目 次
ノートパソコンとデスクトップパソコンの基本的な違い

パソコンを購入する時は、使用する目的をはっきりさせることが大切です。目的がはっきりしないと、どういったパソコンを選べば良いのかが分からなくなってしまうためです。コストパフォーマンスを重視するのか、高いスペックが必要なのか、見当もつきません。特にパソコン選びの根本となるデスクトップパソコンにするのか、ノートパソコンにするのかは、とても重要です。それぞれの違いを理解して、本当にデスクトップパソコンが向いているかどうかを確認しましょう。
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基本スペックと価格帯の比較
ノートパソコンとデスクトップパソコンの最大の違いは、持ち運びができるかどうかです。デスクトップパソコンは、設置したら移動が困難です。作業する場所が決まっていて、広い作業スペースがあるならデスクトップパソコンがおすすめです。ディスプレイのサイズが大きく、キーボードやマウスを使用する場所も自由に調整できるため、作業がしやすいのです。
ノートパソコンはディスプレイのサイズが小さく、キーボードの位置を動かすこともできないため、作業のしやすさではデスクトップパソコンに劣ります。しかし、持ち運びを前提としているため、作業場所を選びません。広いスペースを必要としないため、省スペースのパソコンとして使用する人も少なくありません。
デスクトップパソコンとノートパソコンを比較すると、次の表のようになります。
デスクトップパソコン ノートパソコン 持ち運び しにくい 可能 設置スペース 十分な広さが必要 小さくても可 拡張性 高い 低い 寿命 長い 短い 性能に対する価格 安価 高価 冷却性能 優れている 限定的 -
デスクトップパソコンがおすすめな人
以下の項目に該当する方は、デスクトップパソコンが向いています。
- 性能を重視する
- カスタマイズをしたい
- パソコンを持ち運ぶ予定がない
- 本格的にゲームや動画編集がしたい
とくに自宅専用としてパソコンを使うことが決まっていれば、デスクトップ一択と言えます。設置場所の確保に不安がある場合は、スリムタワー型やさらに小型のミニ型を選ぶのも手です。
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使用環境と設置スペースの違い
使用環境と設置スペースを比較すると、デスクトップパソコンは固定された作業環境に適しており、本体・モニター・キーボード・マウスを置くための十分なデスクスペースが必要です。また、放熱性を考慮した設置も求められます。一方、ノートパソコンは省スペースで設置場所を選ばず、リビングやカフェなどさまざまな環境で使用可能です。特に、狭い部屋やワンルームではノートパソコンの利便性が際立ち、作業環境の自由度の高さが大きなメリットとなるでしょう。
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初期費用の比較
デスクトップパソコンとノートパソコンの初期費用を比較すると、同じ性能ならデスクトップの方が本体価格は安価です。しかし、モニターやキーボード、マウスなどの周辺機器を別途購入する必要があり、実質的な総額は予算に大きく影響します。特に高性能なモニターを選ぶと費用がさらにかさみます。一方、ノートパソコンは必要な機能が全て本体に搭載されており、追加購入の必要が少ないため、初期費用を明確に把握しやすい点がメリットです。
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維持・運用コストの違い
以下の項目に該当する人は、デスクトップパソコンが向いています。
- 性能を重視する
- カスタマイズをしたい
- パソコンを持ち運ぶ予定がない
- 本格的にゲームや動画編集がしたい
特に自宅専用としてパソコンを使うことが決まっていれば、デスクトップ一択と言えます。設置場所の確保に不安がある場合は、スリムタワー型やさらに小型のミニ型を選ぶのも手です。
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ノートパソコンがおすすめな人
以下の項目に該当する人は、ノートパソコンが向いています。
- 消費電力を抑えたい
- 設置スペースを抑えたい
- パソコンを移動しながら使いたい
- ディスプレイを別途用意したくない
職場や学校にパソコンを持ち運ぶなら、ノートパソコンが必要になります。自宅内でも部屋を移動しながら使えるため、携帯性を重視する人にノートパソコンは最適です。
ノートパソコンの特徴と選び方

ノートパソコンとはディスプレイとキーボードが一体になったパソコンで、持ち運んで使用することを前提に設計されています。ディスプレイとキーボードが一体になっているので、ノートパソコンがあれば基本的にどこにいてもパソコンを使うことが可能です。モバイル通信やWi-Fiと接続できれば、インターネットも利用できます。 ノートパソコンは基本的に持ち運びやすくなるよう、軽量かつサイズが小さくなっています。その他にも、バッテリーの持続時間を長くしたり、内蔵する機器の発する熱を効率よく冷却したりできるよう、ノートパソコン向けのパーツが使用されています。
