目 次
モニター選びに欠かせないリフレッシュレートとは?
モニターを購入する際、リフレッシュレートは無視できない要素です。もし高性能なパソコンを買ったとしても、モニターのリフレッシュレートが低いと滑らかな映像を見ることはできません。 ここでは、リフレッシュレートについて分かりやすく解説します。モニターを選ぶ際、重要なポイントになってくるので、ぜひご覧ください。
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リフレッシュレートは映像の滑らかさに直結する
モニターに映し出される映像の「滑らかさ」を表す指標を、リフレッシュレートといいます。垂直走査周波数とも呼ばれ、「1 秒間に何回画面を切り替えできるか」というモニターの性能のことです。たとえば、あるモニターのリフレッシュレートが 120 Hz なら、1 秒間に最大 120 回、画面を切り替えられる性能を有しています。
単位は Hz (ヘルツ) で表され、数値が大きいほど映像を滑らかに表現可能です。とくにアクション映画やスポーツ観戦、ビデオゲームで重要になってきます。これらは映し出される対象の動きが速くなるため、リフレッシュレートが低いモニターだとブレたような映像になる場合があります。
ちなみにリフレッシュレートは、一般的なモニターだと 60 Hz がほとんどです。ゲーム用途でよく使用されるゲーミングモニターでは、144 Hz や 240 Hz の性能を持つものもあります。
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フレームレートも映像の滑らかさに関わる
フレームレートもリフレッシュレートと同じく、映像の滑らかさを表しています。リフレッシュレートはモニター側の性能のことですが、フレームレートはモニターに映像を送る側の性能のことです。
たとえば、パソコン内部に搭載されている GPU (グラフィックカード) が「映像を送る側」にあたります。その性能もリフレッシュレートと同じように、「1 秒間にどれだけの画像を送れるか」を表しており、単位は fps です。
GPU の性能が 60 fps なら、1 秒間に 60 コマの画像をモニターに出力できます。こちらも数値が大きいほど性能が高く、滑らかな映像を表現するのに役立つでしょう。
リフレッシュレートやフレームレートが合わないとどうなるの?
モニターの性能であるリフレッシュレートと、GPU (画像を送信する側) の性能であるフレームレートが合わない場合、モニターを眺めている最中に不快な現象を引き起こします。 ここでは、モニターに起こる表示のトラブルを 2 つ紹介。そして、モニターの制御方式により起こる現象を 1 つ解説します。これらを把握することで、モニター選びの助けになるでしょう。
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ティアリングが起こる
ティアリングとは、映し出される映像が「左右にずれて表示される」現象のことです。リフレッシュレートとフレームレートが一致しないことにより現れます。
この症状の多くは、画像を送る側 (GPU) の送信スピードが速く、受け取る側 (モニター) の表示スピードが遅れているときに起きやすいといえます。たとえば、モニターのリフレッシュレートが 60 Hz に対して、GPU がそれよりも高い 120 fps の速さで画像を送信している場合などです。
モニターが画像を表示している間に次の画像が届くため、2 つの画像が同時に表示されてしまい、左右のズレ (ティアリング) が発生。この状態で長時間画面を見続けると、人によっては画面酔いなどの気持ち悪さを感じるかもしれません。
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スタッタリングが起こる
スタッタリングは、映像の表示がカクつくことを表す言葉です。この現象も GPU とモニターの同期が上手くいっていない場合に起こります。
たとえば GPU から画像が送られてくるタイミングが遅く、モニターが信号を待っている状態のときは同じ画像が表示されたままなので、画面が一瞬止まって見えます。これはオンラインゲームの場合、通信環境が悪いときに起こる現象と似ているため、判別できない場合もあるでしょう。
もしくはゲームに必要なスペックに対して、GPU の性能が足りていないことも考えられます。
このように画面のカクつきはさまざまな要因で引き起こされますが、その中でもスタッタリングに関しては、リフレッシュレートとフレームレートを合わせることが先決です。
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フリッカーが起こる
フリッカーとは、画面の「ちらつき」のことです。多くの場合、人が認識できないほど高速にちらついているため、自覚することは少ないでしょう。画面を暗くしたときに気付く程度です。
しかしちらつきは目の疲労に関わってくるので、長時間に渡って画面を見る方は、フリッカーのあるモニターを避けたほうがいいといえます。
