コスパ最強! 10万円以下で買える インテル第13世代Core Hのパワフル
14型 スリムモバイルノートPC <IdeaPad Slim 5i Gen 8 OLED>
メインPC、セカンドPCどちらでもおススメできる1台
2023/6/16
文 柴田尚 / 編集 ASCII
IdeaPad Slim 5i Gen 8は、14型液晶を搭載したモバイルノートだ。しかも価格は 10万円以下とお手頃価格なのも魅力!(キャンペーンや時期によって価格が変動するので製品ページでチェックしよう)。
ここまで読むと「ハイハイ、お手頃なそこそこモバイル機ね」と思うかもしれないが、それは甘い。
ベースモデルですらCPUはインテル第13世代プロセッサーであるCore i5-12450Hで、メモリーは16GB搭載している、かなりのパフォーマンスを備えたモデルなのだ。
しかもCPUはCore i5-12450HのほかにCore i7-1360P、Core i5-1340P、Core i5-13500Hから、ストレージはNVMe対応M.2 SSD 512GB/1TBから、ディスプレイはWUXGAのままノングレアのIPSと、グレアの有機ELから選択でき、自分に合った一台をカスタマイズできるのだ。
今回は、そのカスタマイズモデル<Lenovo IdeaPad Slim 5i Gen 8 - OLED>を紹介していこう。CPUはCore i5-13500H、ストレージは512GB SSD、ディスプレイは有機ELという構成。その他の主なスペックは、以下の通りとなっている。
テスト機の主なスペック | |
---|---|
機種名 | IdeaPad Slim 5i Gen 8 |
OS | Windows 11 Home (64bit) |
CPU | Core i5-13500H (Pコア4.70GHz、Eコア3.50GHz、12コア/16レッド) |
グラフィックス | Intel Iris Xe Graphics |
メモリ | 16GB |
ストレージ | PCIe NVMe対応M.2 SSD 約512GB |
ディスプレー | 14型(1920×1200ドット)、グレア |
内蔵ドライブ | - |
通信規格 | 無線LAN Wi-Fi 6(IEEE 802.11ax/ac/a/b/g/n)、 Bluetooth v5.1 |
インターフェース | USB 3.2 Gen1 Type-C×2、USB 3.2 Gen1 Type-A×2、HDMI×1、 マイク/ヘッドホンコンボジャック×1、 microSDメモリーカードリーダー |
内蔵カメラ | フルHDウェブカメラ |
サイズ/重量 | およそ幅312.0×奥行221.0×高さ16.9(最薄部)mm 約1.46g |
バッテリー駆動時間 | (JEITA2.0) 公称約14時間 |
高級感があるうえにタフさも備えるクラウドグレーのボディ
本体は全面をクラウドグレーで染めている。このグレーがただの銀色ぽいカラーではなく、わずかに混ざった黒が深みを増しており高級感を醸し出している。そのうえマットな加工により指紋などの汚れが付きにくく、美しさをキープし続けてくれる。
しかもこのボディーは落下や水こぼしにも耐える設計となっているとのこと。テストとはいえ、借用機材に実際に水をかけたり落したりする度胸はなかったが、持ち歩くのが目的のモバイルモデルにおいてそうした設計は安心度を高めてくれるはずだ。
美しい有機EL液晶は16:10でベゼルは極細!
今回テストしたのは有機ELモデルということで、パネルは14.0型のグレアタイプ。パネル性能の高さもあり、描き出される映像はとても美しい。文書作成だけに使うのはもったいないレベルだ。
パネルを囲むベゼル部は、左右が実測約4mm、上部は実測約9mm(カメラ部分のみ実測約11mm)と狭くなっており、映像への没入感はとても高い。しかもアスペクト比は16:10で解像度はWUXGA、つまり1920×1200ドットであり、縦がフルHDより120ドット分広いのだ。わずかな差のように思えるが、実際に使用しているとこの広さは快適度をかなりアップしてくれる。ちなみにパネルの種別を選ぶ場合は、グレア(有機EL)かノングレア(IPS)かで決めるのも良いだろう。
上記においてカメラ部分が太くなっているが、これは物理カメラシャッターを搭載しているためだ。操作ミスでこちらの映像を意図せず流してしまうといった事故をかなり軽減してくれる。
実際に配信サービスを使って映画を視聴してみたが、映像は美しいしサウンドもモバイルノートにありがちな軽い音ではなく台詞や音楽を存分に楽しめた。個人的な意見では、高音のほうが得意な気がする。
十分に快適な入力周りと過不足なく充実した出力周り
キーボードはほぼすべての部分が、実測約19mmのピッチを確保したキーが並んでいる。そのため右側のエンターキーが少し小さくなっていたり、同じく右側のシフトキーが変則的な形をしているが、別に打ち難くなっているわけではない。
ピッチが広いので指を置きやすいうえ、タイプした感覚はとても柔らかく軽い。それでいてクリック感もあるので長時間の作業でも、軽快なまま疲れにくそうだ。特にカーソルキーは↑↓キーこそ細くなっているものの、←と→のキーは他のキーと同じサイズなので使いやすい。タッチタイピングのまま↑と↓操作する目安にもなる。
また、キーボード面にはバックライト仕込まれており、薄暗いところでも視認性が高くなっている。ゲーミングな感じに派手に光りまくるわけではないので、そうしたデザインが苦手なかたは安心してほしい。ちなみに、キーボードバックライトの光量は、「Fnキー」とスペースバーを同時押しすることで「AUTO」「光る」「めっちゃ光る」「オフ」を切り替えられる。