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ノートパソコンのメリット
持ち運びができるので、どこでも作業を行えるのがノートパソコン最大のメリットです。場所を選ばないため、専用の作業スペースが用意されていない、外出先で書類の修正対応をするなど、デスクトップパソコンでは対応できない状況でもノートパソコンなら作業を行えます。
また、あまり広い作業スペースを必要としないため、パソコンを設置する場所がない家でもパソコンを所有できるのもノートパソコンのメリットといえるでしょう。リビングや自分の部屋、外出してカフェなど自分の気に入った場所が作業スペースになります。
デスクトップパソコンのような存在感、圧迫感がなく、ノートパソコンを開いたらすぐに作業を再開できる気軽さも魅力です。
● 携帯性と省スペース
ノートパソコンの大きな魅力は、携帯性と省スペース性に優れている点です。重量は1~2.5kg程度と軽く、カバンに入れて持ち運べるため、場所を選ばず作業が可能です。バッテリーを搭載しているため、コンセントがない場所でも使用でき、Wi-Fiやモバイル通信を活用すれば外出先でもインターネットに接続できます。また、デスクトップパソコンと異なり、設置面積は本体のみで済むため、狭い机やリビングのソファなど限られたスペースでも快適に作業できるのが大きなメリットです。
● 一体型設計なので必要な周辺機器が少ない
ノートパソコンは一体型設計のため、本体を購入すればすぐに使用できるのが大きなメリットです。ディスプレイ、キーボード、タッチパッド(マウス機能)、スピーカー、Webカメラなどが標準搭載されており、追加の周辺機器をそろえる必要がほとんどありません。また、これらの機器は本体に内蔵されているため、デスクトップパソコンのように複雑な配線作業も不要です。必要に応じてマウスやヘッドセットを追加するだけで、シンプルかつ快適な作業環境を構築できます。
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ノートパソコンのデメリット
ノートパソコンはディスプレイとキーボードが一体になっているため、あとから変更ができません。購入した時の状態のまま使い続けることになります。もっと大きなディスプレイ、解像度の高いディスプレイを使うには、ノートパソコンを買い替えることになります。
また、キーボードのサイズが小さいのも、ノートパソコンのデメリットといえるでしょう。人によっては、限られたスペースに詰め込んだノートパソコンのキーボードは使いにくいかもしれません。
また、持ち運びを重視した軽量なノートパソコンは、一般的なモデルと比べて価格が高くなる傾向にあります。頻繁に持ち運ぶ必要がある場合は、この点も考慮に入れて検討しましょう。
● 性能と拡張性が制限される
ノートパソコンは小型・軽量化の設計上、性能と拡張性に制限があります。CPUやGPUは発熱対策が求められるため、デスクトップ向けの高性能モデルは搭載できず、処理能力が劣る場合があります。メモリーやストレージの増設も専用スロットの数に制限があり、将来的なアップグレードが難しいことが一般的です。また、グラフィックボードの換装や電源ユニットの交換は構造上ほぼ不可能なため、購入時のスペックがそのまま長期間使用されることになります。
● バッテリー寿命を考慮する必要がある
ノートパソコンのバッテリーは使用と共に劣化し、一般的に500~1000回の充放電サイクルで容量が購入時の50~70%まで低下すると言われています。使用頻度にもよりますが、約2~3年で駆動時間が大幅に短くなり、外出先での作業に影響を及ぼす可能性も出てくるかもしれません。バッテリー交換は可能ですが、数万円の費用がかかるケースも多く、一部機種では本体の分解が必要となります。そのため、メーカーや専門業者での修理対応となる場合が一般的です。
ノートパソコンの4つのタイプ

ノートパソコンは大まかに4つのタイプに分けられます。ノートパソコンの購入を検討する時の、材料のひとつとしてお考え下さい。厳密な分類方法はないため、中にはどちらにも当てはまるノートパソコンもあることに注意しましょう。
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スタンダードノート
ノートパソコンとしての基本を抑えているものをいいます。厳密な決まりはないのですが、A4判程度のサイズのものを指していうことが多いです。ディスプレイは14~15型程度のものが一般的です。頻繁に外出先へ持って行くには重いかもしれませんが、屋内を移動するために持ち運ぶのであれば問題ありません。
コストパフォーマンスの高いものから、高性能なハイエンドモデルまで幅広くそろっているのもスタンダードノートの特徴です。強いこだわりがなく、ノートパソコンの購入を決めているのであれば、スタンダードノートの中から探すのがおすすめです。