フリッカーの起こる原理は、バックライトの制御方式にあります。PWM 制御方式の LED バックライトを採用したモニターの特徴であり、明るさを最大値から下げたときに発生。そのときバックライトの LED は高速で ON/OFF を繰り返すことで、輝度 (明るさ) を調整しています。それが目に見えない「ちらつき」となっているのです。
モニターのリフレッシュレート目安
ここでは、用途別にリフレッシュレートの目安について解説しています。一般的にはどのくらいあればいいのか、高いリフレッシュレートはどんな用途に向いているのかが分かるでしょう。十分な性能のモニターを選ぶための参考になります。
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一般用途なら 60Hz が目安
一般用途の場合、目安となるリフレッシュレートは 60 Hz です。ネットサーフィンや動きの小さめな動画の視聴、文書や表計算ソフトを使用したデスクワークなど、これらの用途においてほとんどストレスを感じないでしょう。
これ以上のリフレッシュレートだと、モニター自体が高価になってしまいます。また、60 Hz のモニターではコスパに優れたモデルも多いため、費用を抑えたい方には最適です。
ただ実際のところ、高いリフレッシュレートのモニターが続々と登場していることも事実です。多くの機能が付いていたり、多くの用途に対応していたりしますが、それでも現在の主流はやはり 60 Hz だといえます。一般的な用途には十分な性能といえるでしょう。
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ゲーミングモニターは 144Hz 以上が目安
もし、ゲーム用にモニターの購入を検討しているなら、リフレッシュレートの高いモデルがお勧めです。とくにアクションゲームや FPS のようなシューティングゲームでは、コンマ 1 秒が明暗を分けることもあるため、リフレッシュレートが鍵になってきます。
このような「ゲーミングモニター」の目安となるリフレッシュレートは 144 Hz です。これ以上の数値があると、多くの PC ゲームを快適にプレイできるでしょう。また、据え置きゲーム機 (PlayStation® など) の最大フレームレートも 120 Hz になってきたため、こちらも同様にリフレッシュレートの高いモニターをお勧めします。
注意点として押さえておきたいのはフレームレートについてです。いかにリフレッシュレートが高くても、GPU の性能 (フレームレート) が低いと滑らかな映像にはなりません。GPU の性能に合うモニターを選択することが大切です。
リフレッシュレートだけは NG!正しいモニターの選び方
モニターの性能はリフレッシュレートだけではありません。他にも用途別に選択したいさまざまなポイントがあります。これらを把握しておくことで、購入後に後悔するリスクを減らせるでしょう。 ここで紹介したい大事な観点は 6 つです。どれも最適なモニターを選ぶために重要なので、ぜひご覧ください。
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画面タイプを決める
モニターを選ぶときに、まず画面タイプ (モニターの縦横比) を決めることもひとつのポイントです。画面タイプは主に「スクエア」「ワイド」「ウルトラワイド」の 3 種類に分けることができます。
一般的には少し横長のワイドが主流で、ラインアップも豊富な点がメリットです。主に文書作成などで使用する方には、縦方向に余裕があるスクエアタイプをお勧めします。もしくは、スクエアとワイドを組み合わせてデュアルモニターにすることで、理想的な環境になるかもしれません。
また、いくつもウインドウを開きたい場合は、ウルトラワイドを選択するとよいでしょう。高価ではありますが、広いスペースを自由に使うことができます。
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パネルの種類を決める
パネルの種類の選択は、用途によってとても重要なポイントとなります。大きく分けて、IPS パネル・TN パネル・VA パネルの 3 つがあり、それぞれ特徴が大きく異なっているためです。
まずは IPS パネルについて紹介します。この方式には数人で画面を見る場合に有効な「視野角が広い」という特徴があり、また発色がよく目に優しいのでデスクワークに最適です。ただし、応答速度が遅いためゲーム用途には向きません。
対して TN パネルはゲーミングモニター向きだといえます。高い応答速度とリフレッシュレートがあり、激しい動きに強いからです。また安価なモデルにも採用されていることが多く、コスパを求める方にもお勧め。ただ視野角が狭いため、正面から画面を見ないとストレスを感じるでしょう。
VA パネルはバックライトの光をかなり遮断できるため、「黒」の表現に優れています。静止画の編集などクリエイティブな作業に向いているでしょう。
