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ゲーミングモニターとは
ゲーミングモニターとは、その名の通り快適にゲームをプレイすることに特化したモニターです。ゲーミングモニターは高い描画性能を備えており、「動きがなめらか」「遅延が少ない」といったメリットがあります。FPSや格闘ゲームなどのように素早い反応が求められるゲームにおいては、遅延やカクつきはゲームをプレイするのに支障をきたし、ストレスの原因となってしまいます。「対戦相手に勝てない」「思うような記録を出せない」という場合、ひょっとしたら原因はプレイヤーの技量不足ではなく、使っているモニターにあるかもしれません。競技性の高いゲームを快適にプレイするためには、ゲーミングモニターが必須であるといってもよいでしょう。
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ゲーミングモニターで何ができる?
一般的なモニターは、サイトの閲覧や文書の作成、画像の編集などを目的として作られているため、ゲームのように激しい動作を描画することはあまり得意ではありません。同様に、TVのモニターについても予め決まっている映像を映し出すことはできても、その場で入力された情報を画面に素早く反映させることはやはり得意ではありません。
ゲームの映像を遅延なく滑らかに映し出すには、ゲーミングモニターが適しているのです。「ゲーミング」という名前から、ゲーミングモニターはゲーム用途にしか使えないという誤解を招くことがありますが、そんなことはありません。映画鑑賞や事務用途としても使うことができます。
モニターの価格によって何が違うのか
ゲーミングモニターの価格帯の幅は広く、数万円で購入できるものから中には数十万円するものもあります。では、この価格差による違いは何かというと、大きく以下の3つがあげられます。 ● 視認性の高さ
● 遅延の少なさ
● 動きのなめらかさ ここでは、価格の高いモニター、安いモニターそれぞれの特徴について解説します。
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高いものを買っても
オーバースペックとなる可能性も価格の高いモニターは、応答速度やリフレッシュレートのスペックが高いものが多く、精密で素早い操作が必要なゲームにおいてもストレスなくプレイすることができるでしょう。
ただし、モニターの性能を十分に発揮するにはそれなりのスペックを備えたパソコンが必要となります。そのため、モニターだけでなくパソコン本体にかかるコストも高くなってしまうので注意が必要です。また、ゲームのジャンルによってそこまで高いスペックは必要ないこともあるため、自分がプレイしたいゲームに合わせたスペックのモニターを選ぶことが大切です。
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安いゲーミングモニターでは
満足に楽しめないことも価格の安いモニターは、高いモニターと比べるとリフレッシュレートや応答速度、画質などのスペックが下がります。かといって安いモニターではゲームを楽しめないかというと、決してそんなことはありません。
家庭用ゲームや趣味程度でゲームを楽しむのであれば十分なケースも多いでしょう。本格的にゲームをプレイするならやや物足りないと感じる部分もあるかもしれんませんが、最初は安いモニターから始めて、満足できない場合は後から買い替えるというのも一つの手段です。
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中古品は安くても
コスパが良いとはいえないゲーミングモニターも他の家電と同じく、中古商品が安く売られていることがあります。しかし、ゲーミングモニターに関しては中古商品の購入はデメリットが多く、避けた方がよいでしょう。
モニターには耐用年数があるのですが、前の使用者がどれだけの期間使用していたかわかりません。そのため、いつ故障するかわからないというリスクがあります。また、経年劣化によるドット抜けの可能性も見落とせません。予め電源の入った状態で確認できるのであればドット抜けの有無は見抜けるかもしれませんが、購入後いつ不具合が生じるかわからないのは不安ですよね。さらに、中古商品だと保証もないため、たとえ安く購入できたとしても、すぐに修理や買い換えが必要となる可能性もあるのです。これらのことから、ゲーミングPCは、新品をメーカーから直接購入することをおすすめします。
ゲーミングモニターを選ぶときのポイント
ゲーミングモニターは、さまざまなメーカーからたくさんの種類が発売されているため、どれが良いのかわからずに困っている人も多いのではないでしょうか。ここでは、自分に最適なモニターを探すためにスペックの確認方法や、どのような観点で選べばよいかについて解説します。
