリットがあります。
● 持ち運びが困難
デスクトップ型は持ち運んで使用することを想定していないため、一度設置したらその場で使い続けることが一般的です。本体の重量がありそれなりの設置スペースも必要となる上に、ノート型よりも外部接続機器が多いため配線にもひと手間を要します。1度設置したら移動は困難なので、使い始める前にどこに置くかよく検討しましょう。
● 電気代が高い
デスクトップ型はノート型よりも消費電力が高いです。同じシリーズのパーツ同士を比べてもデスクトップ型に搭載されるパーツの方が消費電力が大きいケースが多く、またデスクトップ型は本体以外にもモニターなどの周辺機器による電力の消費も発生します。1日当たりの電気代の差は微々たるものかもしれませんが、毎日情時間プレイするのであれば、数ヶ月、数年と経過するうちにデスクトップ型とノート型では電気代に大きな差が生じる可能性があります。
ゲーミングPCの選び方
ゲーミングPCはラインアップが豊富で、スペック表を見てもあまり見慣れない用語もたくさん出てくるため、どれを選べば良いか迷ってしまいますよね。ゲーミングPCを選ぶ際は価格だけでなく、各パーツのスペックをしっかりと把握することが重要です。ここでは、ゲーミングPCを選ぶ際の基本的な知識と考え方について解説します。
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まずはノート型にするか
デスクトップ型にするかを決めるゲーミングPCのタイプは、大きく分けてデスクトップ型とノート型の2種類。まずはどちらのタイプにするかを決めることで、スペックなどの選択肢を絞ることができます。どちらにするかは自分がどのような使い方をするか想定して決めると良いでしょう。持ち運んで使いたいのであればノート型を、そうでなければデスクトップをおすすめします。同じ価格帯であればデスクトップの方がノートよりも性能が高く、コスパも良好です。
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自分に必要なスペックを把握する
スペック選びで迷ったら、どういった目的でゲーミングPCを使うかについて考えてみましょう。当然ですが、ゲームによってパソコンに要求するスペックはまちまちです。遊びたいゲームが決まっている場合は、ゲームの公式サイトでCPUやGPU、メモリーなどについてパソコンに求められる必要スペックや推奨スペックを確認することができます。予算と相談しながら記載されている以上のスペックを選びましょう。
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グラフィックボードを中心に決める
ゲーミングPCを選ぶ際は、まずはグラフィックボードの性能をチェックしましょう。他のパーツも重要であることには変わりないのですが、グラフィックボードの性能によってプレイできるゲームの種類に差があるほど重要なパーツです。グラフィックボードはゲーミングに強いものや、CADの操作などクリエイト作業に強いものなどそれぞれ固有の強みを持ちます。ゲーム用途として選ぶなら、NVIDIA社のGeForce RTXシリーズか、AMD社のRadeon RXシリーズのどちらかを選んでおけば問題ないでしょう。
● グラボの2大メーカーはNVIDIAとAMD
ゲーミング用途として国内で流通している主なグラフィックボードには、NVIDIA社の「GeForceシリーズ」や、AMD社の「Radeonシリーズ」があります。いずれも後ろに付く数字が大きいほどグレードが高いことを意味しており、レイトレーシングなど高度な映像処理を行うためには一定以上のスペックのグラフィックボードを選ぶ必要があります。
● 長く使いたいならミドルレンジクラス以上のモデルを選ぶ
ゲーミングPCの価格と性能は概ね比例関係にあり、価格が高いほど性能も高くなる傾向にあります。初めてゲーミングPCを購入する人は、できるだけ安いモデルを手に入れたいと考えるかもしれません。しかし、ゲーミングPCは安いモデルよりも高いモデルの方が長く使い続けられる可能性が高いです。なぜなら、新しいゲームほどパソコンへの要求スペックが高く、エントリークラスのゲーミングPCでは数年で性能が追いつかなくなってしまいます。
ミドルクラス以上のスペックであれば、パーツの世代が変わったり、新しいゲームが登場したりしても長期間使い続けられる可能性が高いのです。買い替えの周期を延ばし、長く使い続けたいのであれば、最初にかかるコストは高くてもミドルクラス以上のモデルを選ぶと良いでしょう。
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CPUはパソコン全体の性能を左右する
CPUはパソコン全体の性能を決める、ゲーミングPCの頭脳としての役割を担っています。CPUの性能が高ければパソコン全体としての性能も底上げされます。ただし、CPUと他のパーツとのスペックバランスについても注意しなければなりません。例えば、高性能なGPUを搭載したとしても、CPUのスペックが低ければGPU本来の性能を十分に発揮することができません。ゲーミングPCではグラフィック処理のクオリティが重要なので、特にCPUとGPUのバランスには注意する必要があります。
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メモリーは16GB以上を推奨
メモリーは、データを一時的に保存しておくためのパーツです。よく作業台の広さに例えて説明され、メモリー容量が大きければそれだけ複数の処理を同時に実行することができます。もしメモリー容量が低ければ処理に時間がかかったり、処理が途中で止まったりすることもあるでしょう。ゲームのプレイ中はパソコンに高い負荷がかかるため、最低でも16GB以上の容量を持つメモリーを選びましょう。
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ストレージはSSDで
容量に余裕を持たせるストレージは、OSやゲームデータなどを保存するためのパーツです。ゲームをインストールする際もストレージにデータが保存されるため、サイズの大きいゲームや複数のゲームをプレイしたいのであれば、最低でも最低でも512GB以上の容量を持つストレージを選びましょう。近年は大容量SSDの価格も下がってきており手に取りやすくなりました。将来的に幅広い使い方をできるようにするためにも、可能であれば1TB以上を目安に選びたいところです。
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中古品は避け新品で購入する
ゲーミングPCは中古ショップやフリマサイトなどで中古品が安く販売されています。元々の値段が高いため、安くで売られているゲーミングPCは魅力的に見えるかもしれません。しかし、ゲーミングPCに関しては中古ではなく新品での購入をおすすめします。ゲーミングPCは消耗品ですが、中古品の場合は各パーツの劣化具合がわかりません。購入時点では正常に動作したとしても、すぐに故障して動かなくなってしまうリスクもあるのです。運よく当たり商品を選べれば良いのですが、ハズレを引いて修理や買い替えでコストがかかるリスクを考えると、中古品はあまりコスパが良くありません。
まとめ
ゲーミングPCにはノート型とデスクトップ型の2種類があり、どちらが良いかは使う人の好みや使い方によって異なります。それぞれにメリット・デメリットがあるので、自分がどのような使い方をしたいのかをよく考えてどちらにするか決めましょう。なかなか決められないという人は、「持ち運んで使用するかどうか」で判断することをおすすめします。ゲーミングPCを外出先で使いたい場合はノート型を、そうでなければコスパの良いデスクトップ型を選びましょう。