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モバイルノート
軽量で小型のノートパソコンのことをいいます。モバイル性を重視しているため、軽量なのはもちろんサイズも小さいのが一般的です。スタンダードノートとは違い、毎日のように持ち運ぶ必要のある人向けのノートパソコンです。ディスプレイは12~13型が多いですが、もっとサイズの小さなものもあります。重量も1kgを切るものも少なくありません。
小さく、軽くするための特殊な設計のため、モバイルノートは基本的に価格が高いものが多いです。また、サイズが小さいため、スタンダードノートよりもやや使いにくいことがあります。
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2-IN-1
2-IN-1はタブレットとノートパソコンの中間に位置するパソコンです。タブレットのようにタッチパネルでの操作ができる上に、専用の付属キーボードから文字入力が可能になっています。キーボードを取り外して、タブレットとしても使えます。タッチパネルを使った操作と軽量さが2-IN-1のメリットです。
他のノートパソコンと比べると、本格的な作業にはあまり向かない傾向があります。書類の確認、修正、コミュニケーションなどが主な使用目的になるでしょう。メインのパソコンを別に用意して、2-IN-1をセカンドマシンとして使う方法がおすすめです。
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ゲーミングノートPC
最新のゲームを楽しめるように、高いスペックを備えているノートパソコンがゲーミングノートPCです。最新のゲームでは映像処理に高い負荷がかかります。そのため、高性能のGPUが必要になるのです。ゲーミングノートPCは、高性能なGPUを搭載しているため、最新のゲームを楽しむことが可能です。
ゲーミングノートPCといっても、ゲーム専用機ではなく、高性能なノートパソコンとして使用できます。動画の編集のような、映像処理に高い負荷がかかる用途にもおすすめです。ただし、高性能を優先しているため、決して軽量ではありません。
ノートパソコン選びの重要ポイント

ノートパソコンを選ぶ時は、さまざまな比較ポイントがあります。比較ポイントを一つひとつ検討してくことで、自身に合うノートパソコンが見つかります。ノートパソコンを購入する時に、どういったポイントに注目すると良いのかを解説します。
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ディスプレイのサイズ
ディスプレイのサイズは、ノートパソコンのサイズとほぼ同じです。ディスプレイよりひと回り大きいサイズが、ノートパソコンのサイズになります。つまり、ディスプレイのサイズを決めることで、ノートパソコンのサイズも同時に決まるのです。
ディスプレイのサイズは見やすさに大きく影響します。大きければ文字が大きくて見やすくなり、その逆だと見にくくなります。作業のしやすさを優先するのであれば、大きなディスプレイがおすすめです。持ち運びのしやすさを優先するようなケースであれば、サイズの小さなディスプレイでも良いでしょう。
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重量
頻繁にノートパソコンを持ち運ぶ人であれば、重量もよく検討しましょう。屋内で持ち運ぶだけであれば、あまり気にする必要はありません。ノートパソコンとしては重い2kgであったとしても、短い距離の持ち運びであれば気にならないでしょう。
ほぼ毎日のように持ち運ぶのであれば、最低でも1.5kg以下のノートパソコンを選びましょう。できれば1kgを切るくらい軽量なノートパソコンがおすすめです。
ただし、軽量ということは、ディスプレイのサイズが小さくなることでもあります。軽さを優先すると、パソコンとしてはやや使いにくくなるおそれがあることに注意して下さい。
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CPU・メモリ・ストレージ
ノートパソコンの性能にかかわる、CPUやメモリー、ストレージもよく確認しましょう。特にCPUはパソコンの基本的な性能を決めるパーツで、価格も左右するので、よく検討が必要です。
CPUはデータの処理を行うパーツで、性能の高いCPUを搭載していれば、性能の高いパソコンといえます。IntelのCPUはCore i3~i9のラインナップがあり、用途に合わせて選びます。一般的な作業ならCore i5、より高度な処理にはCore i7以上がおすすめです。
メモリーはデータを一時的に保管するスペースで、不足するとデータをストレージへ移すため、処理に時間がかかるようになります。8GBが一般的な容量ですが、予算に余裕があれば16GBがおすすめです。
ストレージはデータを記録するパーツで、Windowsやソフトのインストール先、画像や動画の保存先になります。いまの主流はアクセス速度の速いSSDなので、容量よりもSSDを選ぶことを最優先にして下さい。