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画面サイズは24~27型がおすすめ
ゲーミングモニターのサイズに迷ったら、24~27型を基準に選ぶことをおすすめします。これ以下だと小さすぎて画面の視認性が悪くなります。反対に、大きすぎるモニターは迫力があるものの、表示される情報が多すぎて画面の隅々まで見続けるのは疲れてしまいます。
家庭用ゲームなどのように複数人で同時にプレイするのであれば大画面でも問題ありませんが、基本的に1人でオンラインゲームをプレイするのであれば、24~27型のものを選ぶとよいでしょう。画面全体を視認しやすいのは24インチであるといわれており、eスポーツの公式大会でも24インチの画面が使用されています。
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解像度はフルHDがおすすめ
解像度とは、モニターが表示できるドットの数を示すものです。数値が高いほど精細な映像を映し出すことができますが、高解像度になるほどモニターの価格は上がり、映像処理のために求められるパソコンのスペックも高くなります。
解像度は主にフルHD、WQHD、4Kの3種類があり、数あるゲーミングモニターの中でも最も主流なのが解像度1,920×1,080(約207万画素)のフルHDです。24~27型サイズのモニターであればフルHDで十分美しい映像を楽しめますし、速度も速い上に価格もリーズナブルなのでおすすめです。多くのプロゲーマーたちもフルHDのモニターでプレイしています。
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リフレッシュレート
リフレッシュレートとは、1秒間に画面が切り替わる回数を表したもので、「144Hz」などと表記されます。数値が大きいほど画面の更新回数が多いことを意味し、よりなめらかな動きを表現することができます。プレイしたいゲームによって求められるリフレッシュレートも異なるため、どの程度のスペックが必要なのか具体的に見ていきましょう。
● 初心者でも144Hz以上がおすすめ
リフレッシュレートが「144Hz」と記載されているモニターであれば、1秒間に144回の書き換えが行われることを意味します。フルHDのゲーミングモニターにおいてはリフレッシュレート144Hzのモデルが主流となっており、ラインアップも豊富です。FPSなど素早い反応を求められるゲームをプレイするのであれば、最低でも144Hz以上のモニターを選びましょう。
● PS5だけなら120Hzでも十分
PS5のような家庭用ゲームしかプレイしないのであれば、もう少しグレードの低いリフレッシュレート120Hz程度のモニターでも十分です。PS5は120Hzの描画に、SwitchやPS4は60Hzの描画に対応しているので、一般的なオンラインゲームほどのスペックは必要ありません。ただし、今後他のゲームをプレイする可能性もありそうなら、最初から主流な144Hzのモデルを選んでおけばその後も長く使うことができるでしょう。
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応答速度は0.5msを目安に
ゲーミングモニターの応答速度は「ms(ミリセカンド)」の単位で表され、画面の色の切り替えに要する時間のことを示しています。たとえば「1ms」であれば、色の切り替えに1ms(0.001秒)かかるという意味で、数値が小さいほど応答速度が速く高性能です。FPSなどアクション要素の強いゲームにおいては、モニターの応答速度が有利不利に直接影響することもあります。可能であれば0.5ms、特にこだわりのない場合でも1ms以下のモデルを選ぶのをおすすめします。
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パネルは主に3種類
主なパネルの種類はIPS、VA、TNの3種類があり、それぞれ特徴が異なります。個人の好みやプレイしたいゲームのジャンルに合わせて、最適なパネルを選びましょう。
パネルの種類 メリット デメリット IPS ・色の再現度に優れ、画質がきれい
・視野角が優れている・価格が高い
・応答速度が遅めVA ・TNよりは視野角が広い
・コントラストがはっきりしており、黒色の表示に優れている・色の再現性がやや悪い
・応答速度がやや遅め
・IPSより視野角が狭いTN ・安価
・応答速度が速い
・普及率が高く、ラインアップが豊富・視野角が狭く、見る角度によって色変化が大きい
・色の再現性が良くない -
その他の機能