インターフェース類は、USB Type-A、Type-Cを合計で4基も備え、スリムノートPCとしては拡張性が高い。
左右をそれぞれ見ていくと、左サイドには、電源端子も兼ねるUSB 3.2 Gen1 Type-C×2、HDMI出力端子、マイク/ヘッドホンコンボジャックが並ぶ。
右サイドにはUSB 3.2 Gen1 Type-A×2、microSDメモリーカードリーダーを備える。
便利なレノボオリジナルソフトウェアもプリインストール
プリインストールされているソフトウェア群も、とても便利だ。「Lenovo Vantage」は、システムにおける各種情報をチェックしてくれ、ドライバーやBIOSなどのアップデートを手軽に行なうことができる。
独自機能をショートカットキーとして割当てられる「Lenovo Hotkeys」も、PCを使いこなす際に役立つだろう。
そのほかにもビデオ会議などで画質調整や目線補正、背景変更などが行なえる「Lenovo Smart Appearance」や、実行している作業に基づいてシステムパフォーマンスやバッテリーライフを適合させる「Smart Power」などを内蔵している。
ベンチマークでパフォーマンスをチェック
続いて肝心のパフォーマンスを見ていこう。インテル第13世代プロセッサー搭載だが、その実力は如何に。
まずは、PCの総合的な処理能力をチェックする「PCMark 10」。総合スコアは5980であった。
ただし、スコアの詳細を見るとアプリケーション起動速度やブラウザーの描画速度を表す「Essential」では11235と高スコアだ。Word、Excel等のビジネス系アプリケーションの処理能力を表す「Productivity」においても7305とこちらも高い。しかも3Dグラフィックスや写真編集などの処理能力を示す「Digital Content Creation」でも、7072を叩き出している。レンダリング周りのスコアだけが4770となっており、ここが総合スコアが伸び悩んだ理由だろう。とはいえ、モバイルノートPCにそこまで高いレンダリング性能が必要か?と問われると答えに窮するところもあるので、モバイルノートPCとしてはハイスペックであると言えるだろう。
CPU単独の処理速度を計測する「CINEBENCH R23」では、シングルコアが1777pts、CPU全体の数値であるマルチコアが12018ptsというスコアで、モバイル用どころかノートPC全体と比較してもトップクラスの成績だった。
ストレージのアクセス速度は「CrystalDiskMark 8.0.4」でチェック。結果は下の画像で一目瞭然。かなり高速だ。
PC Mark 10のスコアから、ライトなタイトルであれば3Dも結構いけるのでは?と思ったが、実際に「ファイナルファンタジーXIV:暁月のフィナーレ ベンチマーク」を走らせたところそれを実証するスコアが出た。
画質が「高品質(デスクトップPC)」、解像度が「1920×1080」、表示方法は「フルスクリーン」の設定で、スコアは4850となり評価は「普通」であった。もうちょっと下げて画質だけ「高品質(ノートPC)」にしたところ、スコアは6084の評価は「やや普通」である。これなら特に支障なくフルスクリーンのフルHDで遊ぶことができるはずだ。
せっかくなので3Dオフラインゲームベンチである、「FINAL FANTASY XV WINDOWS EDITION BENCHMARK ver1.2」での結果も確認しよう。画質は「軽量品質」、解像度は「1280×720」、表示は「フルスクリーン」という最軽量な設定で計測。スコアは4085で評価が「普通」であった。
このタイトルはゲーミングノートでも手こずる重量級タイトルなので、モバイルノートなら最軽量設定でも「普通」を出せれば優秀な方だ。
加えて、オフラインのゲームとしてリリースされたばかりのベンチマーク「Street Fighter6 ベンチマーク」を使用してみよう。設定はさすがに一番軽いプリセットの「LOWEST」を選択。解像度も一番狭い1280×720で計測してみた。結果は、トータルスコアが100/100で評価が「快適にプレイできます」と出た。解像度を含む設定を一番軽くしたとはいえ、最新タイトルが十分に遊べるというのは凄い。
3Dグラフィックス能力のみをチェックする「3DMark」でのチェックも行なおう。「Time Spy」のスコアは1604と、統合型グラフィックスであれば十分な結果。
次にCPU統合グラフィクスPC向けの「Night Raid」。こちらはかなり高スコアな15207をマークした。
メインマシンでもセカンドPCとしてもチョイスできる
優良モバイルPC
ここまでレポートしてきたとおり、<IdeaPad Slim 5i Gen 8>は非常に使い勝手が良いうえ、タフなので安心してモバイルできるマシンである。スペックも高いのでいつでもどこでも快適な作業環境が得られるだろう。しかし、何と言っても一番の驚きは、その充実したスペックのマシンが10万円以下という手頃過ぎる価格だろう。今回テストしたモデルはCPUが少し上のランクで液晶が有機ELのモデルだが、それでも税込み価格で10万円を切っている。
学生から新社会人までマイPCを始めて購入する人には最適にも程がある一台だろう。なんなら自宅用のデスクトップ機に加えてモバイル機が欲しいというPC上級者にも、安心してオススメできる一台だ。