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グレアかノングレアかを選ぶ
モニター表面の光沢も、モニター選びで気にしたいポイントです。使う場所によっては、見にくくなる場合があるためです。
グレアは表面に光沢があるタイプで、コントラストが良いという特徴を持っています。美麗な画像を重視するような用途にお勧め。ただし光を反射するため、背後に窓やライトなどの光源があると、画面に映り込んでしまいます。
ノングレアは非光沢で目に優しく、映り込みが少ないというメリットがあります。ただしグレアに比べて発色が良くないので、美麗な画像を求めている方には物足りないと感じるでしょう。
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解像度を選ぶ
解像度は、画質の良し悪しに関わります。一般的に「4K」や「フル HD」などがあり、解像度が高いほどきれいな映像表現が可能です。
解像度は、画質の良し悪しに関わります。一般的に「4K」や「フル HD」などがあり、解像度が高いほどきれいな映像表現が可能です。
大きな画面を検討している方は、高解像度のモニターがお勧め。また、デザインや動画編集などクリエイティブな作業をする方には「4K」なども選択肢に入るでしょう。高画質の動画の視聴にも最適です。
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目に優しいモデルにする
目への負荷を減らしたい方には、フリッカー (ちらつき) のないモデルがお勧めです。「フリッカーフリー」と呼ばれる機能が搭載されたモデルでは、バックライトの明るさを電流により制御しています。この方式では PWM 方式のモニターと違い、ちらつきが発生しません。目に優しいモニターだといえます。
またモニターには、ブルーライトを極力カットした「ブルーライト軽減モデル」もあります。とくに寝る前まで作業する方にお勧め。パソコンの設定も上手く活用することで、目へのダメージを大幅に少なくできるでしょう。
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入力端子を確認する
モニターを購入する前に、端子のチェックをしましょう。端子が合わないと、変換アダプターを別途買う必要が出てくるためです。始めにモニターをつなげる機器 (パソコンなど) の出力端子を確認しつつ、モニターの入力端子が対応しているかをチェックしてください。
端子の種類は、映像と音声に対応した HDMI や DisplayPort、USB Type-C などがあり、この中で多くのモニターに対応しているのは HDMI です。また、主流ではないですが、映像信号のみ伝送できる DVI や D-Sub もあります。
そして、端子を接続できる数も確認しておきたいところ。モニターにいくつの機器をつなげるか、接続端子の数は十分かまで見ておくと間違いないでしょう。
モニターを買ったらパソコンのディスプレイ設定が必要
モニター購入後は、忘れずにディスプレイ設定を行いましょう。高いリフレッシュレートを持っていても、設定を変更しなければ反映されないためです。 多くの場合、デフォルトの状態だと 60 Hz となっています。もし 144 Hz のモニターを買ったのなら設定も同様の値にすることが必要です。設定の変更方法は、以下を参考にしてください。
1. デスクトップ画面の適当な場所を右クリックする
2. メニューから [ディスプレイ設定] を選択
3. 設定画面の右側に表示されている [ディスプレイの詳細設定] をクリック
4. ディスプレイの情報にある [ディスプレイ 1 のアダプターのプロパティを表示します] を選択
5. ウインドウが開いたら [モニター] タブに移動
6. モニター設定の中から最適な「画面のリフレッシュレート」を選択
7. 変更後 [OK] を押して設定完了 設定が完了したら、マウスカーソルの動きの滑らかさを見ることで、簡易的に確認できます。高いリフレッシュレートのモニターほど、強く体感できるでしょう。
まとめ
モニター選びでは、リフレッシュレートが重要なポイントになってきます。用途に合ったものを選ぶことが重要。とくにクリエイティブな作業や、ゲーム用途で購入する場合はリフレッシュレートの高いものがお勧めです。 また、リフレッシュレート以外のスペックも確認しましょう。用途に合わせて最適なものを選択すると、快適な作業環境が手に入ります。 レノボではパソコンだけでなくモニターの種類も豊富です。コスパの良い一般的なモデルから高性能なゲーミングモニターまで、多くの選択肢の中から選び取ることが可能。目に優しいフリッカーフリーや、ブルーライト軽減機能付きのモデルもあります。 オンラインストアでは Web 限定の専用モデルを用意しているため、モニターを探してる方はチェックしてみてください。
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