モニターによっては入力端子の種類や数が違ったり、内蔵スピーカーが搭載されていたりするなど、その製品ならではの特長を持つものがあります。ブルーライトカットやフリッカー(ちらつき)フリーの機能が付いているモデルであれば、目の疲れを軽減することができます。また、モニターの高さや角度を調節できるチルト機能があるモデルなら、プレイ中に体勢を変えても見やすい位置や角度に調整することができます。オンラインゲームをプレイしていると、あっという間に数時間が経過しているといったこともよくあります。プレイしやすい環境を整えるのに役立つ機能が付いていれば、身体への負担を抑えることができるでしょう。
おすすめのゲーミングモニター5選
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おすすめ①
Lenovo G27-30 (27型ゲーミング/1920×1080/VA)
1つ目は「Lenovo G27-30 (27型ゲーミング/1920×1080/VA)」です。
光沢なしのVAパネルを採用した27インチのワイドディスプレイ。解像度は「1920x1080」で、応答速度は最大1ms(MPRT)、リフレッシュレートは165Hzと高速表示が可能。本格的なスペックを備えたゲーミングモニターです。
IPSパネルやTNパネルと比べると、斜めから画面を見たときにやや色変化が気になるかもしれません。ただ、正面から見る分には問題なく、むしろコントラストがはっきりした美しい映像を楽しむことができるでしょう。
また、本製品にはスピーカーが内蔵されているのも魅力の一つです。ゲーミングモニターにはスピーカーが内蔵されていない製品も多く、外付けスピーカーを使用することが一般的です。外付けと比べると音質は劣るかもしれませんが、音質にそこまでこだわりがないのであれば、別途スピーカーを用意する必要がないのは何かと便利です。
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おすすめ②
Lenovo G24-20 (23.8型ゲーミング/1920×1080/IPS)
2つ目は「Lenovo G24-20 (23.8型ゲーミング/1920×1080/IPS)」です。
IPSパネル搭載の23.8型ワイドディスプレイ。解像度は「1920x1080」のフルHDなので、映画や動画の視聴用としても美しい映像を楽しむことができます。リフレッシュレートは144Hz(最大165Hz)、応答速度は0.5ms(MPRT)と高速で、遅延やカクつきのない滑らかな映像でゲームをプレイすることができるでしょう。
スタンドには-5~22度まで垂直角度を調節できるチルト機能と、130mmの高さ調整機能が付いているため、プレイヤーの体勢に合わせて画面の向きを調整することができます。
税込み価格3万円台前半で、リフレッシュレートが144Hz、さらにIPSパネルを搭載したモデルはそこまで多くなく、ゲーム以外にも普段使いで綺麗な映像を楽しめることを考えると、コスパに優れた製品だといえるでしょう。
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おすすめ③
Lenovo G34w-30 (34型ゲーミング/3440×1440/VA)
4つ目は「Lenovo G34w-30 (34型ゲーミング/3440×1440/VA)」です。
こちらはこれまで紹介したものよりも大きい34インチのVAパネルを搭載した、ウルトラワイドと呼ばれる湾曲タイプのモニター。解像度は「3440x1440」です。
リフレッシュレートは165Hz(最大170Hz)、応答速度は0.5ms(MPRT)と高速なので、シューティングなど競技性の高いゲームにおいても十分な性能を発揮してくれるでしょう。
パネルは「湾曲率:1500R」で湾曲しており、上から見ると緩やかな曲線を描いていることがわかります。ワイドタイプのモニターでは画面の端から端までの距離が遠くなりますが、パネルが湾曲していることによって画面端の視認性が向上します。焦点を変えることなく、端のコンテンツまで違和感なく視認することができるので、ウルトラワイドであれば湾曲モニターがおすすめです。
まとめ
ゲーミングモニターは価格帯の幅が広く、スペックについても聞き慣れない用語がたくさん出てきます。初心者にとっては選ぶのが大変かもしれませんが、価格だけではなく画質や応答速度、リフレッシュレートなどのスペックをよく見比べて選ぶことが重要です。せっかく購入しても自分が遊びたいゲームで必要なスペックを満たしていなければ、結局また買い換えが必要になるということもあるかもしれません。コスパ重視でゲーミングモニターを選ぶのであれば、単に安いモニターを探すのではなく、まずは自分がプレイしたいゲームに必要なスペックを把握するところから始めることが大切です。