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駆動時間
駆動時間が長ければ長いほど、バッテリー切れを心配することなく、安心して外出先へノートパソコンを持って行けます。ノートパソコンの駆動時間は、バッテリーの容量によって決まります。長時間駆動できるバッテリーの中には、12時間を超えるものも少なくありません。半日以上もバッテリーが持つのであれば、外出先でバッテリーが切れることはほとんどないでしょう。
注意点としては長時間駆動のできるバッテリーは、重量がやや重くなることです。また、ほとんど持ち運ぶ予定のない人であれば、あまり気にする必要はありません。
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デザイン性
性能にはまったく関係ありませんが、ノートパソコンのデザインにも注目しましょう。カフェなど人に見られる場所で使う時は、デザイン性に優れたノートパソコンがおすすめです。ノートパソコンは人に見られていることも多いので、おしゃれな服を選ぶように、おしゃれなデザインのものを選びたいものです。
何より作業を行う時の気分が違います。ビジネス向けの無機質なデザインより、スタイリッシュなデザインの方がよりやる気が出ます。また、カラーバリエーションの豊富なノートパソコンもおすすめです。他の人と被らないので、より自分の個性を演出できます。
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キーボードとマウスの使用感
デスクトップパソコンのメリットの一つは、キーボードとマウスを自由に選べることです。キーボードは、打鍵感やキーピッチ(キーの間隔)、テンキーの有無など、好みに応じた選択が可能。メカニカルキーボードや静音設計のものなど、多様な選択肢があります。マウスも、光学式やエルゴノミクスデザイン、高精度なゲーミング仕様など、用途に応じた最適なモデルを選ぶことができます。さらに、無線式を選べば配線が不要でデスク周りがすっきりし、快適な作業環境を構築できるでしょう。
デスクトップパソコンとは?

デスクトップパソコンとは、本体とディスプレイが独立しているパソコンのことです。本体はデスクの上や床に設置し、ディスプレイはケーブルで接続します。基本的にバッテリーが内蔵されていないため、電源を入れるにはコンセントが必須です。 筐体サイズが大きいため溜まった熱を放出しやすく、長時間稼働しても比較的動作が安定します。そのため、同じ価格帯のノートパソコンと比べると、デスクトップパソコンの方がスペックは高くなる傾向です。 必要であればメモリーなどを増やせる拡張性の高さから、初心者から上級者まで幅広く選ばれています。パソコンを持ち運ぶ必要がない、スペースに余裕があるといったユーザーに最適です。
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デスクトップパソコンのメリット
デスクトップパソコンを選ぶメリットは、作業のしやすさです。ほとんど持ち歩かないノートパソコンであれば、ディスプレイやキーボードのサイズが小さいことはデメリットです。作業スペースの問題もあるでしょうが、より作業のしやすいデスクトップパソコンを使うことをおすすめします。
ディスプレイを自身に必要な環境に合わせて変えられるのも、大きなメリットです。4Kの高解像度ディスプレイや、27型以上の大型ディスプレイも自由に選べます。2台以上のディスプレイを組み合わせたマルチディスプレイ環境も可能です。さらに、作業内容に応じて使いやすいキーボードやマウスを選べることも、作業効率を高める要因となります。
● 拡張性が高く高性能
デスクトップパソコンは、内部スペースが広く、高い拡張性を持つ点が大きな特徴です。メモリーの増設やストレージの追加、グラフィックボードの換装など、用途に応じてパーツを柔軟にアップグレードすることができます。特に、高性能なCPUやGPUを搭載しやすく、冷却性能にも優れているため、長時間の動画編集や最新ゲームのプレイにも好適。さらに、RAID構成によるデータ管理や、複数のモニターを接続するなど、個々のニーズに合わせたカスタマイズが可能です。
● パーツ交換とカスタマイズ性が高い
デスクトップパソコンの大きな魅力は、用途や好みに応じて自由にパーツを交換・カスタマイズできる点です。規格が統一されているため、メーカーを問わずCPU、メモリー、ストレージ、グラフィックボードなどの交換が可能。例えば、処理速度を向上させるために高性能なCPUへアップグレードしたり、ゲームや映像編集向けに最新のグラフィックボードを追加したりできます。必要に応じて段階的に性能を向上させられるため、長期間にわたって快適に使用できるでしょう。
● 冷却効率が良く長期利用が可能
デスクトップパソコンは、大型の筐体を生かして高効率な冷却システムを搭載できるため、長時間の使用でも安定した動作を維持できます。内部には複数の冷却ファンやヒートシンクを設置でき、水冷クーラーの導入も可能。これにより、高性能なCPUやGPUの発熱を効果的に抑え、パーツの劣化を防ぐことができるでしょう。また、エアフローの調整がしやすく、ホコリ対策も講じやすいため、長期的な運用に適しています。適切なメンテナンスを行えば、より長く快適に使用できるのもメリットです。
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デスクトップパソコンのデメリット
デスクトップパソコンのデメリットは、移動が難しいこと、広い作業スペースが必要になることです。ノートパソコンであれば簡単に解決できることが、デスクトップパソコンでは困難なのです。
また、バッテリーを搭載していないことも、デスクトップパソコンのデメリットです。急な停電が発生した時、ノートパソコンであれば内蔵のバッテリーがあるため、電源が切れることはありません。しかし、デスクトップパソコンの場合は、電源が切れて保存したところまでしかデータが残りません。パソコンそのものがダメージを受けるおそれもあります。急な停電の時に備えて、無停電電源装置(UPS)などを用意しましょう。
気軽に使えないのも、デスクトップパソコンのデメリットです。ちょっとした作業をしたいという時に、わざわざデスクトップパソコンの前へ移動するのは面倒です。
● 設置場所による制限がある
デスクトップパソコンの設置には、十分なスペースと環境の確保が必要です。本体のサイズによってはデスクの上や足元に置くスペースが限られ、モニターや周辺機器の配置にも配慮が求められます。また、電源やLANケーブル、ディスプレイケーブルの長さにも制約があり、配線の取り回しを工夫する必要もあるでしょう。さらに、排熱を考慮し、通気性の良い場所に設置しなければなりません。これらの条件を満たす場所を確保できるかがデスクトップパソコン導入の鍵となります。
● 初期コストへの考慮が必要
デスクトップパソコンを導入する際は、本体価格に加えて周辺機器の購入費用も考慮する必要があります。特に、モニター、キーボード、マウス、スピーカーなどを個別にそろえると、合計で数万円の追加コストが発生することもあります。また、電源の安定供給を目的としたUPS(無停電電源装置)や、配線整理のためのアクセサリー類が必要になることも。さらに、将来的なパーツ交換や増設を視野に入れると、長期的なコストも考慮する必要があるでしょう。
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活用シーンと用途別の選び方
デスクトップパソコンは、用途に応じて適切なスペックを選ぶことが重要です。動画編集やゲーミングには高性能なGPUやCPUが必要となり、ビジネス用途では安定性や拡張性が重視されます。目的に合った構成を選ぶことで、快適な作業環境を実現できるでしょう。
● クリエイター向け構成
クリエイター向けのデスクトップパソコンは、高い処理能力と安定性が求められます。CPUはマルチスレッド性能に優れた12コア以上のモデルが理想で、メモリーは最低32GB、快適な作業には64GB以上が推奨されます。映像編集や3DCG制作では、高性能なプロ向けグラフィックボードが必須。ストレージは、高速なNVMe SSDと大容量HDDを組み合わせると効率的です。また、色精度の高い4Kモニターや、作業スペースを広げるマルチディスプレイ環境も重要な要素となります。
● ゲーミング用途の構成
ゲーミング用デスクトップパソコンでは、グラフィック性能が最優先されます。最新のGeForce RTXシリーズやRadeon RXシリーズの高性能GPUを搭載し、ゲームのロード時間を短縮するためにNVMe SSDを採用するのが基本です。CPUは第14世代以降のCore i7以上、またはRyzen 7以上が推奨され、メモリーは16GB以上、最新ゲームでは32GBも視野に入れましょう。さらに、144Hz以上の高リフレッシュレート対応モニターや、応答速度の速いメカニカルキーボード、高精度ゲーミングマウスなど、周辺機器の選定も重要です。
● ビジネス・作業用途の構成
ビジネス用途のデスクトップパソコンは、安定性と作業効率の向上が求められます。CPUはCore i5やRyzen 5以上、メモリーは16GB程度の構成で、オフィス業務やWeb会議、軽度のデータ処理にも十分対応できるでしょう。ストレージは、OSとアプリ用に256GB以上のSSDを採用し、データ保存用にHDDを追加すると利便性が向上します。また、24インチ以上のブルーライトカット機能付きモニターを選ぶことで、長時間の作業でも目への負担を軽減できます。
デスクトップパソコンの4つのタイプ

デスクトップパソコンの種類は、昔から存在する大型なモデルから小型化したモデルまでさまざまです。大きく 4 つのタイプに分けられるため、それぞれの特徴を見ていきましょう。
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タワー型
4 つのタイプの中で本体サイズが最も大きいタイプです。パソコン内部にスペースがあるため、放熱性に優れている点がメリット。ある程度パソコンに使い慣れると、メモリの増設やグラフィックボードの交換といったカスタマイズもしやすいです。
ただしサイズが大きいので、本体の設置場所をあらかじめ決めておく必要があります。デスク上に設置スペースがない場合は、足元の床に設置しても良いでしょう。
メリット デメリット ・冷却性能が高い
・拡張性が高い・設置スペースを取る -
スリムタワー型
ミニタワー型とも呼ばれるタイプで、コンパクトなサイズ感が特徴です。設置場所が限定されず、デスクの上にも気軽に置くことができます。
パソコン内部のスペースがやや狭く拡張性が劣るため、カスタマイズする予定がない方におすすめです。スリム型用にパーツを小型化したため、タワー型より若干高価な点はネックといえます。
メリット デメリット ・省スペース
・コンパクトでスタイリッシュ・拡張性が低い
・タワー型より冷却性能が低い -
ミニ型
スリムタワー型をさらにコンパクトにしたタイプで、本体容量わずか 0.5 リットルほどの超ミニ型も存在します。省スペースはもちろんのこと、軽量なため設置場所の移動がしやすいこともメリットです。
拡張性やスペックで劣る傾向がありますが、近年ではパーツの進化により高性能なモデルも登場しています。パソコン環境をスッキリした見た目にしたい方におすすめです。
メリット デメリット ・超省スペース
・移動が楽にできる・拡張性がほぼない
・ラインアップが少ない -
一体型 (オールインワン)
パソコン本体と液晶ディスプレイが一緒になったタイプです。ディスプレイの背面やモニターの土台部分に本体を搭載しているため、ディスプレイを置けるデスクさえあれば設置が完了します。
ディスプレイを別に用意する必要がなく、キーボードやマウスがセットになっている点もメリットです。ただ、一体型という特性から拡張性がほとんどなく、ディスプレイの交換も難しくなります。
メリット デメリット ・本体の設置スペースが必要ない
・モニターを購入する必要がない
・接続ケーブルが少なく見た目がスッキリ・拡張性がほぼない
・スペックは控えめ
デスクトップパソコンの選び方

デスクトップパソコンを購入する際は、スペックである CPU、メモリ、ストレージ、グラフィックボードなどの選択が重要です。こちらではそれぞれの性能と用途を紹介するので、使用目的を踏まえた上で必要なものを選びましょう。
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CPU
パソコンの頭脳である CPU のブランドは、現在 Intel® 社の「Core」シリーズと、AMD 社の「Ryzen」シリーズが主流です。性能が細分化されているため、用途に合わせて適切な CPU を選びましょう。
性能クラス モデル名 用途 超ハイエンドクラスインテル Intel® Core™ i9 AMD Ryzen™ 9 高解像度で動画編集や動画配信が可能。最も高性能。 ハイエンドモデル Intel® Core™ i7 AMD Ryzen™ 7 長時間高画質の動画編集が可能。快適にオンラインゲームができる性能。 スタンダードモデル Intel® Core™ i5 AMD Ryzen™ 5 簡易な動画編集が可能。ビジネスシーンでも使える性能。 エントリーモデル Intel® Core™ i3 AMD Ryzen™ 3 Web 閲覧、動画視聴が可能。コスパがよく普段使いには十分な性能。 -
GPU
GPU とは、画像や 3D グラフィックスを処理してディスプレイに描写するためのパーツです。この GPU には、CPU 内蔵型と専用グラフィックボードの 2 種類があります。パソコン本体が大きいデスクトップは専用グラフィックボードを搭載し、コンパクトなデスクトップは CPU 内蔵型が主流です。
例えば動画再生や簡単な動画編集、2D ゲームであれば内蔵 GPU で十分です。一方、本格的なゲーミングや動画編集には専用グラフィックボードが必須になります。
現在主流のグラフィックボードは、NVIDIA社のGeForce RTXシリーズと、AMD社のRadeon RXシリーズがあり、デスクトップパソコンを選ぶ際にはこれらを搭載しているかもチェックしましょう。
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メモリー
パソコンの作業領域とも言えるメモリーは、容量が大きいほど効率的な処理が可能になります。日常的な作業を快適にしたい人は、なるべく余裕を持ったメモリー容量を選びましょう。ただし、必要以上に容量があってもコスパが悪いため、パソコンの用途に合わせて選ぶことが肝心です。
メモリー 用途 4 GB Web 閲覧、軽い動画の視聴など 8 GB 動画視聴、ブラウザゲーム、Microsoft Officeソフト利用などビジネスにも可能 16 GB 高画質 3D、FPS ゲーム、一般的な動画編集、複数のソフトを起動が可能 32 GB 本格的な動画編集、3DCG制作など 64 GB 4K/8K動画編集、大規模なデータ処理など -
ストレージ
ストレージとは、パソコンのデータを長期間保存しておく補助記憶装置のことで、HDD と SSD の 2 種類があります。
メリット デメリット HDD 容量が大きく安価である 読み書きにやや時間がかかる、衝撃に弱い SSD 読み書きが高速で衝撃に強い 高価である、容量当たりの価格が高い なお、ストレージを複数搭載できるデスクトップパソコンもあります。OS の起動は高速な SSD を使い、普段の記憶装置として大容量の HDD を利用するという手もあります。
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拡張性とパーツ交換
デスクトップパソコンの大きなメリットは、パーツの拡張性と交換のしやすさにあります。マザーボードには複数のPCIeスロットやメモリースロット、M.2スロットなどが備わっており、グラフィックボードの増設やメモリーの追加が可能です。さらに、複数のストレージベイを活用し、SSDやHDDの増設による容量拡張も容易に行えます。
パーツ交換の際は、電源ユニットの供給能力にも注意が必要です。高性能なGPUや多数のストレージを搭載する場合は、余裕を持った電源を選ぶ必要があります。また、ケース内の冷却効果を考慮し、エアフローを妨げないようパーツを配置することも重要です。
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モニター選びのポイント
モニター選びでは、サイズ、解像度、パネルタイプの3つが重要な要素です。一般的なオフィスワークには24~27インチ、フルHDまたはWQHD解像度が適しています。クリエイティブ作業を行う場合、27インチ以上の4K解像度、色再現性の高いIPS方式のパネルがおすすめです。
デュアルディスプレイを使用する場合は、同じサイズ・解像度のモニターを選ぶと違和感なく作業ができます。ゲーミング用途なら、ブルーライトカット機能や、長時間の作業をサポートする高さ調整機能、USBハブなどの便利な機能などに加え、応答速度や高リフレッシュレートにも注目しましょう。
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デザインと設置環境の調和
デスクトップは本体をどこかに設置する必要があるため、部屋のインテリアに合うか気になる人もいるのではないでしょうか。パソコンだけが浮いたような印象にならないよう、デザイン性もチェックしておきましょう。
レノボのデスクトップパソコンは派手過ぎないスタイリッシュなデザインが特徴的で、どんな部屋にもさりげなくマッチします。ゲーミングモデルでは LED ライティング機能が付いた製品も多く、部屋に置いてもカッコいいのが魅力です。
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保証とサポート
パソコンのパーツは劣化により故障する可能性があるため、しっかりとした保障やサポートがあるかどうかは重要なポイントです。特に初心者では自ら修理交換することは難しいことから、メーカー保証やサポートが充実したメーカー直販で購入することをおすすめします。
また、できれば延長保証にも加入しておきたいところです。レノボでは災害以外の一般的な使用による故障は 3 年間まで保証期間を延ばすことができます。
長期運用するためのメンテナンス方法

デスクトップパソコンを長く快適に使用するには、適切なメンテナンスが欠かせません。定期的な内部清掃やドライバーの更新、不要なファイルの削除などの基本的なケアに加え、パーツの状態監視や性能チェックを行うことで、安定した動作環境を維持できます。
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日常的なメンテナンス方法
デスクトップパソコンの日常的なメンテナンスとして、まずソフトウエア面での管理が重要です。ディスクの空き容量の確認と不要ファイルの削除、Windowsの「ディスククリーンアップ」機能による一時ファイルの整理を定期的に行いましょう。また、ウイルス対策ソフトのアップデートやWindowsアップデートの確認も欠かせません。ハードウエア面では、本体の周囲の通気を確保し、適切な冷却環境を維持することが大切です。
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パーツの定期的な清掃方法
デスクトップパソコンの内部清掃は、3~6ヶ月に1回の頻度で行うのが理想です。まず、電源を完全にオフにし、側面パネルを開けて内部のホコリを除去します。エアダスターを使用する際は、ファンが回転しないよう手で軽く押さえることが重要です。特にCPUクーラーやグラフィックボード周辺は熱がこもりやすいため、重点的に清掃しましょう。また、ケースファンや通気口のフィルターもホコリが溜まりやすい部分なので、定期的に取り外して清掃し、適切なエアフローを維持することが大切です。
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性能が低下した時の対処法
パソコンの動作が遅くなった場合、まずタスクマネージャーを開き、CPUやメモリー、ディスクの使用率を確認しましょう。使用率が常に高い場合は、不要なバックグラウンドアプリやスタートアッププログラムを無効化することで負荷を軽減できます。また、ストレージの断片化が原因の場合、HDDなら最適化を実行すると効果的。それでも改善しない場合は、CPUの温度を確認し、冷却不足による熱暴走を疑いましょう。メモリーの増設やSSDへの換装も検討すると、より快適な動作が期待できます。
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アップグレード時期の見極め方
デスクトップパソコンのアップグレード時期は、使用目的と現在の性能のバランスを見て判断します。例えば、最新のソフトウエアやゲームが快適に動作しなくなったり、起動や処理速度の遅延、フリーズが増えたりした場合が検討のタイミングです。まずはメモリーの増設やSSDへの換装など、コストを抑えつつ効果の大きい部分から改善しましょう。CPUやマザーボードの交換は大がかりになるため、場合によってはパソコン全体の買い替えを検討しても良いかもしれません。
パソコン購入時の注意点

ノートパソコンやデスクトップパソコンを購入する時に注意すべき、共通するポイントを紹介します。見た目は異なりますが、どちらもパソコンであることに変わりはありません。そのため、共通する注意点があるのです。
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OSの選択とアップデート対応
現在販売されているパソコンの標準OSはWindows 11です。最新のセキュリティ機能や性能改善に加え、AIアシスタント機能の搭載など、新しい機能の追加も進んでいます。また、最新のCPUやマザーボードはWindows 11での動作に最適化されているため、新規購入の場合はWindows 11モデルを選ぶことをおすすめします。
ただし、業務用ソフトなど特定のアプリケーションの互換性を確認する必要がある場合は、購入前に使用するソフトウエアの対応状況を確認しておくことが重要です。
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セキュリティ対策の重要性
パソコンを家族と共有している場合は、セキュリティ対策を万全にしましょう。Windows のアカウントを分けるのはもちろん、外部に持ち出されたり、破損したりすると困るデータは、ロックをかけた外付けのストレージに保存するなどの対策が必要です。
コンピューターウイルスの感染予防としてセキュリティソフトを導入するのはもちろんですが、感染した時の対策も重要です。特にパソコンを共有している時は、何が起こるか分からないと思って対策をしましょう。
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予算と将来の拡張性のバランス
デスクトップパソコンを購入する際は、予算と将来の拡張性を考慮したバランスの取れた構成を選ぶことが重要です。特にマザーボードは拡張スロットや対応パーツの種類を左右するため、将来的なアップグレードを見据えた選択が望まれます。また、電源ユニットは高性能なパーツの追加に備えて余裕を持った容量を確保しておくと安心です。
一方、メモリーやストレージは必要最小限の構成からスタートし、用途に応じて段階的に増設することで、初期コストを抑えることができます。CPUやGPUは頻繁に交換するパーツではないため、現在の用途と将来性を見極め、コストパフォーマンスの良いモデルを選ぶことが理想的です。
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パソコン選びで迷った人
のおすすめパソコンパソコンを選ぶ時はさまざまなポイントを比較し、よく検討することが大切です。しかし何台ものパソコンを比較し、選ぶのは大変な手間がかかります。多くの人が満足できるLenovoのおすすめパソコンを紹介しましょう。
IdeaCentre 570iは高い性能とスタイリッシュなデザインが特徴のデスクトップパソコンです。Wi-Fiに対応しているため、LANケーブルの届かない場所にも設置できるのがポイントです。あとはCPUの性能やメモリーの容量などを、予算に合わせて選ぶだけです。
スタイリッシュなデザイン、高い性能、軽量性、堅牢性と全てにわたって高水準のノートパソコンがYoga Slim 770i Carbon 13.3型です。1kgを切る軽さに加えて最長約15時間のバッテリーを備えているため、頻繁に持ち運ぶ人にぴったりの一台です。
まとめ
デスクトップパソコンは自宅や職場などでの据え置き利用に最適です。設置スペースは必要になりますが、本体サイズは用途に応じて選べるため、自分の環境に合ったものを選びましょう。 同じ価格帯のノートパソコンと比べてコストパフォーマンスが高く、パーツの拡張性もあるため、使用目的の変化にも対応できます。CPUやメモリー、ストレージなど、パーツの選択や交換が可能なため、自分好みの環境を構築できるのも大きな魅力です。 レノボでは、さまざまなデスクトップパソコンを販売中です。公式サイトは初心者にも分かりやすくカテゴライズされているため、ライフスタイルや使用目的に合った 1 台がきっと見つかるでしょう。